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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
MS、戦略説明会「CONNECTED」でVista向けの新コンテンツなどを発表

 マイクロソフトは29日、デジタルライフスタイル推進に向けたパートナー企業向け戦略説明会「CONNECTED」を開催。基調講演では、Windows Vista向けの新コンテンツなどの説明が行なわれた。


ヒューストン社長「インフラではなく、コンテンツこそがキング」

マイクロソフトのヒューストン社長
 マイクロソフトのダレン ヒューストン代表執行役 社長は冒頭、「アジア全体に関する『CONNECTED』を香港で1年半前に開催したが、2回目となる今回は日本を対象に開催する」と発言。その理由として、コンシューマエレクトロニクスの中心地は日本である点や豊富なコンテンツ、ハイエンドPC、信頼性の高いブロードバンド常時接続環境を挙げ、「日本からデジタルライフスタイルが発信されることが考えられるからだ」と語った。

 続けて、YouTubeやSecond Life、VoIPといった国内メディアが報道している昨今のデジタルコンテンツやサービスなどを紹介。このうち、YouTubeについては「日本企業がコンテンツ提供や連携する機器を発表しており、日本発のコンテンツも少なくない」とコメント。「日本の著作権法上問題のある映像もあるが、それらが毎日視聴されているのは疑いようのない事実である」と述べ、「これはデジタルコンテンツ環境が変化しているとも言える」とした。

 Second Lifeについては、「若い人々に新しいライフスタイルを提供している」とヒューストン社長は感じているという。「すでに日産やトヨタ、TBS、ソフトバンクなどの各社がSecond Lifeに対応しており、若い人からかけ離れた場所にいる私から見ても、世界に変化が起きていると感じている」と述べた。

 こうしたデジタル化の波が到来する中で、ヒューストン社長はテクノロジーのメガトレンドとして「ハードウェア性能の向上」「ユビキタスブロードバンドの進展」「モビリティと新デバイスの登場」「無制限のストレージ領域」「高解像度表示が可能なディスプレイ」「Wiiに代表される自然なインターフェイス」の6点を挙げた。その上で、「PCが誕生した25年前と比べてPCや携帯電話は劇的な進化を遂げている。そして、これらメガトレンドを考えると、今後25年間は生活を一新するようなイノベーションが登場する可能性がある」と期待を示した。


YouTubeやSecond Lifeをはじめとしたデジタル化の波 これまでの25年間からの変化

 ヒューストン社長はまた、マイクロソフトが掲げる「ソフトウェア+サービス」戦略のプラットフォームについて、「当社が構築・提供しているデータセンタやネットワークインフラ、それにインターネットインフラなどはあくまで下層に位置している」とコメント。「もっとも重要なのはコンテンツやアプリケーションを提供する事業者である」とCONNECTEDに参加するコンシューマ向け企業に対して呼びかけ、「コンテンツこそがこれらピラミッドのキングであり、もっとも価値のある存在である」と強調した。


ソフトウェア+サービスのプラットフォーム コンテンツやイノベーションが重要な柱に

テレビ東京がVista向けに「あにてれ」開設。日テレはワンセグ連携機能

 基調講演では、Windows VistaのWindows Media Center機能をXbox 360で利用できるデモンストレーションやWindows Vistaの一部機能をWindows Mobile端末で表示できる「Windows Sideshow」の利用例に加え、Vista向け新インターフェイス「Windows Presentation Foundation(WPF)」やWebブラウザ用プラグイン「Silverlight」、キーボードやマウスを使用せずに指で操作が可能なデバイス「Surface」がCONNECTED参加企業に対して紹介された。


Windows Media CenterとXbox 360の連携 メッセンジャーも利用できる Windows SideshowをWindows Mobile端末で利用

WPFの利用例 Silverlight。Macにも対応するほか、Windows Mobileへも対応予定 Surfaceのイメージ映像も紹介された

(写真右)マイクロソフトのヒューストン社長と基調講演に登壇した各社の代表者
 また、マイクロソフト 執行役 常務の堺和夫氏が司会のもと、Windows VistaのWindows Media Centerで提供するオンラインサービス「メディア オンライン」の新サービスや連携機能が各社から発表された。

 日本テレビ放送網では、メディア オンライン向けに映像コンテンツの提供を2007年3月に開始している。同社 編成局デジタルコンテンツセンターの田村和人氏は、「ワンセグは携帯電話での利用を想定していたが、PCでの利用も想像以上に進んでいる」と語り、ワンセグとメディア オンラインを連携させた「ワンセグ・メディアセンター連携機能」を提供すると発表した。

 同機能は、マイクロソフトと日本テレビ、バッファロー、富士通の4社が共同開発したもので、ワンセグのデータ放送に設定されたリンクからメディア オンラインの動画コンテンツへとアクセスできるようになる。当初の対応機種は、バッファローのワンセグチューナー2製品と、富士通のワンセグ搭載ノートパソコン。


日本テレビの田村氏。古閑アナウンサーも登壇した ワンセグのデータ放送からリンクをクリックすると メディア オンラインのコンテンツが表示される

 テレビ東京では、PC向け公式アニメサイト「あにてれ」を2007年9月からメディア オンライン向けに開設。当初はPCサイトと同一の内容を用意するが、冬以降をめどに新しいサービスを提供するという。

 同社 メディア事業部推進本部 ライツ事業部の細谷伸之氏は「PC向けサイトは意図して画面全体でコンテンツを表示しているが、メディア オンラインではシンプルなデザインを採用した」とサイトデザインを説明。また、「課金コンテンツや6MbpsのHDコンテンツの視聴、音楽配信、物販に関しても、メディア オンライン上でワンストップで利用できるよう準備を進める」と今後の展開も示した。


メディア オンライン向け「あにてれ」トップ画面イメージ 無料コンテンツを視聴できる「あにてれシアター」 テレビ/ネット配信中の「Re:あにてれ情報局」も視聴できる

 このほか、7月31日にメディア オンライン向けにコンテンツ提供を開始した東京放送(TBS)は横浜ベイスターズ主催試合を配信する「ハマスタWAVE」を紹介。イーブック・システムズでは、電子書籍サイト「Flib」のコンテンツをメディア オンライン向けに2007年内に提供することを発表した。

 最後に再び登壇したマイクロソフトのヒューストン社長は、「新しいメディアプラットフォームとソフトウェア+サービスによって、素晴らしいコンテンツを劇的に改善した形でコンシューマに提供できる」とコメント。「私自身、非常にわくわくしており、メディアを組み合わせることで多くの可能性を実現できる」と語り、CONNECTEDを通じて新たなコンテンツやサービスが登場することに期待を寄せた。


TBSの「ハマスタWAVE」 ベイスターズの「ホッシー」も基調講演に登場 イーブックも年内をめどにコンテンツ提供を開始する

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3168

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(村松健至)
2007/08/29 16:12
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