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200ドルを切る、米SonyのMP4対応ビデオカメラ「Webbie HD」を試す

 米Sony Electronicsが2009 International CESで発表したH.264形式による撮影が可能なデジタルビデオカメラ「Webbie HD」。200ドルを切る価格設定に加え、アップロードソフトを内蔵したのが特徴の製品だ。


H.264対応で200ドルを切る「Webbie HD」

Webbie HD「MHS-CM1」のパッケージ
 「Webbie(ウェビー) HD」は、H.264(MPEG-4 AVC)形式での動画撮影が可能なデジタルビデオカメラ。発表と同時に販売を開始した横型モデル「MHS-CM1」に加え、春に発売される縦型モデル「MHS-PM1」の2モデルをラインナップ。価格はCM1が199.9ドル、PMが169.99ドルと、税抜きではあるが日本円(1ドル=89円換算)で1万8000円を切る低価格帯が魅力の1つとなっている。

 動画の撮影解像度は最大1440×1080/30pで、静止画は500万画素での撮影が可能。YouTubeをはじめとした動画・写真共有サービスでの利用も想定し、本体メモリにアップロードソフト「PMB(Picture Motion Browser) Portable」を内蔵。保存メディアはメモリースティック PRO Duo(最大16GB)で、約12MBの内蔵メモリも用意も備えている。

 日本での発売は現時点で予定されていないが、アップロードソフトを内蔵し、ネットワーク連携を見据えた点は気になるところだ。今回、MHS-CM1を実際に購入したので、実際の使用感などを紹介していく。


1080/30pや720/30pでの撮影に対応。ただし、1080では制限も

バイオレットカラーのほか、オレンジ、シルバー色もラインナップされている

春に発売予定の「MHS-PM1」
 MHS-CM1は、1/2.5型のCMOSイメージセンサーを採用した製品。ズームは光学5倍、デジタル併用で20倍をサポートしており、内蔵マイクはモノラルになる。35mm換算での焦点距離は16:9サイズが41〜203mm、4:3サイズが38〜190mm。また、ディスプレイ部は2.5型液晶で、270度の回転機構を持っている。本体は英語とスペイン語に限られるが、利用に支障が出るほどの単語は使われていないように感じた。

 動画撮影は1440×1080/30pに加え、1280×720/30p、640×480/30pの合計3種類の利用が可能。通常であれば、1080/30pで撮影したいところではあるが、1280×720/30pと比べて、撮影画角が狭くなる点、手ぶれ軽減機能が利用できない点、暗所での撮影に弱いといった注意点があり、基本的には出荷時設定である720/30pでの撮影を想定した製品なのかもしれない。

 バッテリーはリチウムイオン電池を内蔵。充電時間は約90分で、連続撮影可能時間は最大85分(720/30pの場合)。また、1回の連続撮影時間は約25分間になるという。ちなみに、16GBのメモリースティック PRO Duoを保存メディアに使用した場合、1080/30pで最大340分、720/30pで最大510分、VGA/30pで最大990分の撮影が可能となっている。

 本体サイズは約48×29×81mm(幅×高×奥行)で、重量は約130g。筐体は小型軽量で、手に持ちやすいと言えるが、小型サイズ故に録画ボタンやズームボタンなどを操作する際に揺れが発生してしまうのは気になった。定位置で撮影するのであれば、本体底面に三脚穴を備えているので、三脚を利用して使用するのが良いと感じた。

[お詫びと訂正]
 初出時、内蔵マイクをステレオとしていましたが、正しくはモノラルです。お詫びして訂正いたします。


ディスプレイ部は270度の回転が可能 右側面にはUSB端子やAV端子、電源ジャックを備える。左上の網部分はスピーカー 底部には三脚穴

前面部。下部にあるのはマイク 操作部は本体後部と上面にある メモリースティックPRO Duoは最大16GBまでの利用が可能

内蔵ソフトは日本語表示もOK。mixiやeyeVioも標準サービスで表示

「PMB Portable」。日本語の表示も行えた
 撮影した動画や写真のアップロードには、本体内蔵の「PMB(Picture Motion Browser) Portable」を利用する。また、添付CD-ROMには「PMB(Picture Motion Browser)」も収録されており、こちらではアップロードに加えて、編集作業なども可能になっている。これらは日本でも発売するサイバーショットやハンディカム製品の一部にも付属しており、Webbie HDでも同一のソフトウェアを採用した格好になる。

 「PMB Portable」の起動には、付属のUSBケーブルを使って本体をPCに接続すれば良い。接続後に本体が認識されると、PMB Portableのあるフォルダに加え、内蔵メモリフォルダとメモリースティックPRO Duoフォルダが個別のドライブとして表示される。その際、PMB Portableの起動を選択すれば、同ソフトが起動されるようになる。

 本体側の表示言語は英語とスペイン語だが、PMB Portable(PMB含む)自体は日本語や中国語、韓国語、イタリア語、ドイツ語など多言語の表示に対応する。これに加えて、起動後に表示するアップロード可能なサービスも米国とは異なるようだ。

 具体的に言えば、Webbie HD本体につけされていた用紙にはYouTubeとPicasa Web Albums、Shutterfly、Dailymotionのロゴが記載されていた。しかし、日本語版環境の筆者PCでは、Shutterflyのアイコンは表示されず、かわりにeyeVio、So-net Photo、mixiフォトアルバムと日本で馴染みのあるサービスが表示されていた。当初はYouTubeにスポットを当てた機能と考えていたため、他のサービスにも対応している点は嬉しい仕様と感じた。


付属CD-ROMには「PMB」も収録されている PMBインストール後に本体を接続すると、PMB Portableとどちらを起動するか選択可能になる

PMB Portable単体でのアップロードにはWMVへの変換作業が入る
 アップロード自体は簡単で、アップロードしたいコンテンツを選んだのち、サービスアイコンを選択すれば良い。ただし、アップロードに際しては、事前に各サービスのアカウントを取得する必要がある。

 ここで注意したいのは、動画のアップロード作業時に元ファイルがWindows Media Video形式に変換された上で、アップロード作業が行われてしまう点だ。Webbie HD自体はMP4形式で撮影を行うため、YouTubeなどの対応サービスに直接アップロードも可能だが、PMBは他のソニー製品を含めたソフトウェアとなるため、こうした対応がなされているのかもしれない。

 では、PMB PortableではMP4形式でのアップロードに対応しないかと言えば、そうではない。ネットワークサービスを手動で追加する機能が用意されており、ここで「変換しないでアップロードする」を選択すれば、撮影時のファイル形式でのアップロードが可能になる。例えば、標準では表示されない「SMILEVIDEO(ニコニコ動画)」や「フォト蔵」もアップロード先に追加できるわけだ。

 なお、追加サービスは、PMB Portable単体でのアップロードには対応せず、設定したURLがWebブラウザで表示されるものになる。しかし、この際、アップロードしたいファイルの保存先情報を自動的にクリップボードにコピーしてくれている。また、複数ファイルを選択した場合には、ポップアップで表示されるサムネイルを選択し直せば、その都度、クリップボードにコピーされる情報が書き換わる仕組みになっている。

 また、Webbie HD本体には「Sharemark」という名称のボタンが用意されている。これは本体上でアップロードしたいファイルを事前に選択できるもので、PMB Portableのプルダウンメニューから「シェアマーク」を選べば、選択したファイルのみを抽出して表示してくれるものだ。

 USB経由でWebbie HD内の保存フォルダを直接参照するため、保存ファイル数が増えた際には表示までに時間を要してしまうこともある。こうした際に、Sharemark機能を利用すればアップロードしたファイルに絞って表示できるため、時間の節約にもなるだろう。


追加サービス設定では、無変換アップロードの選択も可能 追加サービスの場合は、Webブラウザに設定したURLが表示される。また、ファイルのパスもコピーが自動で行われる 本体側でSharemarkを付加していれば、アップした動画の絞り込みも容易に

モード別やズームテスト動画をYouTubeにアップロード

 さて実際に撮影した動画に関してだが、今回はYouTubeに投稿を行った。投稿本数は合計6本。このうち3本は、1080/30pと720/30p、480/30pの3モードで、歩道橋から国道20号線を三脚を使って撮影した動画。2本は、西新宿のビル群を1080/30pと720/30pモードで手に持って撮影した動画。残る1本は、同じく鉄道の駅舎を光学&デジタルズームを使って、720/30pモードで手に持って撮影した動画になる。

 HDモードでの表示は、PC側にスペックを要するため、環境によってはスムーズな再生が難しい点をご容赦いただきたいが、定位置で撮影した国道20号線上の動画を見比べてみると、1080/30pと720/30pでは後者がより広い画角で撮影できていることがわかる。また、ブレ補正も1080/30pでは有効にならないため、通常であれば720/30pモードを利用するのが良いのだろう。

撮影場所 撮影モード YouTubeへのリンク
国道20号線 1080/30p 標準画質 / 高画質
720/30p 標準画質 / 高画質
480/30p 標準画質 / 高画質
新宿ビル群 1080/30p 標準画質 / 高画質
720/30p 標準画質 / 高画質
駅舎
(ズーム)
720/30p 標準画質 / 高画質


 本体のズームは光学が5倍、デジタルズーム併用で最大20倍。ただし、1080/30pのデジタルズームは2倍となるため、最大10倍ズームに限定される。従って、鉄道の駅舎撮影には720/30pモードを選択した。撮影動画を見ると、0.1倍単位の光学ズームと比べて、デジタルズームではグググッと拡大されている印象を受けた。

 また、拡大に従って揺れが大きくなった際に、撮影動画に揺れが生じていた。このほか、内蔵マイクがズームボタンの操作音を拾ってしまう点は、人によっては気になるところかもしれない。

 なお、撮影時に選択可能なシーンモードは、今回使用したAutoモードのほか、Backlight/Low Light/Landscape/Sportsの合計5種類から選択できる。西新宿のビル群を撮影した際はあまり気にならなかったが、15時過ぎに撮影を行った国道20号線上では定位置での連続撮影ながら、撮影モードによって色合いが多少異なっており、ホワイトバランス性能はそれほど高くないのかもしれない。


 動作撮影にあたっては、マクロモードやタイマー撮影機能、前面に備えたライトによる照明も可能となっている。加えて、本体上で動画の分割作業も行えるため、前後の不要な部分を取り除くといった作業は本体のみでも可能だ。

 このほか、PCとの接続時にWebカメラとして利用できるモードも用意している。この場合、撮影形式はMotion JPEG、画質は320×240(QVGA)/30Pになる。添付のUSBケーブルは約60cmなので、Webカメラとして利用する場合には少々短く、利用の際には長めのUSBケーブルを別途用意するのも良いかもしれない。


Webカメラとしての利用も可能 本体前面にはライトも装備する コンポーネントやAVケーブル、ストラップなどが付属する


国内発売は未定だが、手頃な価格とネット連携は魅力

MHS-CM1で撮影した静止画。リンク先は原寸
 以上、動画共有サービスとの連携機能を中心にWebbie HDを紹介してきた。筆者自身、これまでデジタルビデオカメラを所有しておらず、動画の画質に明確な評価はできないが、価格に対して落胆するような画質ではないと感じた。

 標準でPMB Portable上に表示されるサービスへのアップロードは、WMVへの変換作業が発生してしまうが、別途追加設定を行うことでMP4ファイルを直接アップロードができる。今回は評価のため、PMBもインストールしたが、撮影動画を主にアップロード用途で使用するのであれば、PMB Portableと本体が持つ動画の分割モードで対応できるだろう。

 また、PMB Portableおよび付属CD-ROM収録のPMBは、日本語表示にも対応するため、利用にあたっての障壁は少ない。また、以前よりソニー製品での搭載例もあるため、全体的な操作性もこなれている印象だ。

 残念ながら日本国内での発売は未定だが、何より200ドルを切る設定は動画共有サービス用途でビデオカメラを試しに使ってみるには手頃な価格設定であるとも言える。国内では800万画素級のカメラを持った携帯電話も登場しており、本製品のポジション取りは難しいかもしれないが、春に発売を予定する縦型モデルと合わせて、SonyStyleなどでの限定販売する形でも取り扱いがあれば面白いのではないかと感じた。


関連情報

URL
  製品情報(英文)
  http://www.sonystyle.com/webapp/wcs/stores/servlet/CategoryDisplay?catalogId=10551&storeId=10151&langId=-1&categoryId=8198552921644610396

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(村松健至)
2009/01/26 11:33
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