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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
SCN、全方位カメラでミュージカルを生中継

 So-netを運営するソニーコミュニケーションネットワーク(以下SCN)は9月18日より、ミュージカル「MASK of LOVE」を上演する。全18公演のうち、9月27日から9月30日の最終公演までに行なわれる7公演は、全方位カメラを利用してライブ配信する。1,050円(税込)の料金で、対象7公演はすべてライブ視聴できる。


劇場・インターネット両方で見られるミュージカル

ネット視聴時の画面イメージ
 MASK of LOVEは、SCNが4月に上演した演劇「ROOFTOP」に続く、「ブロードバンドシアタープロジェクト」の第2弾作品。マスクをかぶって本当の心を隠した主人公の内面での葛藤やヒロインとの恋、街の支配者との対決をミュージカル形式で描く。

 ブロードバンドシアターでは、劇場内に観覧者を招いた状態の通常上演「リアルシアター」と同時に、全方位撮影カメラを使ったインターネット配信「バーチャルシアター」を行なうのが特徴だ。

 ネット配信用には、ソニーが開発した全方位映像制作システム「FourthVIEW」を採用。ネット視聴者は、ステージ上に設置された全方位撮影カメラの映像を自由に選択して視聴できる。また今回の「MASK of LOVE」の上演では、ステージの周囲にもカメラを設置し、よりスケールアップして実施するという。

 ネット配信であるバーチャルシアターは、視聴用ソフトウェアの種類に応じて、複数の方法から選択して視聴できる。ストーリーを追いながらの視聴に適している「ディレクターズカット画面」は、制作者側が最適な視聴方向をあらかじめチョイス。ユーザーはテレビを見るような感覚で映像を楽しめる。映像形式はWindows Media Videoで、300kbpsと1Mbpsの2種類から配信帯域を選べる。

 もう1つの「360度カメラ画面」では、画角をユーザーがリアルタイムで自由に選択可能。こちらはMPEG-4形式で、1Mbpsの帯域を必要とする。また「ディレクターズカット画面」と「360度カメラ画面」を同時に視聴できる「MIX画面」も用意され、1.5Mbpsの帯域で配信する。

 SCNではバーチャルシアター視聴用PCの推奨環境として、360度カメラ画面・MIX画面選択時はPentium 4 1.6GHz以上、ディレクターズカット画面選択時は帯域に応じて500MHz以上の動作クロックを持つCPUを搭載していることを挙げている。

 なお10月1日~30日からは、ライブ配信を行なった7公演をオンデマンドで配信する。料金は1,050円で、期間中は何度でも視聴できる。また配信自体はSo-netだけでなく、@niftyや動画ポータルサイト「BBit-JAPAN」を通じても行なう予定だ。


出演者が集った制作発表会見

記者会見場の「MASK of LOVE」ポスター
 公演の主催元であるSCNは、都内で制作発表の記者会見を開催。SCN関係者、舞台出演者が集い、ミュージカルの狙いや抱負を語った。

 まず挨拶にたったSCNの近藤幸直COOが「インターネットが新しいメディアとして認知されつつある中、旧来のコンテンツを流し続けてもいいが、ブロードバンドを使い切った新しいコンテンツも必要」と開催に至った背景を説明した。「第1弾での苦労も多かったが、その苦労を眠らせるわけにはいかない。関係者には迷惑をかけると思うが、皆でブロードバンドの文化を創っていこう」と決意を述べた。

 続いて公演協賛側として、関西電力 BBit-JAPAN事務局 土山仁司氏、インテル 森田徹治氏が挨拶。FTTHなどのインフラ、PC用CPUを供給する立場から、新しいコンテンツに寄せる期待を語った。

 さらにミュージカル出演者もそれぞれ抱負を披露。主演の村田真は緊張からか「一生懸命頑張る」と短くコメントした。ヒロインを演じる伊藤裕子は「舞台は、女優になってからずっとやりたくて、話をもらった時、とても嬉しかった。ただしミュージカルということで歌も多く、稽古でへこむこともあるかも」と、上演までの不安と期待を語っている。

 主演2人の敵役として出演する日向薫は「悪役だけど、(稽古では)嫌われないように」、もう1人の敵役である大沢樹生は「当初ヒーローものと聞いたので、悪役なのがちょっと残念。ネット配信についても、いい意味での『おもちゃ』として活用したい」とそれぞれコメントし、会場の笑いを誘った。

 演出・脚本を担当する山浦哲也は、今回のMASK of LOVEを「メジャーデビュー的作品」と捉えており、意気込みと決意も固い。「『マスク』と『ラブ』の2本が今作のテーマ。現代人なら誰しもが場面に応じたマスクをかぶっていると思うが、愛を感じたりするとそれが揺れ動く。そういった心の動き、素顔とマスクをかぶっているときのギャップなどを表現したい」と並々ならぬ決意を表明した。


ソニーコミュニケーションネットワークの近藤幸直COO 会見に集った出演者。右から村田真、伊藤裕子、日向薫、大沢樹生、演出・脚本の山浦哲也

関連情報

URL
  ブロードバンドシアター
  http://www.so-net.ne.jp/bbtheater/

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(森田秀一)
2003/07/17 21:23
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