前編に引き続いて、後編では「Windows Live フォト ギャラリー」と「Windows Live カレンダー」についてお伝えする。
■ Windows Live以外にもFlickrへの投稿が可能な「フォト ギャラリー」
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「Windows Live フォト ギャラリー」。設定したタグや評価状況は画面右欄でも確認できる
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「Windows Live フォト ギャラリー」は、Windows Vista専用である「Windows フォト ギャラリー」の後継版。Windows XPへの対応や機能強化も実施された。
画像と動画ファイルの管理や編集(修整)が可能で、各ファイルにはタイトルや☆を使った5段階評価、複数タグを付加できる。こうして設定した評価やタグによる絞り込み表示が可能なほか、検索窓からタイトル名やタグによる検索も行なえる。
オンラインサービスへの投稿にも対応しており、投稿したいファイルを選択して「投稿ボタン」をクリックすれば、投稿できるサービスが選択できる。画像であれば、ブログサービス「Windows Live スペース」のフォトギャラリーと米Yahoo!の「Flickr」。動画は、「MSN Soapbox」が対応サービスになる。
「Windows Live スペース」と「MSN Soapbox」への投稿は、マイクロソフト(および米Microsoft)が展開するサービスだけあって、Windows Live IDにサインしている状態であればIDやパスワード入力の必要なく投稿が行なえる。「Windows Live スペース」のフォトギャラリーへの投稿時には、新規または既存アルバム、アクセス権限なども設定できる。
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「Live スペース」や「Soapbox」「Flickr」への投稿に対応
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「Windows Live スペース」フォトギャラリーへの投稿画面
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投稿後の画面
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一方、「MSN Soapbox」は日本での提供が開始されていない。このため、日本向けの「MSNビデオ」を利用している場合では、投稿後にポップアップ表示される画面から投稿先ページの呼び出しができないので注意が必要だ。ただし、動画のアップロード自体は完了しているので米国版の「MSN Video」にサインインして「MSN Soapbox」のユーザーページを表示すれば、動画の再生などが可能になる。また、サインイン状態であればポップアップ画面からの表示も行なえた。
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投稿時は日本語でガイダンスされる
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日本でサービスが開始されたいないため、米国版の「MSN Video」などにサインインする必要がある
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MSNビデオ利用時にはフォト ギャラリーから投稿ページ表示しようとすると警告画面が表示される
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Flickrへも投稿できる
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「Flickr」への投稿に際しては、米Yahoo!のIDを事前に取得してFlickrアカウントを有効にする必要がある。その上で、「Windows Live フォト ギャラリー」でファイルの投稿先にFlickrを選択すると、認証を開始する旨の画面が表示される。あとはWebブラウザに表示されるFlickrのWebサイトで「Windows Live フォト ギャラリー」との利用を許可すれば良い。なお、認証の解除はFlickrのWebサイト上で行なえる。
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初回投稿時には認証手続きが必要
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左画面の認証ボタンを押すとFlickrの認証確認画面が表示される
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認証が完了すれば、マイクロソフトのサービスと同様にID入力の必要なく投稿が可能になる
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「Windows Live フォト ギャラリー」で作成したパノラマ写真
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「Windows Live フォト ギャラリー」単体での機能としては、パノラマ写真を自動生成できる機能がある。これは同じ場所で撮影した複数枚の画像を組み合わせてパノラマ写真を作りあげる機能だ。今回は横方向に連続した写真で作成したため、上下の黒い部分が目立ってしまったが上下方向も意識して素材を用意しておけば臨場感のある写真が作れそうだ。
このほか、オンラインプリントサービスへの注文や、メディア作成機能なども用意している。
■ ベータ版を開始したMSのソーシャルカレンダー「Windows Live カレンダー」
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「Windows Live カレンダー(URL)」。月表示以外に週/日/一覧表示に対応する
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最後にオンラインサービスである、ソーシャルカレンダー「Windows Live カレンダー」を紹介する。これは11月6日に公開され、現在はベータ版提供されているサービスだ。このため、現時点では前バージョンに相当する「MSNカレンダー」も併存して提供されている。
「Windows Live カレンダー」では、プライベートや仕事など用途に応じて複数のカレンダーを作成・管理ができる。それぞれのカレンダーは色分けが可能で、予定別にアラートも設定できる。
カレンダーの共有方法は、3種類が用意されている。相手がWindows Live IDを所有している場合には、予定の追加や編集といった権限付与も行なえる。非所有のユーザーに対しては、閲覧権限のみを与える共有が可能で、出力方式としてHTML/ICS/XMLが選択できる。このほか、カレンダーをWeb上に全公開することもできる。
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Windows Live IDユーザーとの共有では、権限設定も可能
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設定が完了すると相手ユーザーに招待メールが送られる
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IDを持たないユーザーに対しては閲覧用リンクを発行できる
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また、11月8日に正式化されたイベント作成・管理サービス「Windows Live イベント」とも連携しており、「Windows Live カレンダー」の新規作成ボタンからイベント作成ページの呼び出しが可能になっている。なお、「Windows Live イベント」から「Windows Live カレンダー」に予定を追加する機能では、それ以外にもOutlookやGoogleカレンダー、Yahoo!カレンダー(米国版)、Apple iCalに対応していた。
このほか、有料サービス「Windows Live Hotmail Plus」の利用時には、Outlook Connectorを利用したOutlookとのカレンダー同期にも対応するという。
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新規作成メニューから「Windows Live イベント」の作成画面を呼び出せる
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イベント作成画面
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Windows Live カレンダー以外にも他社サービスへの予定追加機能も備えている
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■ ソフトウェアとWeb、モバイルなど環境や場所を問わない連携に期待
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「Windows Mobile 6」ではメッセンジャー(上記画面)などを一体化した「Windows Live for Windows Mobile」が搭載されている
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以上、Windows Liveで提供されるサービスの中から4種類を中心に紹介してきた。それぞれを単独で利用できる以外にも、Windows Liveサービスとの連携。また、GmailやFlickrなどのように他社サービスとの連携も可能な点は、こうしたサービスを利用している場合でも試しにWindows Liveを使用してみるという方法も考えられるだろう。
今回はPC上での利用シーンに限定したが、携帯電話やWindows Mobile 6を搭載した携帯端末などでもWindows Liveサービスは利用できる。特にWindows Mobile 6端末では「Windows Live メッセンジャー」や「Windows Live hotmail」など4サービスを一体化したソフトウェア「Windows Live for Windows Mobile」をプリインストール提供するなど、Windows Liveとの連携を意識している。
Windows Live正式版がスタートした11月8日。会見したMicrosoftのスティーブ・バルマーCEOは、「Windows LiveによってWindowsがなくなるものではない」と述べるとともに、「Windowsが強化され、Webやモバイルなどを網羅するようになる」と発言していた。その発言にある通り、他社を含めたオンラインサービスとの連携、そしてモバイル対応がすでに進められていることがわかる。
もちろん、取り上げた4サービス以外にもコンテンツフィルタやツールバーなどが正式版として提供されているほか、「Windows Live カレンダー」のようなベータ版サービスも複数進行している。また、「Windows Live メッセンジャー」のようにIP電話連携も予定するサービスもあり、正式版以降も継続した機能強化や自社に止まらないサービスの連携にも期待したい。
■ URL
Windows Live
http://go.windowslive.jp/
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(村松健至)
2007/11/15 12:27
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