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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アッカ須山社長「無線ブロードバンドは3桁億円の売上を目指す」

 アッカ・ネットワークスは14日、2008年12月期 中間期(2008年1月~6月)の連結業績に関する説明会を開催した。


通期進捗は順調も、個人向けADSL契約が90万を割り込む

アッカの須山社長
 中間期の連結業績は、売上高が前年同期比14.5%減の155億1200万円、営業利益が2.7%増の11億9200万円、経常利益は2.9%減の11億2900万円で、純利益は18.0%減の9億4400万円。売上高が前年同期より減少しているが、アッカでは予想の範囲内と説明。また、通期見通しに対する進捗率はいずれも50%を上回った。

 事業別に見ると、個人向けインターネット接続サービス事業の売上高は前年同期比17.3%減の115億8500万円。契約者数は同比14.6万件減、2008年12月期 第1四半期末比3.8万件減の88.4万件で、90万件を割り込んだ。APRU値は前年同期比121円減の2065円、解約率は0.05ポイント改善の2.49%。

 企業向けデータ通信サービス事業の売上高は、前年同期比2.8%増の35億2200万円。契約者数は0.05万件減の4.95万件で、このうち光回線契約は2985件。また、APRU値は222円増の1万770円。なお、その他事業は42.1%減の4億400万円だった。

 このほか、14日に開催した取締役会において、中間期配当を3750円と決議。9月16日に支払いを開始する予定という。また、期末配当も同額を見込み、年間で7500円の配当を予定している。


中間期ハイライト 年度見通しに対する進捗率

須山社長「無線ブロードバンド事業で3桁億円規模の売上を目指す」

第1四半期からのアクションプラン進捗状況
 決算説明会では、須山勇 代表取締役社長 兼 CEOが第1四半期に公表したアクションプランの進捗状況や、7月31日に発表したイー・アクセスとの戦略的提携に関して説明を行った。

 無線ブロードバンドでは、NTTドコモおよびイー・モバイルと連携したMVNOによるモバイルデータ通信サービス「ACCA mobile」を開始。すでに直販代理店を10社開拓し、年内までに倍程度まで増やす考えという。須山社長はまた、固定と組み合わせたFMCサービスも含めて、「無線ブロードバンドビジネスにおいては、最終的に3桁億円規模の売上高を目指したい」とした。

 同分野では加えて、7月より横浜地区で無線LANのパイロットサービス「skeletown(スケルタウン)」を開始済み。それ以外に関しても、新規サービスを提供できるよう、準備を進めているという。

 ADSL分野では、8月11日にイー・モバイル回線を利用した「ACCA mobile(E)」との組み合わせて、ADSL月額料金を半永久的に月額500円とするキャンペーンを実施。また、第1四半期の説明会でも言及した、既存ユーザーを対象にした施策も2008年内に行うと改めて説明した。

 原価構造の改善に関しては、事業規模に合わせた人員削減に取り組んでいることを新たに公表した。須山社長によれば、2007年12月末で760名だった総従業員数を、2008年末までに530名程度に削減を進めるという。

 総従業員のうち約300名いる正社員に対しては、6月に転職支援制度を開始し、約45名の応募があったとした。一方、無線ブロードバンドにおける人材登用を進める考えを示し、2009年度中に有線と無線の人材比率を「7対3、ないし6対4程度にしたい(塚本博之 取締役副社長)」考えだとした。

 サービス面では、企業向け映像事業を9月1日付でJストリームへ譲渡を発表済み。このほか、ソリューション事業等の一部案件の整理も行われた。


統合シナジーに向け、イー・アクセスとの分科会も開始

イー・アクセスとの提携概要
 その上で須山社長は、イー・アクセスとの戦略的資本・業務提携に関して「当社自身のモデルチェンジを図るのが狙い」と説明。一連のアクションプランを含めて、「非常に駆け足にやってきたが、皆様にお約束したことを着実に実現してきている」と語り、特にイー・アクセスとの提携に関しては「事業基盤の強化が図れる」と述べた。

 須山社長は、資本関係をベースに業務効率化や、シナジーの拡大を狙うと考えを示し、「新たなチャネル開拓やFMCなど販売戦略面での協業し、マーケットシェア拡大や売上拡大を目指していく」とコメント。また、イー・アクセス経由の数値を含めればADSL市場シェアは22%になるとし、「ADSL事業の強化が達成できるとともに、提携によって無線ブロードバンドビジネスでも大きな力が得られる」と自信を示した。

 イー・アクセスとの業務提携効果によって、アッカでは今後5年間で140億円の売上増加を見込んでいる。また、オペレーション分野で約60億円のコスト削減効果を期待するとした。2009年度への影響に関しては、売上が30億円、コスト削減効果が10億円程度を見込むという。なお、ネットワーク部分の統合効果は現時点で盛り込まれていないが、「次期ネットワーク構想については話し合っているところ」だとした。

 アッカとイー・アクセスでは、8月7日には部長・本部長級を集めた戦略提携推進プロジェクトをキックオフし、10の分科会で統合シナジーに向けた作業を開始したという。須山社長は「8年間にわたって競争関係にあったこともあり、現場レベルでは当初は緊張した状態で分科会が始まった。しかし、すでに打ち解けており、両社の近さを感じている」とコメント。これら作業を通じて成果を出し、「株主に対して恩返しもしていきたい」と述べた。

 なお、両社では8月15日付でイー・アクセスを割当先とした第三者割当による新株発行の払込手続きが完了したと発表した。


関連情報

URL
  アッカ・ネットワークス 投資家情報
  http://www.acca.ne.jp/ir/index.html

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(村松健至)
2008/08/18 11:00


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