KDDIは30日、2003年度第3四半期決算を発表した。売上高は2兆1,043億円(前年同期比0.8%増)、営業利益は2,347億円(前年同期比101.3%増)だった。連結ベースでは、au事業の好調な推移がブロードバンド事業の減収を相殺し、売上高の微増と営業利益約2倍の要因だという。また、有利子負債も2003年3月期より2,679億円減少し、1兆2,291億円となった。
同社では、好調な第3四半期の結果を受けて通期の予想を10月予想から上方修正し、売上高2兆8,200億円(10月予想)から280億円増の2兆8,480億円に。営業利益は、2,550億円(同)から300億円増の2,850億円にそれぞれ修正された。上方修正の主な理由は、auのARPU(1加入者あたりの月間平均収入)と累計契約数がそれぞれ7,320円から7,440円に、1,655万から1,682万件に上方修正されることに伴う350億円の増収と180億円の増益が挙げられた。また、ブロードバンド事業の営業利益も110億円から180億円に改善されるほか、TU-KA事業の営業利益も100億円から140億円に改善するという。
■ WINは、顧客認知度の向上が最優先課題。広告や街頭イベント強化へ
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発表を行なうKDDIの小野寺正社長
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事業別に見ると、au事業は営業収益が1兆3,307億円(前年同期比9.5%増)、営業利益は1,895億円(同303.2%)だった。契約数は1,597万件となり、うち2003年11月28日より開始されたCDMA 1X WIN(EV-DO)が4万7,000件、CDMA2000 1xは1,171万件、cdmaOneが421万件となった。
au事業における第3四半期の特徴では、純増シェアでトップを達成した点や販売コミッションの維持、解約率の低下、ARPUの下げ止まりなどが挙げられた。第3四半期における純増シェアは59.9%で、累計シェアでも20%に達したという。販売コミッションは、第2四半期と同じ1台あたり36,000円を維持し、総額920億円だった。また、解約率は前年同期比で0.3ポイント改善され1.4%に。ARPUは音声通話料は引き続き減少しているものの、データ通信料の維持により下げ止まり傾向になったと説明し、通期予想が7,320円から7,440円に上方修正された。
また、2003年11月28日に開始されたばかりの新サービス「CDMA 1X WIN」について、KDDIの小野寺正社長は「やはり定額制の『EZフラット』が非常に人気がある。一方、認知度が低い点や販売時に説明が必要な点などがネックとなっているため、今後は広告戦略や街頭イベント、代理店拡販などを実施する。3月の決算期にはFOMAの主力と見られるN900iやP900iの発売が3月と見られていることから、現状戦略で十分対応可能だと考えている」と説明した。
■ 光プラスは手応え充分だが、収益に結びつくのは3年目以降から
一方、ブロードバンドや固定電話事業などが含まれるBBC&ソリューション事業は、営業収益が4,0967億円(前年同期比10.8%減)、営業利益が1,630億円(同70.1%減)とだった。同社では、音声収入の減少などにより前年同期比は大幅減となったが、費用コントロールの強化により一定の利益水準を確保したと説明。光プラスサービスも着実に進展しているという。DIONの契約者数は、255万9,000件(前年同期比26万件増)、うちADSLは91万4,000件(同54万件増)だった。
光プラスサービスについて小野寺社長は、「現在大都市圏の大規模マンションを中心に営業活動を実施しており、現場から充分な手応えを感じている」とコメント。大規模マンションの場合、住民が選択の多さを求める場合が多く、その選択肢のひとつとして「光プラス」が食い込む余地がある点が大きいという。このように、着実に契約に結びつつあるものの、「ダークファイバを利用している点から、確実に収益に結びつくのは3年目以降になるだろう。それ以降に再度結果を判断したい」と語った。
■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
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