KDDIは15日、同社運営のISP「au one net(旧名称:DION)」で提供する「ウイルス撃退お好み着信サービス」と「お好み転送サービス」でメール誤処理が発生していたと発表した。合わせて、14日付で提供を一時停止していたWebメールサービスを再開した。
「ウイルス撃退お好み着信サービス」と「お好み転送サービス」における不具合は、ユーザーが特定文字を着信拒否条件または転送条件として設定した場合に発生したもの。同条件下において、ユーザーが設定した以外の特定文字を含んだメールを着信した場合に、本来配信されるメールを着信拒否して廃棄したり、転送するべきではないメールを転送してしまった可能性があったとしている。
誤処理の発生確率が高いキーワード設定は「$」や「B」など、合計83文字(いずれも半角)の単独または複数の組み合わせ。KDDIでは、8月11日にメール誤処理問題を確認。7月2日より順次実施していた2サービスの設備更新で新規導入したシステムで、文字コード変換機能の不具合が原因だとしている。このため、8月12日にシステム切り替えを実施し、誤処理が発生しない対処を完了したという。
対象ID数は、ウイルス撃退お好み着信サービスが528ID、お好み転送サービスが12ID。なお、正常処理件数を含めて7月2日から8月12日までの期間内に着信拒否された総メール数は9万3418通、転送メール数は1525通になる。
■ Webメールサービスを再開。制御パラメータ設定の誤りが原因
KDDIでは合わせて、7月25日付で提供を停止していたau one netのWebメールサービスを8月14日11時付で再開したと発表。同サービスは、他ユーザーのメールが閲覧できてしまう可能性があったとして、サービスが停止されていた。
同社によれば、Webメールを構成するシステムにおいて、複数のシステムを制御するパラメータの設定に誤りがあり、例外的な処理が発生した場合に不具合を引き起こしていたのが原因だという。
発生期間はシステム回収を実施した2007年12月19日から2008年7月25日までで、ログデータを調査した結果、合計3ユーザーにおいて、それぞれ他の1ユーザーからメールを閲覧できる状態にあったとしている。
現時点において不具合原因が再発しないことを確認済み。同社では今後、システム開発の管理体制を強化して、再発防止に努める考えという。
■ URL
ウイルス撃退お好み着信/お好み転送サービスにおけるメール誤処理について
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/0815/index.html
Webメールのサービス再開について
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/0814/index.html
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(村松健至)
2008/08/18 11:45
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