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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
パワードコムなど、FTTHでDVDレコーダへコンテンツ配信するトライアル

発表会の出席者
 パワードコム、東芝、東京電力は、光ファイバを利用してDVDレコーダに映像を配信する「ひかり de DVD」トライアルを12月1日より開始する。モニター募集は1,000名で、11月2日よりひかり de DVDのサイトで受け付ける。

 ひかり de DVDは、洋画や音楽、アニメといった映像コンテンツを、東京電力の光ファイバ接続サービス「TEPCOひかり」を通じてDVDレコーダに配信するサービス。コンテンツはCPRMで保護されるほか、動画フォーマットはDVD-VRを採用する。コンテンツの料金は販売の場合で980円から3,150円、レンタルの場合で210円から420円。貸し出し期間は当日から7日間まで用意され、期間内は何度でも視聴できる。

 トライアル期間は12月1日から2005年3月31日で、モニターを11月2日から12月12日まで受け付ける。トライアルの参加は関東のTEPCOひかりサービスエリアに居住かつTEPCOひかりに加入し、専用のHDD搭載DVDレコーダ「RD-X4TP」の購入が条件になる。RD-X4TPの標準価格は73,290円。


メディアはDVD-RAM。1枚ごと固有のIDから暗号鍵を生成

RD-X4TP

RD-X4TPのリモコン
 コンテンツの保存はDVD-RAMを利用する。DVD-RAMにはメディア1枚ごとに固有のIDが割り振られており、このIDを読み取ってコンテンツごとに暗号鍵を生成する仕組み。レンタルの場合は暗号化されたコンテンツをダウンロードし、暗号鍵を期間内に繰り返し配信する。購入の場合は暗号鍵とコンテンツを両方メディアに保存する。

 なお、購入したコンテンツは他のCPRM対応レコーダでも視聴できるが、レンタルの場合は購入したレコーダのみの再生に制限される。また、コンテンツをDVD-RAMに保存するときはDVD-RAMを毎回初期化する必要があるため、コンテンツの追加はできない。購入したコンテンツは同一のDVD-RAMであれば何度でも保存できる。

 映像コーデックは16:9のワイドスクリーンに対応したMPEG-2を採用、4.7GBのDVD-RAMに保存するために2〜4Mbps程度でエンコードされているという。音声はステレオ/5.1ch対応のAC3と2カ国語対応のLPCMをサポート。チャプター機能も搭載し、チャプター名の表示やスキップも利用可能。ダウンロード中の追いかけ再生機能も搭載する。CPRMはネットワークダウンロードに対応した「CPRM for Network Download」を採用、この規格は4C Entityで2004年8月に規格化を完了しているという。

 トライアルに参加するコンテンツ提供事業者は、アール・アンド・シー、アルク、インターチャネル、オンリー・ハーツ、角川映画、ギャガ・コミュニケーションズ、グレートデン、ケービーエス京都プロジェクト、コアラブックス、時蔵、、タイトー、2&4モータリング、ドキュメンタリージャパン、日本ヘラルド映画、ハピネット、バンダイチャンネル、BBB、ポニーキャニオン、ワーナーエンタテイメントジャパンの19社。約300タイトルがトライアル向けに提供される。

 RD-X4TPのハードウェアスペックは、東芝のHDD搭載DVDレコーダ「RD-X4」とほぼ同等だが、コンテンツダウンロード用にバッファメモリの拡充などが図られている。このため従来機種のファームウェアアップデートではひかり de DVDに対応しないが、今後発売するネットワーク対応の新機種はひかり de DVDに対応させていく方針だという。


他の映像配信サービスとの比較 ひかり de DVDのシステム構成

コンテンツ購入時にはDVD-RAMを初期化する必要がある タイトル検索機能も搭載

ログイン画面 ひかり de DVDのメニュー画面

タイトルはサムネイル表示される コンテンツ購入画面

ダウンロード中の画面。テレビやHDD内に保存した映像を同時に再生することもできる 映像の再生例。ダウンロード中の早送りや巻き戻し、一時停止といった操作も可能

将来的には他社のネットワークやハードウェアへの展開も視野に

パワードコム代表取締役社長兼CEOの中根滋氏

東芝 デジタルメディアネットワーク社の主席技監である山田尚志氏

東京電力 光ネットワーク・カンパニー・プレジデントの勝又淳旺氏
 パワードコム代表取締役社長兼CEOの中根滋氏は、「パワードコムのデータセンターとTEPCOひかりのネットワークを直結することで、インターネットを経由しない安全なコンテンツ配信環境を構築できた」とコメント。今回のトライアルに関して「専用のSTBを購入するのではなく、普及しつつあるDVDレコーダを利用できる点が特徴」とした上で、「インターネット接続の究極的な存在であるFTTHと組み合わせた点が大きい。ADSLではとても実現できないサービスであり、FTTHの将来が見えてきた」と指摘。「映像配信だけではない、新たなビジネスモデルができあがるだろう」との自信を見せた。

 東芝 デジタルメディアネットワーク社の主席技監である山田尚志氏は「当社は“映像の東芝”を標榜しており、その中でもDVDとネットワークサービスに重点を置いている」とコメント。従来までの映像配信サービスについて「専用端末が必要になる」「PCはコンテンツ提供者に受け入れられない」という点を指摘した上で、「信頼されているDVDのセキュリティを利用することで、コンテンツ提供者にも満足してもらえるのではないか。今までのビジネスモデルと違って、コンテンツ提供者も気楽に参加できるのではないか」との考えを示した。

 東京電力 光ネットワーク・カンパニー・プレジデントの勝又淳旺氏は、TEPCOひかりの現状について説明。現在は東京の通勤圏を中心にエリアを拡大しており、2004年度内には800万人の加入が可能なエリアを構築予定だという。今回のサービスは「100Mbpsを1ユーザーで占有する我々の光ファイバで何が提供できるのかという答え」とコメント、「今回は映像配信だが、光ファイバを生活インフラとしてさまざまな方法で活用できるのではないか」との展望を示した。

 対応メディアをDVD-RAMのみに制限した点について東芝の山田氏は「お金を払って記録するコンテンツのため、信頼性を重視した」とコメント。「今ではDVD-RAMの価格も400円程度まで下がってきた」とした上で、「DVD-RWやHDDへの保存も視野にはある」と語った。

 ハードウェアについても、将来的には他社への仕様公開なども検討しているほか、ネットワークも東京電力以外の電力系事業者や、NTT東西といった他の光ファイバ接続サービスへの展開も視野にあるという。山田氏は「このサービスが本当に大きくなった時に、東芝1社で対応できるとは考えていない。できるだけ多くの会社で育てていきたい」との考えを示した。

 なお、ADSLへの対応についてパワードコムの中根氏は「将来的にユーザーから要望が来れば検討するが、現状は光しか考えていない」とコメント。「距離的にハンデのあるADSLでの通信は1〜2Mbpsがせいぜいではないか」との考えを示したのち、「中国でオリンピックが開催される頃には1Gbpsを占有するサービスが登場するのではないか。これはADSLではできないこと」との意見を披露した。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.poweredcom.net/news/04_news/041102.html
  ひかり de DVD
  http://www.hikari-de-dvd.com/

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(甲斐祐樹)
2004/11/02 10:57
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