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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ソフトバンク決算、ADSL会員は減少傾向もモバイル事業が好調

 ソフトバンクは8日、2008年3月期第1四半期の連結業績を発表した。ADSL会員は前四半期から減少したもののモバイル事業は純増で1位になるなど好調なほか、FTTH事業も本格展開に向けて準備を進めているという。

 連結業績は、売上高が前年同期比34.2%増の6,630億8,400万円、営業利益が44.9%増の787億4,600万円、経常利益が96.8%増の511億5,400億円、当期純利益は前年同期比17.7倍の251億3,000万円。なお、ソフトバンクモバイルが2006年4月末より連結を開始しているため、前年同期比の業績ではソフトバンクモバイル2カ月分の業績が反映されている。

 売上高と営業利益は、移動体通信事業の業績が3カ月分反映されたことから増加となったが、営業外収益はSBIホールディングスの全株式売却により持分法による投資利益が76億1,000万円の減少。特別利益では投資有価証券売却益46億3,200万円の計上に加え、アイティメディアおよびカービュー上場によって持分変動によるみなし売却益を28億6,600万円計上した。


ADSL会員は四半期で約3万の減少。FTTHや高速PLCなどを準備

 事業別の業績では、ブロードバンド・インフラ事業の売上高が前年同期比3.8%増の657億4,700万円、営業利益が58.2%増の86億6,500万円。「Yahoo! BB ADSL」の会員数は513万4,000件と、前四半期から約3万件の減少となったほか、ARPU(1ユーザーあたりの平均収入)も4,358円と前年同期比から微減した。ソフトバンクでは「Yahoo! BB 50M」などの高速ADSLや「無線LANパック」などオプションサービスの加入比率が上昇しているためADSL事業も堅調に推移していると説明しており、今後も経営の効率化と利益の拡大を追求するとしている。

 FTTH事業では「Yahoo! BB 光」に加え、「公正な競争環境が整い次第本格展開がいつでも可能な態勢を保持している」と説明。また、電柱からユーザーまでの区間をメタル線で引き込む「FTTR(Fiber To The Remote terminal)」の商用化に向けた試験サービスや高速PLCの研究開発も継続して行なっているとした。

 固定通信事業は売上高が前年同期比2%増の904億8,600万円だが、営業損益は1億1,100万円の営業損失となった。固定電話「おとくライン」の接続回線数は前年同期比で36万2,000件増、前四半期から約3万7,000件増の125万7,000回線。


移動体事業は好調でエリア拡大の目標も達成。ARPUは減少傾向に

 移動体通信事業は、売上高が前年同期比68.5%増の3,916億6,800万円、営業利益が59.5%増の435億2,800万円。ソフトバンクモバイルの全契約数は前年同期比で120万件増の1,644万500件となり、純増数では5月、6月と2カ月連続で首位に立つなど好調をアピール。なお、電気通信事業者協会(TCA)の発表では7月もソフトバンクモバイルが純増で1位となり、3カ月連続で首位を維持している。

 解約率は1.46%と、前年同期比の1.50%から0.04%減少。ソフトバンクでは魅力的な端末の販売やサービスの充実に加え、2006年9月から開始した端末の割賦販売が奏功したとしている。

 四半期のARPUは5,000円で、月額基本料金が980円の「ホワイトプラン」や割引プラン「新スーパーボーナス」の影響から前年同期比で590円の減少。一方でデータのARPUは1,410円と前年同期比で60円増加し、総合ARPUに占めるデータARPUの比率は28.2%。また、顧客獲得手数料の平均単価は割賦販売の導入により販売奨励金が低減した結果3万700円となった。

 3G携帯電話の基地局数は前期末から約1万局増設して3万9,022局となったほか、2007年度上半期中の目標としていた4万6,000局の開局も8月1日に達成するなどエリア拡大を充実。端末数も夏商戦に12機種の3G携帯をラインナップし、うち8機種がHSDPA方式に対応。コンテンツでも「Yahoo!ケータイ」「Yahoo!動画」などを開始するなど拡充を図ったとした。


オークションやショッピングの出店数増加で手数料収入が大幅な伸び

 インターネット・カルチャー事業は売上高が前年同期比18.3%増の527億9,600万円、営業利益が25.5%増の271億4,800万円。ヤフーではブランド力の高い商品やターゲティング広告を中心に販売したことでインターネット広告の売上が増加した。また、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!オークション」合計のストア数も前年同期比8,692店舗増の2万8,368店舗になるなどテナント料および手数料収入が大きく伸びたほか、個人向けでは「Yahoo!オークション」がIDのみで入札可能になるなどの利用拡大策により取扱高が堅調に拡大しているという。

 イーコマース事業は売上高が前年同期比4.3%増の616億6,000万円で、営業利益は20.1%減の11億6,700万円。ソフトバンクBBの流通事業は法人売上が伸びたことで堅調に推移しているほか、カービューも東証マザーズに上場するなど順調とした。


関連情報

URL
  第1四半期の財務・業績概況(PDF)
  http://www.softbank.co.jp/irlibrary/results/pdf/softbank_results_2008q1_001.pdf

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(甲斐祐樹)
2007/08/08 17:57
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