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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
メルコ、IEEE 802.11g製品の現状と今後の展開について説明
~3月7日に新仕様準拠のファームウェアをリリース~

会場で実演して実測したIEEE 802.11gの無線スループット。20Mbpsほど出ている

混在時や、新仕様ファームウェアのスループット(クリックで拡大)
 メルコは、都内で記者説明会を開催し、IEEE 802.11gが抱える問題点や新ファームウェアの説明、今後の同社のラインナップ展開について説明した。

 説明会では、同社のブロードバンドソリューション事業部の石丸正弥氏と柚木原功氏が説明に立った。石丸氏は、現在同社のIEEE 802.11g製品には「ドラフト5.0」の仕様に沿ったファームウェアを搭載していることを明らかにした。その上で、3月7日には「ドラフト6.1」に沿った新ファームウェアをリリースすると発表した。

 「ドラフト5.0」ではIEEE 802.11bと混在すると速度低下が起こる。これは同じ周波数上で同時に通信すると、通信速度の遅いIEEE 802.11bの電波が占有してしまい、通信速度が速いIEEE 802.11gの電波が出せなくなってしまうことだという。また、混在時にIEEE 802.11gもIEEE 802.11b並みの通信速度となると一部で報じられている点について、単なるネットワークの混雑であると否定、メルコが測定した結果を発表した。

 メルコの測定によれば、「ドラフト5.0」において、IEEE 802.11gのみが存在する場合では19Mbpsほどのスループットを持っているのに対し、混在環境では下り14.645Mbps、上り14.131Mbpsまで低下するとした。準備中の「ドラフト6.1」に準拠したファームウェアでは、IEEE 802.11gのみで20~21Mbps、混在環境でも18Mbpsほどのスループットを得たという。

 「ドラフト6.1」では、IEEE 802.11gの優先度を設定して通信速度低下を防ぐとともに、IEEE 802.11bのアクセスポイントにIEEE 802.11bの通信方式でIEEE 802.11gの存在を伝える「CTS/RTS」機能をサポートした。さらに、新ファームウェアでは、新仕様の実装とともに、無線特性の改善を行なった。到達距離は15%ほど改善され、スループットも改善、通信安定度も増したという。

 このほか、説明会では同社の今後のラインナップについても発表した。現在、アクセスポイント2種と無線LANルータが1機種、クライアントではPCカードタイプが1機種登場しているが、これに、PCIバス装着タイプ「WLI-PCI-G54(仮称)」を3月下旬に投入、その後USB 2.0ポートに接続する「WLI-USB-G54(仮称)」を5月に、イーサネットに接続するメディアコンバータ型の「WLI-T1-G54(仮称)」を6月に投入する予定と発表した。

 また、メルコが、高速型の無線LAN製品のラインナップをIEEE 802.11g→IEEE 802.11a→IEEE 802.11gとたびたび変更した経緯も説明された。IEEE 802.11bとの互換性が重要として最初にIEEE 802.11gを選んだが、IEEE 802.11gの登場スケジュール問題で一時期、IEEE 802.11a製品の投入を決めたのだという。しかし、今後もIEEE 802.11a製品を完全に否定するものではなく、IEEE 802.11a/b/gの共用製品など、同社のラインナップに必要に応じて加える可能性があるという考えを明らかにした。


IEEE 802.11g対応無線ルータ「WBR-G54」 外部アンテナなどはIEEE 802.11b製品と共用できる

関連情報

URL
  メルコ
  http://www.melcoinc.co.jp/
  無線LAN製品ページ(メルコ)
  http://www.airstation.com/

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(正田拓也)
2003/02/27 18:34
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