ソフトバンクBBは、BBフォンと無料通話が可能な050番号のIP電話サービスとアプリケーション機能を組み合わせたISPフリーのコミュニケーションサービス「my BBコミュニケーター」のトライアルサービスを、6月18日から実施すると発表した。
■ BBフォンと無料通話可能な「my BBコミュニケーター」。Outlook連携も
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「my BBコミュニケーター」概要。テレビ電話などはBBフォンにはない機能だという
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my BBコミュニケーターは、専用ソフトや端末を利用して、加入するISPを問わず050番号のIP電話サービスと、メールやチャット、アドレス帳、スケジュール機能などのアプリケーションを利用できるサービス。ソフトバンクBBでは、音声コミュニケーションとASPアプリケーションを組み合わせた、「統合コミュニケーションサービス」と位置付けている。
IP電話サービスでは、着信電話やボイスメール、クリックコール、テレビ電話、カンファレンス、着信拒否などを、追加料金なく利用できるのが特徴。また、my BBコミュニケーターとYahoo! BBの「BBフォン」「BBフォン光」宛ての通話料は無料で、一般加入電話および他社050番号宛てが3分8.3895円、携帯電話宛てが1分21円(23時~8時の場合)、PHSが1通話10.5円、1分10.5円から通話が行なえる。
アプリケーション機能は、メールやチャット、スケジュール、アドレス帳、プレゼンス機能をWeb経由で利用が可能。Outlook対応プラグインをインストールすると、Outlook上でも各種機能を利用できる。加えて、携帯電話への対応も8月初旬に予定する。なお、音声やチャットの通信はVPNによる暗号化を行なっているほか、メールに関してもスパムやウィルスチェックをソフトバンクBB側で実施しているという。
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携帯電話転送のほか、ボイスメールとして保存が可能
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Outlookとも連携可能なアプリケーション機能
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利用料金
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8月1日に予定する正式サービス時の料金は、月額基本料金が315円で、初期設定費用が0円。このほか、無料オプションとして会員ページで通話明細を確認できる「Web通話明細」や、着信時に相手先の電話番号を表示できる「発信者番号表示」機能などを用意する。
対応端末は、電話機を接続できるポートを用意したIEEE 802.11b/g準拠の無線LANルータを6月18日から提供を開始。販売とレンタルの2方式を採用し、販売時の料金は13,440円で、レンタルが月額500円程度を予定している。
また、7月にはWindows XP/2000に対応したソフトフォン「フォンアプリ」の無償配布を開始するほか、8月にはソフトを内蔵させた「USBフォン」を数千円程度で販売するという。
正式サービスに先駆けたトライアルサービスは、6月18日から7月31日までを予定(受付は7月18日まで)。期間中は基本料金が無料になるほか、050番号の変更手続きも無料で利用できる。また、先着500名に対応無線LANルータを無料レンタルするほか、フォンアプリの利用を希望するユーザー先着500名には専用ヘッドセットをプレゼントする。
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電話ポート付きの無線LANルータのほか、ソフトフォンやUSBフォンを順次提供する
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フォンアプリの画面イメージ
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■ 今後はソフトバンクモバイルなどのグループ会社との連携も視野に
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ソフトバンクBBの野田氏
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Exchange Serverを利用することなくOutlook連携が可能なことから、企業向けASPサービスも準備を進める
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ソフトバンクBBの技術統括 コミュニケーション・ネットワーク本部 副本部長の野田真氏は、「BBフォンはYahoo! BBとセットでしか利用できなかったが、my BBコミュニケーターはBBフォンと同等のIP電話サービスをISPフリーで利用できる」とコメント。「my BBコミュニケーターは外出先の公衆無線LANスポットなどで利用が可能で、ロケーションフリーな統合コミュニケーションツールである」とモビリティ性の高さを強調した。
野田氏はまた、「当社以外のブロードバンドユーザーも増加している中で、今回のサービスを通じて収益の拡大を図っていきたい」と語り、「将来的には481.6万ユーザー(2006年度末時点)が利用するBBフォンと同程度のユーザーを獲得できれば」と目標を示した。
正式サービス以降の予定としては、法人向けASPサービスや携帯電話向けのJavaアプリ版、AjaxやFlashに対応したWeb2.0アプリ版の提供を予定。また、プリペイドに対応したサービスも準備を進めるとしている。
野田氏はそれ以外にも、「ソフトバンクモバイルの各種サービスと連携を進めたい」と発言。Yahoo! JAPANの「Yahoo!メッセンジャー」のようにグループ内で同等のサービスが存在しているが、野田氏は「これらと競合するのではなく、相互チャットなどの協力が行なえれば」と語った。
なお、050番号をISPフリーで利用できるサービスは、SkypeやNTTコミュニケーションズの「ドットフォンパーソナルV」などがすでに提供を開始している。これについて野田氏は、「my BBコミュニケーターはBBフォンから派生した電話と親和性の高いツール」と位置付けた上で、「もちろん、SkypeのようにPC向けのサービスという側面も持っており、利用者獲得にあたってはターゲットに合わせたアプローチでユーザー拡大を図っていきたい」と述べた。
■ URL
my BBコミュニケーター サービス概要
https://bbcc.softbank.jp/personal/index.html
トライアルサービス 告知ページ
https://bbcc.softbank.jp/personal/trial/index.html
関連記事:ソフトバンク、ブロードバンド電話事業「BB Phone」を正式発表
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/12/18/phone.htm
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(村松健至)
2007/06/18 14:29
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