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Wiiのブラウザ機能「インターネットチャンネル」正式版レポート

 任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」向けのブラウザ機能「インターネットチャンネル」正式版が4月12日に公開された。すでに公開されていた機能限定の「お試し版」と比較しながら、その使用感をレポートする。


6月までは無料でダウンロード。7月以降は500円で有料販売

「インターネットチャンネル」正式版
 「インターネットチャンネル」は、Opera Softwareのブラウザ「Opera」をベースとしたWii専用のブラウザ機能。Wii用コントローラ「Wiiリモコン」を使い、ポインティングや画面の移動などを片手操作で直感的に行なえるのが特徴だ。6月までは無料でダウンロードでき、7月以降はWiiポイント500ポイント(500円)が必要。料金は月額制ではなく、一度ダウンロードすれば継続して無料で利用できる。

 インターネットチャンネルを利用するには、Wii本体でインターネット接続設定を行なった上で、メニュー画面から「ショッピングチャンネル」にアクセスし、「Wii専用ソフト」からダウンロードできる。すでにお試し版を利用しているユーザーは、インターネットチャンネルが「受信済み」と表示されるが、ソフトの確認画面から「更新」を選択すれば利用が可能だ。

 インターネットチャンネルの本体保存メモリ数は303ブロック。お試し版の使用ブロック数は278ブロックだったことを考えると、お試し版を利用している場合は約30ブロックを追加して消費することになる。

 ダウンロードが完了するとWiiのメニュー画面も一新。文字だけだったお試し版のシンプルなデザインが、アイコンを用いたデザインに変更されている。


すでにお試し版を利用している場合、ショッピングチャンネルでは「受信済み」と表示される 「ソフトの購入」から「更新」でお試し版ユーザーも正式版へアップデート

使用メモリ数 正式版ダウンロード後のWiiメニュー画面

起動速度が大幅に向上。複数のズーム機能など表示方法も強化

インターネットチャンネルのスタートページ
 インターネットチャンネルを起動してまず気づくのは起動時間の早さ。インターネットチャンネルを選択し、「Wii Opera Powered」のロゴが表示されるまでの暗転時間はお試し版と同様5秒程度を要するが、ロゴの表示は5秒程度で終了し、インターネットチャンネルのメニュー画面が表示される。ロゴ表示に15秒近くかかっていたお試し版と比べると段違いの速さで、体感的にも「待たされている」感覚がなくなった。

 画面上のポインタをWiiリモコンの動きで操作し、リンク先をAボタンで選択、Bボタンを押しながらWiiリモコン操作で画面スクロールという基本的な操作の流れは変わらないが、正式版では新たに十字ボタンでの画面スクロールにも対応。ポインタ操作の場合はWiiリモコンを必ずテレビに向けなければいけないのに対し、十字ボタン操作はその必要がないため、寝っ転がりながらでも気楽に操作できるのは便利だ。

 +ボタン、−ボタンを使った拡大機能も大幅に強化され、「ステップズーム」「エリアズーム」の2種類が搭載された。ステップズームはボタンを押すごとに拡大・縮小を繰り返す機能で、自分の好きな倍率で画面を表示できる。一方のエリアズームは、表示された画面に最適化されたズームを行なう機能で、画面中に表示されたテキスト幅に合わせてズームを行なっているようだ。

 お試し版で用意されているサイトの横幅に合わせた縦長レイアウト表示も、引き続き2ボタンから利用可能。このレイアウトでは拡大・縮小機能は利用できない。


ズームは「ステップズーム」「エリアズーム」の2種類 画面の幅も調節できる

Broadband Watchを表示 「ステップズーム」で最大まで拡大

最適なズームを調整する「エリアズーム」 サイトの横幅に合わせた縦長レイアウト表示

ショートカット機能も搭載。文字入力もより容易に

ショートカットの操作方法
 お試し版では1ボタンにお気に入りの呼び出し機能が割り当てられていたが、正式版ではツールバーの表示・非表示機能に変更された。ツールバーは設定画面から常時表示、ポインタを画面下へ移動したときのみ表示する自動表示、1ボタンでの表示・非表示切り替えの3種類から表示方法を選択できる。

 1ボタンに搭載されていたお気に入りの呼び出し機能は、新たに搭載されたショートカットキー機能に統合された。Wiiリモコン背面のBボタンを押しながら十字ボタンの上で「再読込」、下で「お気に入り」、左で「検索」、右で「URL入力画面」が直接呼び出せる。サイトの移動もBボタンと+ボタンで「進む」、−ボタンで「戻る」が利用可能になった。

 文字入力のソフトウェアキーボードも細かな改良が施された。お試し版では英文字入力の初期設定が大文字だったため、毎回小文字に切り替える必要があったが、正式版では最初から小文字での入力が可能。また、「www.」「.jp」など、URL入力の際の定型文もURL入力画面で自動表示される。

 なお、お試し版と同様にタブブラウザ機能は非搭載で、ポップアップにも対応していない。User Agentは「Opera/9.10 (Nintendo Wii; U; ; 1621; ja)」となっており、お試し版の「Opera/9.00 (Nintendo Wii; U; ; 1309-9; ja)」からバージョンが上がっているのがわかる。

 お試し版ではWiiリモコン1台のみ対応していたが、正式版では4台までWiiリモコンが利用可能になった。ただし、2台目以降のリモコンはポインタが半透明表示されており、ポインタの移動以外の操作は一切できない。画面の表示変更やリンク先への移動などはすべて1台目のWiiリモコンで行なうことになる。家族と一緒に利用するときなど、見たいリンク先をポインタで指示する、地図サイトの任意の地点を指示するといった利用であれば十分に役立つだろう。


URL入力時は初回から半角英数に設定され、定型文も自動表示 2台のWiiリモコンを使用したところ。2台目は半透明で表示され、ポインタ移動のみ可能

検索機能を標準搭載。Yahoo!はWiiに最適化

初回検索時にGoogle、Yahoo!どちらかを選択する
 正式版では検索機能も標準搭載。初めて検索機能を利用する場合はYahoo!とGoogleのどちらを利用するかを選択し、以降は選択した検索エンジンが標準に設定される。検索エンジンは設定から変更が可能だが、Yahoo!とGoogle以外の検索エンジンは利用できず、「ニンテンドーDSブラウザー」のように任意の検索エンジンを設定することはできない。

 2つの検索サービスを比較すると、GoogleはPCと同じ通常のページが表示されるが、Yahoo!の場合はWiiに最適化された検索結果を表示。テレビでの利用を意識した10フィート(3m)インターフェイスに対応しており、文字リンクをボタンに変更することで、画面から離れた場所でも操作しやすいよう利便性が高められている。

 直感的ではあるものの手間のかかるWiiの文字入力方法を意識し、PC版のYahoo!検索で用いられている関連検索ワードや、スペルミス対策のスペラーも表示。スペラーは英語だけでなく日本語入力の誤りにも対応する。

 画像検索もWiiに最適化されたインターフェイスを採用したほか、画像検索の急上昇ワードも用意。話題の芸能人やアニメなどのキーワードを日替わりで更新する。PC版で搭載されている画像検索結果のスライドショー機能もサポートされた。

 なお、Yahoo!はPCと同じ画面へ変更することも可能。その場合は画面右上の「検索設定」からWii版、PC版どちらか好きな方を選択できる。


Yahoo!はWiiに最適化された画面で表示 GoogleはPCと同じ検索画面

Yahoo!は画像検索もWiiに最適化 画像検索は色やサイズなどをカスタマイズできる

表示速度も向上。お試し版では表示できないサイトも表示可能に

mixiの利用が可能に
 Webサイトの表示機能も強化が図られている。サイトの読み込みスピードがお試し版よりも速くなったほか、mixiなどお試し版で表示するとWiiがフリーズしてしまったサイトも問題なく表示できるようになった。また、お試し版ではブラウジングを続けるとWiiがフリーズしてしまうことがあったが、正式版ではGoogle マップやYouTubeなど比較的負荷の高いサイトを連続して閲覧してもフリーズは発生しなかった。

 閲覧可能なWebサイトも拡充されており、お試し版ではGoogle カレンダーが「適切に動作しない可能性がある」と表示され、メインカレンダーの閲覧しかできなかったが、正式版ではPCと同様に全スケジュールの閲覧だけでなく入力や編集も可能になっている。

 細かい点ではパスワード入力画面も改善。お試し版ではパスワード入力画面でパスワードがそのまま表示されていたが、正式版では「****」とアスタリスクで表示されるようになった。家族で共同利用することもあるだけに、こうした個人情報の保護対策は重要だろう。

 子供の利用に関してはお試し版と同様ペアレンタルロック機能を搭載し、インターネット接続の利用にパスワードを設けることが可能。また、デジタルアーツのWebフィルタリングサービス「i-フィルター」もWii向けに提供され、有害と思われるサイトの表示をブロックできる。i-フィルターの料金は月額315円だが、2008年4月までは無料で利用可能だ。


Google マップも利用可能。ドラッグによる地図移動も対応する YouTubeは「エリアズーム」で動画表示を最適化

Google カレンダーにも対応 一部で話題のひとことサービス「twitter」も利用可能

パスワード入力中はアスタリスクで表示 Webフィルタリング「i-フィルター for Wii」

実用度は十分。「PCに不慣れな層」へのユーザー層拡大を期待

 お試し版に比べ、動作速度の向上やショートカット対応など操作面の改善、検索機能の標準搭載など大幅に機能拡充が図られたインターネットチャンネル。公開は当初予定された3月から4月へと延期されたが、延期も十分納得できるほど充実している。お試し版では起動に時間がかかるために利用がためらわれたこともあったが、正式版の起動速度であればとっさにインターネットを使いたいときにも立ち上げる気になると感じた。

 リンク先やアイコンなどを直感的に選択できる代わり、文字入力には手間のかかるWiiだが、定型文の自動表示やショートカットを組み合わせることでその手間はだいぶ軽減できる。また、Wiiに最適化されたYahoo!のインターフェイスを使えば関連語なども自動で表示されるため、検索の手間もより減らせるだろう。任天堂ではキーボードへの対応も検討しているとのことだが、より快適にインターネットチャンネルを利用するためにもぜひ対応を期待したい。

 画像のダウンロードなどはできないが、サイト閲覧という本来の目的であれば十分に実用的。「エリアズーム」を使えばYouTubeも動画がテレビサイズに最適化され、再生もスムーズだ。直感的かつ快適に使えることで、PCに不慣れな層でもインターネットチャンネルであればインターネットを気軽に楽しめそうだ。

 細かい点で気になるのは、お試し版でも感じた個人情報の扱い。ペアレンタルロックでインターネットチャンネルを使用不可にはできるが、インターネットチャンネルを使えるユーザーの間ではCookieなどの履歴がすべて共通になってしまい、mixiのようなログイン型のサービスでは利用には不安が残る面もある。これはWii全般に共通することだが、ユーザーごと作成できるキャラクター「Mii」ごとログインを変更する機能なども期待したいところだ。


関連情報

URL
  インターネットチャンネル
  http://www.nintendo.co.jp/wii/features/internet/

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(甲斐祐樹)
2007/04/12 15:42
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