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iPod touchで無料ネット接続。Wi-Fineのキャンペーンを試す

 12月1日、公衆無線LAN向けの無料ポータル「Wi-Fine」が、iPod touchから無料でインターネットに接続できるキャンペーンを開始した。Wi-Fineの概要やサービス内容を踏まえながら、iPod touchでの使用感をレポートする。


公衆無線LANエリアで無料で使える情報ポータル

Wi-Fine
 Wi-Fineは、NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)が公衆無線LANサービスのエリア内で提供する無料ポータル。対応エリアのアクセスポイントに接続すると、ニュースや鉄道の運行情報、天気といった情報が無料で閲覧できる。

 Wi-Fineを運営するNTTBPは、元々は私鉄沿線を中心とした公衆無線LANサービス「無線LAN倶楽部」を独自に展開していたが、2005年に同サービスの終了を発表するとともに、NTTグループが提供する公衆無線LANサービスのアクセスポイントを一括して保有・運営する事業へと方針を転換。現在はNTT東西の「フレッツ・スポット」、NTTドコモの「Mzone」、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の「HOTSPOT」のアクセスポイントの基地局を運営、各サービス間でのアクセスポイント共有を進めている。

 Wi-Fineは、こうしたNTTBPの事業背景を踏まえ、NTTグループの公衆無線LANサービスエリアで展開。当初は京浜急行電鉄、つくばエクスプレスの駅、プロント、カフェソラーレの店舗でサービスを展開していたが、現在は新千歳空港やロッテリアの一部店舗、都営地下鉄、ゆりかもめ、近鉄、大阪市営地下鉄、タリーズ、ケンタッキーフライドチキン、三菱地所ビルなどにエリアを拡大。700エリア、約1,600アクセスポイントでWi-Fineが利用で可能になっている。


ニュースや天気、運行情報などを閲覧。10分限定の無料ネット接続も

「wifine」のSSID(つくばエクスプレスは「tsukuba」)に接続すればWi-Fineが利用できる
 Wi-Fineで利用できるサービスは大きく2つ。1つは無料で閲覧できる情報コンテンツ、そしてもう1つが時間や回数限定で利用できる無料のインターネット接続「お試しインターネット」だ。

 閲覧できるコンテンツはエリアによって異なり、鉄道では運行情報、プロントでは音楽ストリーミング番組などを独自に用意。エリア共通のコンテンツとしては「スポニチANNEX」のスポーツ・芸能情報、天気予報、フリーペーパー「R25」のメインコンテンツなどが、Wi-Fineにアクセスするだけで無料で楽しめる。

 「お試しインターネット」は、10分間限定ながら無料でインターネットが利用できる。特別な設定などは必要なく、Wi-Fineのアクセスポイントに接続してメールアドレスを登録すれば、登録したメールアドレスごと10分間は無料でインターネットが利用可能となる。


ニュースやR25のコラムなどが無料で閲覧できる エリアごと独自のコンテンツも提供。画面はプロントで提供するストリーミングサービス

メールアドレスの登録のみで10分間インターネットへ無料で接続できる「お試しインターネット」 お試しインターネット中は残り時間がブラウザで表示される

iPod touchは1日1回無制限でネット接続。IDやパスワード入力も不要

Wi-Fineのトップページ
 12月1日より開始したiPod touch向けのキャンペーンは、この「お試しインターネット」を拡張したもの。端末はiPod touchのみに限られるが、一度登録すると1日1回だけ時間の制限なくインターネットを利用できる。また、登録したiPod touchはMACアドレスで認証を行なうため、アクセスポイントにさえ接続すればIDやパスワードなどを入力することなく自動でインターネットに接続できる点も特徴だ。

 iPod touchのキャンペーンを利用するには、事前のユーザー登録が必要。ユーザー登録はあらかじめPCで設定する方法と、Wi-FineのエリアでiPod touchから行なう方法の2種類が用意されている。

 ユーザー登録はユーザー情報とアンケートに答えれば完了するが、ユーザー登録の入力欄は必須項目が非常に多い。名前やメールアドレスはもちろんのこと、郵便番号や都道府県、住所、電話番号、年齢、性別、職業までが必須項目となっている。iPod touchの日本語入力ではこれらの項目をすべて入力するのは手間がかかるため、できれば事前にPCで登録をすませておきたい。

 ユーザー情報の登録とアンケートへの回答が終わると、登録したメールアドレスにアクセスキーが送られる。あとはWi-Fineのエリアからアクセスポイントに接続し、iPod touchのキャンペーンページからアクセスキーに加えて名前の名前と姓の頭文字をアルファベットで入力すると、iPod touchからインターネット接続が可能だ。

 一度接続すると、アクセスポイントから切断しない限り時間無制限でインターネット接続が利用可能。iPod touchをサスペンドしたり電源をオフにしてもインターネットは継続して利用できる。iTunes Wi-Fi Music Storeも問題なく利用可能。iTunes Wi-Fi Music Storeは楽曲の試聴もできるので喫茶店などの時間つぶしにもいい。

 2回目以降に接続する場合はMACアドレスが自動で登録されているため、Wi-Fineのアクセスポイントに接続すれば自動でインターネット接続が可能になる。接続するたびにIDやパスワードを入力する手間がないのは非常に便利で、気軽にインターネットを楽しもうという気になる。


ユーザー情報の登録 アンケート

登録が完了するとメールでアクセスキーが送られる iPod touchからWi-Fineにアクセスし、アクセスキーを入力すればインターネット接続が可能になる

接続完了画面 iPod touchでアクセスした時のTOPページ

iTunes Wi-Fi Music Storeも利用可能 2回目以降はWi-Fineのアクセスポイントに接続すれば自動でインターネットが利用できる

無料ネット接続で公衆無線LANの魅力を手軽に体験

 これまで公衆無線LANサービスはエリアこそ地道に拡大しているものの、利用にあたって事前にサービスへ入会しておく必要があり、思いついたときにすぐ利用することが難しかった。また、利用にはアクセスポイントのWEPキーやID・パスワードの入力が必要なため、モバイル機器からの接続は非常に手間だった。

 Wi-Fineでは端末がiPod touchのみに限定されたキャンペーンではあるが、こうした課題のいくつかをクリアしている。アクセスポイントはWEPキーが設定されていないので、端末から検索するだけですぐに接続できる。ユーザー登録も対応エリアから登録できるので、喫茶店などでWi-Fineの存在に気づいた、というユーザーでもその場で利用が可能だ。MACアドレス認証によってIDやパスワードの入力も必要ないのもありがたい。

 ただ、惜しむらくはユーザー登録の項目数の多さ。名前やメールアドレスはともかく、性別や住所、電話番号まで必須というのは他のサービスと比較しても項目が多い。PCで事前に登録したユーザーはいいが、たまたま足を運んだ店でiPod touchからアクセスしよう、と思ったユーザーは、あまりの手間に登録をあきらめてしまうかもしれないと感じた。

 キャンペーンは12月1日から2月29日までの3カ月間に渡って行なわれる。エリアは拡充されたとはいえどこでも使えるというほどではないが、iPod touchを持っているユーザーであれば、自分の通勤経路や自宅付近などのエリアをチェックしておくといいだろう。

 また、PCやW-ZERO3のようなスマートフォンユーザーでも、10分限定と時間が短くなるがお試しインターネットは利用できる。手続きはメールアドレスを登録するのみと簡単で、メールチェックやちょっとした調べものであれば十分に利用できるだろう。

 公衆無線LANの便利さは使ってみないとなかなかわからないが、今までの公衆無線LANサービスはそもそも使うまでの手間や心理的障壁も大きかった。キャンペーンながら無料で手軽にインターネット接続できるWi-Fineは、公衆無線LANの利用者を拡大するための良い役割を果たすのではないかと感じた。


関連情報

URL
  Wi-Fine
  http://wifine.jp/

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(甲斐祐樹)
2007/12/17 13:34
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