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Wii向けブラウザ「インターネットチャンネル」お試し版利用レポート

 12月22日、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」で向けに「インターネットチャンネル」のお試し版が公開された。お試し版で利用できるブラウザ機能や使用感などをレポートする。


ブラウジングに機能を絞ったお試し版。正式版は2007年3月末

インターネットチャンネル
 インターネットチャンネルは、Opera Softwareのブラウザ「Opera」をベースとしたWii専用のブラウザソフト。12月22日に公開されたお試し版はブラウジングに機能を絞った限定版であり、フル機能を搭載した正式版は2007年3月に提供される予定だ。正式版の価格は500円(500Wiiポイント)だが、6月末までは無料でダウンロードできる。

 お試し版のためダウンロードは無料だが、インターネットチャンネルで利用する本体保存メモリは278ブロック。保存メモリの総容量は2,200ブロックで、ニンテンドウ64ソフト「スーパーマリオ64」でも161ブロック程度ということを考えると、インターネットチャンネルの使用メモリはかなりの大きさである点に注意しよう。

 インターネットチャンネルを利用するには、Wiiメニューから「Wiiショッピングチャンネル」にアクセスし、「Wii専用ソフト」を選択する。ダウンロードが終了するとWiiメニューに「インターネットチャンネル」が追加され、Wiiを再起動することなく利用を開始できる。


278ブロックを利用する ダウンロードが完了するとWiiメニューにインターネットチャンネルが追加される

Wiiリモコンの操作方法はシンプル。起動時間はやや長め

起動時のロゴ画面
 インターネットチャンネルを選択すると画面が暗転し、続いて「Wii Opera Powered」のロゴが表示される。暗転時間が約5秒、ロゴ表示画面が15秒以上かかるため、ブラウザを使い始めるまでに20秒近く待たされることになる。

 操作方法は非常にシンプル。画面上のポインタはWiiリモコンで操作してAボタンで決定。+ボタンで画面を拡大、−ボタンで縮小し、Bボタンを押しながらWiiリモコンを動かすと画面を上下左右にスクロールできる。

 1ボタンはお気に入りが割り当てられており、登録済みのサイトをボタンから呼び出せる。2ボタンを押すと、サイトの横幅に応じてリサイズする縦長のレイアウトへ表示切り替えが可能で、もう一度2ボタンを押すと元の画面に戻る。

 インターネットチャンネルの起動時にはスタートメニューが表示され、お気に入りの表示やサイト入力、操作説明などが利用可能。ただし、検索機能はスタートメニューに用意されていないため、サイトへアクセスするにはURLを直接入力するか、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索サイトを自分で登録しておく必要がある。


Wiiリモコンの操作ガイド スタートページ お気に入りはサムネイルも自動で登録

Broadband Watchを表示 +ボタンでズーム 2ボタンでサイトの横幅に合わせた画面表示に切り替え

タブブラウザやポップアップは非対応
 テキスト入力にはソフトウェアキーボードを使い、Wiiリモコンで文字を選んで入力していく。バーチャルコンソールの利用時にも感じたが、Wiiリモコンで細かい文字を入力するのは難しく手も疲れやすい。個人的にはボタンも大きく使い慣れている携帯電話風のソフトウェアキーボードが使いやすく感じたが、英文字入力の初期設定が大文字になっており毎回小文字に切り替える必要がある、アドレス入力では携帯電話型のキーボードが使えないなど、一長一短といったところだ。

 ブラウジング中に利用できる機能は「お気に入り」「読み込み中止/再読み込み」「進む/戻る」のみと操作も極めてシンプル。履歴表示や画像のダウンロードなどは対応せず、あくまで閲覧に特化している印象だ。ただし、ブラウジング中の画面からは直接URLを入力することができず、画面右下のアイコンから一度スタートメニューを表示しなければいけないのはやや煩雑に感じた。

 Operaと共同開発したインターネットチャンネルだが、タブブラウザ機能は非搭載。また、ポップアップにも対応していないため、「MSN Web Messenger」などポップアップ画面で操作するサービスは利用できない。User Agentは「Opera/9.00 (Nintendo Wii; U; ; 1309-9; ja)」で、Operaのバージョンは9がベースとなっているようだ。


ソフトウェアキーボード。Wiiリモコンで文字を選んで入力する。一番右が携帯電話型のキーボード


スループットは2Mbps程度。YouTubeやGoogle マップも対応

gooスピードテストの測定結果は2Mbps程度
 続いてWiiのインターネットチャンネルからスループットを計測。スピード計測サイトにはgooの「gooスピードテスト」を利用し、5回計測して平均値を算出。ルータにはNECアクセステクニカの「Aterm WR7850S」を、回線は上下とも100Mbpsを占有する「Bフレッツ ベーシックタイプ」を利用した。

 5回の計測はいずれも2Mbps程度とかなり低速。IEEE 802.11gの無線LAN機能を搭載しているWiiだが、実測ではIEEE 802.11b程度といったところだ。12月30日には有線LANアダプタのオプション発売も予定されているが、こちらも通信速度は10BASE-T(10Mbps)相当ということから、Wiiではそれほど高速な通信速度を求めていないようだ。

1回目2回目3回目4回目5回目平均
2.19Mbps2.09Mbps2.39Mbps2.23Mbps2.47Mbps2.27Mbps


 通信速度の数値こそ低いが、一度起動してしまえばブラウザの反応は早い。お気に入りを選択するかURLを入力するとすぐにサイトが表示され、データを読み込みながらも画面を操作できるのでそれほど待たされている感じを受けない。拡大は1段階しかできないが、細かい文字を読むには十分な大きさだと感じた。

 Adobe Flashの表示も対応しているほか、Wii Previewでデモが行なわれた通りAjaxベースのサイトも利用可能。Google マップでは地図の拡大縮小やドラッグでの地図移動操作が可能なほか、Gmailも機能制限版ではなく通常画面が表示される。ただし、Google カレンダーは「適切に動作しない可能性がある」との通知が表示され、メインカレンダーの閲覧のみで利用はできなかった。YouTubeの動画、MySpaceの音楽も再生でき、閲覧の機能そのものは十分と感じた。

 ただし、容量が大きいサイトなどではフリーズが多発。リモコン操作を一切受け付けず、「HOME」ボタンでWiiメニューに戻ることもできないため、電源を切るしかないという状況に陥った。ユーザーごとにデータ容量の違いはあるかもしれないが、試した限りではmixiにログインすると必ずフリーズが発生してしまった。


Google マップ。拡大・縮小やドラッグ操作にも対応する Gmailは通常版が表示される Google カレンダーは非対応

YouTubeも動画再生が可能 MySpaceの音楽再生機能 mixiにログインすると読み込みが80%を超えたあたりでフリーズ

ゲームに興味を持たない層を惹きつけるほどの機能拡充に期待

 現時点で利用できる機能は「お試し版」ということもあって非常に限定的。任天堂では「お試し版でもブラウジングには十分な機能」としているが、起動に非常に時間がかかる、サイトによってはフリーズが発生する、ブラウジング中に直接URLを入力できないなど、正直なところ「十分」というほどには至っていないと感じた。3月末には正式版をリリースするとのことで、それまでの期間にユーザーの意見を汲み取り、こうした使い勝手のブラッシュアップにも期待したい。

 気になるのはユーザーのログインシステム。WiiではPS3やXbox 360と異なり、ユーザーごとにログインするシステムを採用していない。インターネットチャンネルも同様で、同じデータを家族で共有することになるが、mixiやブログなどユーザーログインが必要なサービスではログイン情報が保持されるため、それぞれが毎回必ずログアウトしておかなければいけない。かといって、ニンテンドーDSブラウザーのように毎回ログイン情報をリセットするのも使いにくい。家族で共有するという視点から考えれば、こうした点の仕様は改良を望みたい。

 「ゲームに興味を持たない家族にもWiiリモコンに触れてもらう」というコンセプトに基づいたWiiのチャンネル構想だが、そうした家族を対象をターゲットにするのであれば、これらチャンネルのコンテンツはゲーム以上に魅力ある存在であるべきだろう。お試し版で機能が限定されているとはいえ、今のインターネットチャンネルはそうした家族を虜にするほどまでは至っていないのではないか、と感じる。

 Wii Sportsなど直感的に操作できるゲームで話題を集めているが、ゲームに興味のない層を引き込む、逆にWiiでゲームを始めた後にインターネットにも興味を覚えるような流れを作り出す可能性を考えれば、インターネットチャンネルは大いに注目すべき存在だろう。現時点ではPCブラウザの操作をWiiリモコンで代用している印象だが、Wiiリモコンならではの直感的かつ親しみやすい操作方法と機能に期待したいところだ。


関連情報

URL
  Wiiチャンネル
  http://www.nintendo.co.jp/wii/features/wii_channel.html

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(甲斐祐樹)
2006/12/22 16:04
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