NTT(持ち株)は、2009年3月期 第3四半期決算に合わせて2月5日付で開催した社長会見の要旨を公開した。三浦惺(みうら さとし)社長は業績予想の据え置きなどを発表した。
■ FTTHは、2010年度の2000万契約を下方修正する可能性
会見では、対前年1401億円の増益について、第2四半期の対前年増益額である約1800億円と比較すると400億円の減益と説明。ドコモの第2世代の巻き取りに関する減価償却費などの影響が大きいとした上で、通期の1兆1600億円の営業利益は据え置くが、見通しは厳しいとした。
Bフレッツやフレッツ 光ネクストなどを含んだ「フレッツ光」については、純増数が186万にとどまっていると説明。中間期決算時に下方修正した目標値280万の達成は「非常に厳しくなった」とした。その理由として、契約数が1000万を超えたため増加が緩やかになった点、景気の影響、映像系サービスが不十分な点を挙げた。
また、光回線の販売について、「残り2年間なので、2010年度で2000万契約の達成も非常に難しくなってきたのが実態」とし、2010年度の2000万契約突破の目標を修正する可能性を示した。5月の決算発表で2010年度の加入目標数について考えを明らかにするという。
■ NGNはマンション向けに拡大。ソフトバンクとの代理店契約は現在調整中
FTTHサービスにおいて、NGN設備の対応率は「現在5割位まできている」と発言。マンションに既存のフレッツ対応設備がある場合、NGNに対応するには新規設備を導入する必要があるとし、「場所の問題も含め厳しい状態である」と説明した。「中小規模のマンションで光配線方式を導入するなど、マンションのNGN収容の比率を上げていくことでトータルのNGN比率を上げていく」と今後の方向性を語った。
NHKやフジテレビなどが本格的に開始したVODサービスの影響について、「大きな需要は出ていない。徐々に需要が出てくるのではと」し、民放も含めた話し合いをしたい考えを示した。
光回線の料金の値下げについては、2011年度に収支黒字化を目標とするため、需要喚起のための単純な値下げは考えていないとした。ただ、販売拡大や競争対抗など多角的な面で検討するという。
今後の販促については、ソフトバンクとの代理店契約に関して「先方から話があり、現在話をしている」とした。また、IPTVやフレッツ・テレビを合わせた映像系サービスは第3四半期で43万契約まで増加。特にIPTVは急速に増加し、STBが間に合わなかったという例もあったため、さらに力を入れていきたいとした。
■ URL
NTT社長会見
http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html
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(村田奏子)
2009/02/09 13:41
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