ツタヤオンラインは、アクトビラ向けの映像配信サービス「TSUTAYA TV on acTVila」で、HD映像コンテンツのダウンロードサービスを12月19日に開始する。当初は400作品をラインナップし、Blu-ray Discなどへのダビングにも対応する。
■ HDコンテンツをダウンロード・ダビングできる新サービス
|
サービスイメージと各メディアでのファイル形式
|
「TSUTAYA TV on acTVila」では、2008年6月よりHD画質を含めた映像コンテンツの配信を開始済み。今回のダウンロードサービスに対応する当初の端末は、パナソニックのBlu-ray Discレコーダ「DIGA BWシリーズ」と、日立製作所の「Wooo UT770シリーズ」になる。
提供メニューは、視聴期間が無期限でダビングにも対応した「TSUTAYA TV セルスルーサービス」と、視聴期間のある「TSUTAYA TV ダウンロードレンタルサービス」の2種類を用意。当初の配信タイトルは、ハリウッドメジャースタジオ4社の映画・TVシリーズなど約400作品で、2009年3月までに1000前後まで拡充する。映像フォーマットはH.264、配信ビットレート(VBR)は平均10Mbps、最大20Mbps。著作権保護技術はMarlin、解像度は1080i(1920×1080)で、音声は作品ごとに2ch/5.1chと異なる。
セルスルーサービスでのダビング機能は、最大2回まで利用可能で、ダビング後も元ファイルの再生に対応する。当初の対応メディアはBlu-ray Disc(BD-RE/BD-R)とiVDR-S、CPRM対応DVD-R DL(AVCREC)。ダビングしたメディアは、同一のファイル形式をサポートする他の機器でも再生できる。
また、2009年春をめどに外出先からのリモートダウンロード予約機能を実装を予定。将来的には、SDカードやメモリースティックPro、DTCP-IPに対応したDLNA機器、Embedded Memory with Playback and Recording Functionも対象機器に加えるとしている。
|
|
ダウンロードサービスに対応するパナソニックの「DIGA BWシリーズ」
|
日立の「Wooo UT770シリーズ」
|
|
6月に開始したストリーミングサービスより高いビットレートになる
|
ダウンロードレンタルサービスの視聴期間は、映画作品が48時間、TVシリーズが48~72時間。なお、セルスルーサービスを含めて、ダウンロードしたコンテンツにはメニュー画面やチャプター設定は用意されていない。また、BD-Liveなどの付加特典・機能も備えないという。
料金体系はサービスごと異なり、セルスルーサービスの映画作品が1作品ごと平均3675円、TVシリーズが各893円。ダウンロードレンタルサービスの映画が1作品ごと平均735円、TVシリーズが各368円。なお、TVシリーズではパックメニューも用意する。課金決済は「TSUTAYA TV on acTVila」独自で行われ、Tポイントの付与・利用にも対応した。
|
|
パラマウントやワーナーなど4スタジオがコンテンツを提供
|
販売形態で重複はあるが、12月で400タイトル超を揃える
|
■ 一部コンテンツはパッケージ販売と同時にセルスルー配信
|
ツタヤオンラインの渡邊氏
|
10日に開かれた発表会には、ツタヤオンライン執行役員で、TSUTAYA TV事業部のCOOを務める渡邉健氏と、アクトビラの久松龍一郎代表取締役副社長が出席し、新サービスの概要などを説明した。
ツタヤオンラインの渡邊氏はまず、「TSUTAYA TV on acTVila」の現状に関して「性別比は男性が86%、女性が14%、年代比では30代と40代で70%を占めている」と紹介。特に性別比で男性に偏りがあるが、1983年に開業した際やオンラインDVDレンタル「TSUTAYA DISCAS」のサービス開始時と同じ構成比だと説明し、「今後は女性をいかに取り込んで、性別比率を如何に半々に持っていくかが普及の鍵になる」とした。
渡邊氏は、「ダビング機能はハリウッドメジャー各社との交渉で1番苦労した点」とコメント。ハリウッドメジャー各社ではBlu-ray Discの販売に力を入れており、ダビング機能によって「Blu-ray Discが売れなくなることを危惧していた」のが理由という。
その後の交渉の結果、Blu-ray Disc/iVDR-S/DVD/DTCP-IP対応DLNAでHD画質でのダビング機能が認められ、フラッシュメディアに関してもダウンコンバートでのダビングが可能になったという。なお、今後予定するDTCP-IPに対応したDLNA機器へのダビングに関しては、「ダビング先の機器が再生機能を持っていれば視聴できる」とし、主にバックアップ用途としてダビング機能を位置付けている考えを示した
なお、課金決済後のダウンロードおよびコンテンツは、各機器に依存。渡邊氏によれば「ダウンロード購入した時点でコンテンツは保護設定が有効になっており、自動で消去されることはない」という。
コンテンツ面では、セルスルーサービス型タイトルの一部がパッケージ販売と同日配信に対応。「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」や「LOSTシーズン4」が同日配信を予定する。また、TVシリーズ「ナイトライダー」は、本サービスが初めてHDコンテンツで提供を行うとしている。
|
|
作品詳細ではダビング可能なメディア情報も確認できる
|
ダウンロード後の管理は機器側で行う。コンテンツは保護設定され、ダビング回数も確認可能
|
|
|
1月以降はセルスルーでパッケージと同日配信も予定
|
2009年3月末までに1000タイトルまで拡充予定
|
■ TSUTAYA渡邊氏「早期に5万人の利用者獲得を目指す」
|
アクトビラの久松氏
|
渡邊氏は、「セルスルーにも対応し、当社として今後力を入れていきたいサービス」と、「TSUTAYA TV on acTVila」を位置付け。早期に5万人の利用者獲得を目指し、アクトビラや家電メーカー各社などと協力してダウンロード対応機器の拡充を進めたい考えを示した。
アクトビラの久松副社長は、「今回のダウンロードサービスをもって、2007年2月のサービス開始時に掲げた基本プラットフォーム機能が完成した」とコメント。今後はサーバー側での機能強化に注力する考えを示し、クレジットカードとSo-netのSmash決済に限られるアクトビラの課金決済も随時拡充させるとした。
なお、久松氏によればアクトビラ上では現在5000タイトル超の映像コンテンツがラインナップされており、「このうち20%程度がHD対応コンテンツになる」という。
■ URL
アクトビラ
http://actvila.jp/
TSUTAYA TV
http://tsutaya-tv.jp/
■ 関連記事
・ 【CEATEC JAPAN 2008】 TSUTAYA BB、アクトビラのダウンロードサービスをデモ
・ TSUTAYA BB、アクトビラで12月にHD映像のダウンロードサービス
・ アクトビラで「TSUTAYA TV」が本格展開。ハリウッド作品をHD画質で配信
(村松健至)
2008/12/10 14:56
|