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槻ノ木隆の
NEW PRODUCTS IMPRESSION

「NEC Aterm WA7500H」
〜802.11a対応カード2枚を同梱の無線LANルータ〜


802.11aカード付属で、購入後すぐに無線LAN環境を構築可

 NECから今年6月に発表された「Aterm WA7500H」は、IEEE802.11a対応PCカード「Aterm WL54AC」を2枚同梱するブロードバンドルータだ。このPCカード2枚のうち、1枚を本製品に搭載されたPCカードスロットに装着することで、無線LANアクセスポイントとしても動作する。つまり、実質的には802.11a対応無線LANアクセスポイント内蔵ルータ、と表現して差し支えない製品だ。また、このPCカードスロットには、同社の「Aterm WL11CA」を装着することもでき、そうした場合は802.11bの無線LANアクセスポイントとして動作させることもできる。

 また、USBポートを備えており、PCとUSBで接続することもできる。「LANコントローラを持たないPCなのでADSLモデムと接続できない」というだけの悩みならLANカードを増設したほうが安上がりだが、本製品に内蔵されたファイアウォールやNAT、無線LANアクセスポイントといった機能をLANコントローラを購入せずとも利用できる点は十分メリットになり得る。

 なお、公称スループット値は50Mbpsとなっており、802.11aの最大転送速度54Mbpsを下回る数字が提示されているが、802.11aの実質的な転送速度を考えると、あまり問題にはならないだろう。このあたりは、後述のスループットテストを参照してほしい。

写真2
本体前面のLED類。最上部のDISC LED部はWAN側回線を接続/切断するスイッチを兼ねているが、こうした機能は珍しい
写真1
同社製品ではおなじみのスタイリッシュな縦置きボディ。サイズは25×157×215mm(幅×奥行×高)となっている

 では、外観のチェックから入ろう。外観は前モデルに当たる「Aterm WBR75H」に酷似しており、同社製品ならではのスマートな縦長ボディだ(写真1)。  本体前面はLED類が並ぶ(写真2)。最上部の「DISC」LEDはWAN側リンクが確立しているときに緑に点灯する。このLED部分はスイッチも兼ねており、スイッチを押すことでリンクの切断/接続を行なえる。また「PPP」LEDはPPPoEセッション確立時に点灯、「DATA」はLAN側PCのデータアクセス時に点滅する。最下部のREADYは本体背面に備えるUSBポートとPCを接続した際に点灯するLEDである。

 背面はポート類が並ぶ(写真3)。最上部にUSBポートが備えられている。前述のとおり、本製品ではLAN側PCとしてUSBポートを介して接続が行なえ、USB接続したPCでは仮想LANポートとして動作するので、使い勝手もLAN接続した場合と変わらない(次項画面1参照)。

写真3
本体背面のポート類。設定初期化スイッチがないが、PCカードスロット脇のディップスイッチによって行なえるようになっている
画面1
USB接続した場合は、専用のUSB-LANドライバを組み込み、Windows上ではLANコントローラとして認識する

 そのほかのポートとして、最近の製品では珍しくシリアルポートが備えられており、ISDNやアナログ回線用のダイヤルアップルータとして利用することもできる。現在は低速回線を利用しているが、将来的にADSLやFTTHなどの高速回線に乗り換えたいというニーズにも応えられる。また、ADSLやFTTHなどWAN側ポートに接続した回線と、シリアルポートに接続したダイヤルアップ用回線を切り替えて使用することもできる。  そのほかのポートは10/100BASE-TX対応のWAN側ポート×1、LAN側ポート×4となっている。

写真4
付属の802.11a対応カード「Aterm WL54AC」。カードバスタイプのPCカードで、152ビットWEPに対応する

 本製品では、IEEE802.11aに対応する無線LANカードが2枚付属するのも前述のとおりだ(写真4)。このカードを装着するPCカードスロットは、本製品上部のカバー内に設けられており、装着後もカードによる突起などは発生しない。

 そのほか、紙による取扱説明書や、詳細な機能説明のPDFファイルやユーティリティ&ドライバ類が収録されたCD-ROMも付属する。さらに、ケーブル類の接続やインターネットまでの接続設定を図解したA2判の「つなぎかたガイド」という用紙も付属し、かなり初心者を配慮した作りとなっている(写真6)。こうしたサービスは同社が以前から行なっていたものだが、NECというブランドで購入するユーザー層を考えれば、今後も行なうべきだろう。

 なお、そのほかには、LANケーブル(ストレート、2m) 、クロス変換アダプタ&ショートケーブル、USBケーブル(1m)などが付属する。

写真5
PCカードは完全にカバー内に収まるので、装着後もスタイリッシュな外観を損ねることはない
写真6
写真に収めるため折りたたんであるが、「つなぎかたガイド」はA2判で、ケーブルの接続から無線LANの設定、インターネット接続の確立までが図解されている



Web設定のほか、専用設定ユーティリティも付属

画面2
設定画面のトップページ。「http://web.setup/」のほか、IPアドレスを直接指定しても表示できる(デフォルトは「192.168.0.1」)

 ルータの設定はWebブラウザによる一般的な画面(画面2)のほか、ウィザード形式でWAN側の接続設定が行なえる「らくらくアシスタント」(画面3)、パケットフィルタの設定やWAN/LANの各種設定ができる「WARPSTARベース詳細設定」(画面4)などで行なえる。

 初心者、NEC製品を使い込んだ人、他のルータから乗り換える人といった多様なニーズに応えられるだろう。なお、本稿ではWebブラウザによる設定画面をベースに、機能チェックを行なっていく。

 Webブラウザによる設定画面は、本連載で以前に紹介し、本製品とは同時に発表された「Aterm BR1500H」に酷似している。こちらの記事も参考にしていただければ幸いだ。


画面3
ウィザード形式でインターネット接続設定が行なえる「らくらくアシスタント」。付属のマニュアルは、主にこのユーティリティを使用して解説されている
画面4
WARPSTARベース詳細設定では、LAN、WANに関する設定など、Webブラウザ設定と同等の設定が可能である

 まずWAN側設定を見てみよう。設定はPPPoEモードとローカルルータに分かれており、それぞれにDHCPと固定IPのモードを持つ(画面5、6)。なお、ダイヤルアップの設定だけはらくらくアシスタントなどを使って設定を行なうことになっており、Webブラウザからは行なえない。

画面5
WAN側設定。オンデマンド接続や常時接続の設定はこちらから行なえる
画面6
こちらはPPPoEの設定画面。画面では切れているが、最下部に自動切断時間等の設定個所が用意されている

 ちなみにPPPoE設定は、オンデマンド接続、自動接続設定などを備えるが、MTU(MSS)の設定だけは持っていない。最近のルータでは一般的な機能といえるだけに、今後のアップデートに期待したい。

 なお、Aterm BR1500Hと同様にPPPoEブリッジモードも備える。Windows上のPPPoE機能などを使うことで、グローバルIPを取得できるのが大きなメリットだ。

 LAN側の設定はDHCPサーバー機能の機能の豊富さが目立つ(画面7)。リース期間が決められるのは意外と珍しいし、提供するIPアドレスを詳細に設定できるのも、確実にニーズのある部分だ。提供するIPアドレスは、「DHCPエントリ設定」で行なう(画面8)。ここで何も設定しない場合は「192.168.0.2(LAN側IPアドレスがデフォルト値の場合)」から順番に割り当てられるが、このDHCPエントリ設定で提供したいIPアドレスを詳細に設定しておくことも可能だ。欲を言えば、MACアドレスを指定しての特定IPアドレスの配布機能があったら完璧だったのだが。

画面7
LAN側設定はDHCP以外の項目はシンプル。DHCPもデフォルトで使用しても、用途は満たせる
画面8
DHCPエントリ設定を利用すると、DHCPの割り当てを詳細に設定できる。中規模以上のLANで役立つだろう

 続いてはパケットフィルタの設定を見ておこう。パケットフィルタは設定したい内容をエントリしておき、有効/無効を切り替える方式となる(画面9)。あらかじめNetBIOS関連などはエントリされており、こうした設定は有効になっている。なお、エントリにあたっては、かなり詳細な設定が可能だ。送信元/宛先のIPアドレスとポートが個別に設定でき、双方向に渡っての監視も可能となっている(画面10)。また、WebやFTPといった一般的なプロトコルについてはリストに含まれているので、初心者でもある程度は自分で設定が行なえるだろう。

画面9
パケットフィルタにはあらかじめ最低限のフィルタ設定が用意されている。最初に有効にすることをお勧めしたい
画面10
フィルタのエントリも詳細な設定が可能だ。IN/OUTの双方向、送信元/宛先のポート、アドレスを個別に設定できるルータは個人向けでは貴重だ

 次にNATの設定だが、入力パケットのポートを判別し、転送するIPアドレスを指定するだけの簡単なものとなっている(画面11)。なお、製品パッケージ上にはバージョンアップ予定となっていたDMZホスト機能も実装されていた(画面12)。本製品では独立したDMZポートを持たないが、仮想DMZネットワークを構築できる。これは外部サーバーとの間の接続に、LAN側の通常の接続とは別のサブネットを用意することで、外部サーバーからLANを(直接には)見えなくするし、逆にLAN側のマシンからも外部サーバーが見えなくなるという仕組みだ。

 あくまでも便宜的なもの(外部サーバーがクラックされ、サブネットの設定を変えられると効果がない)ではあるが、それでもある程度までのセキュリティを確保するのには役に立つだろう。なお、Universal Plug&Playにも対応するので、Windows Messengerでのビデオチャット、音声チャットなども利用可能だ。

画面11
NATのエントリ設定はシンプル。フィルタなど他の設定項目が強力なだけに、発信元アドレスや宛先ポートなどの指定ができるとなお良いのだが…
画面12
DMZホスト機能も実装されているが、活用したいのが仮想DMZネットワーク。LAN接続されているPCとは別のサブネットになるので、セキュリティが高まる


画面13
無線LANの設定はシンプルながら、必要と思われるものは一通り揃った内容。あらかじめ設定したWEPキーを切り替えて使用することもできる

 最後に無線LANの設定についても見ておこう。無線LANの設定は最低限の機能は網羅されており、不足を感じる部分はとくにない。

 付属のAterm WL54ACを使えば、152ビットWEPという強力なセキュリティ機能を持つし、MACアドレスによる制限もかけられる。また、ANYの接続を拒否する機能も搭載されており、無線LANアクセスポイントとして十分な機能を持っているといえる。



公称値を超えるスループットを発揮!

 では、パフォーマンス測定に移ろう。本製品に使用されているプロセッサは、Aterm BR1500Hと同じく「新開発の専用LSI」となっている。従来からNECのルータ製品には同社製のASICが利用され、高い性能を発揮していた。今回の場合、製品の発表時期も同じことから、Aterm BR1500Hと同じASICを搭載している可能性も高い。となれば、当然パフォーマンスへの期待も高まるわけで、さっそくスループットを計測してみよう。

 テスト環境は下図と表に示すとおりである。いつもどおり、2台のPCをサーバー、クライアントに分け、上り/下りのテストを行なっている。なお、本連載では従来よりサーバー側PCにWindows 2000とIISを利用してHTTP/FTPサーバーを構築してきたが、世の中の主流を鑑み、今回からはRedHat LinuxとApache/WUFTPDの構成に切り替えていることをご承知おき戴きたい。なお、RAMDISKは従来どおり、サーバー/クライアントにそれぞれ128MBずつ用意している。

 また、無線LANのテストを行なうための端末としてNECの「Lavie L LL300/1A(型番:PC-LL3001A)」を用意した。こちらは、HDDによるボトルネックが発生する可能性が低いため、RAMDISKは用意していない。

 なお、HTTPクライアントは、サーバーはMozilla、クライアント、ノートPCはInternet Explorerを使用。FTPクライアントは、サーバーはコマンドプロンプトのFTPコマンド、クライアント、ノートPCはInternet Explorerをそれぞれ使用している。


図1:テスト環境
 

表1:テスト環境
サーバークライアントノートPC
NEC Lavie L LL300/1A
(型番PC-LL3001A)
CPUAMD Athlon MP 1.2GHz×2AMD Athlon XP 1700+AMD Duron 800MHz
マザーボードTYAN TigerMP(AMD760)EPoX EP-8K3A+(Apollo KT333)N/A
メモリRegisterd DDR SDRAM 512MB(256MB×2)PC2700 DDR SDRAM 256MBSDRAM 256MB
HDDSeagate Barracuda ATA IV 80GB (NTFS)Seagate Barracuda ATA IV 40GB (NTFS)20GB(Ultra ATA/66対応)
LANカードプラネックスコミュニケーションズ GN-1000TEIntel 21143搭載LANカード内蔵(Realtek RTL8139C使用)
OSRedHat Linux 7.3
(kernel 2.4.18-3、Apache 1.3.23-11、WUFTPD 2.6.2-5)
Windows XP Professional 日本語版(IIS 5.1)Windows XP Professional 日本語版(IIS 5.1)
RAMディスク128MB128MBなし


 では、まず有線による直結状態の速度を計測してみよう。ほとんどで80Mbps超、HTTPの上りだけやや遅いが、公称値50Mbpsの本製品のテストには支障がないと判断した。

 続いて、本製品を用いてルーティングした結果を見てみると、意外にも公称値を上回る成績を発揮している。これまでに公称値以上の成績を発揮した製品は少なく、かなり貴重な例といえるだろう。

 想像するに、以前にテストしたAterm BR1500Hは、出荷前にソフトウェアのチューンナップを行なうことで、公称スループット値が50Mbpsから70Mbpsに引き上げられた経緯がある。本製品にはそうした情報が一切ないのだが、同じ事が行なわれているのではないだろうか。実際パッケージには「アップデート予定」とされているDMZホスト機能が備えられているなど、発表後、すでにファームウェアが更新されている可能性がある(今回試用した製品のファームウェアはバージョン7.27)。その時点で、Aterm BR1500Hと同様のチューンナップを施したと考えれば、数字にも納得がいく。なお、ファームウェアの単体提供は、原稿執筆時点では行なわれていない。

 いずれにしても、下り60Mbps強、上り45Mbps前後という数字は、FTTHサービスでも十分耐え得る数字であることは間違いない。

表2:テスト結果(有線)
プロト
コル
転送条件速度(Mbps)
直結状態ftpサーバー → クライアント88.27
クライアント → サーバー80.00
httpサーバー → クライアント90.13
クライアント → サーバー65.45
NEC
Aterm WA7500
ftpサーバー →
  クライアント
パケットフィルタリングなし61.73
パケットフィルタリングあり63.76
パケットフィルタリング+NAT64.16
クライアント →
  サーバー
NATあり48.00
NAT+パケットフィルタリング48.00
httpサーバー →
  クライアント
パケットフィルタリングなし63.60
パケットフィルタリングあり66.08
パケットフィルタリング+NAT64.32
クライアント →
  サーバー
NATあり46.45
NAT+パケットフィルタリング43.64


 次に、無線LANの転送結果を見ていこう。無線LANのテストでは、セキュリティレベルに応じて3パターンのテストを行なっている。なお、なぜか今回ANYによる接続ができなかったため、そのテストは割愛している。よって、ESS-IDを指定した場合、一般的に利用される128ビットWEP、本製品固有の152ビットWEPの3パターンである。

 結果を見ると、およそ20Mbps前後となっている。無線LANは802.11a/bともに、ピークのおよそ40%程度が現実的な転送速度なっている。802.11aの最大転送速度である54Mbpsの40%は21.6Mbpsであり、そう考えると、ちょっと物足りない結果ではある。

 ただ、WEPを設定した場合でも速度が低下しない点は評価したい。むしろ速度が向上している結果が出ているが、測定には多少の誤差がつきものなので、実際には「同じ」と考えていいだろう。これは、ルータに使われているプロセッサや無線LANコントローラの余力を感じさせる結果である。逆にいえば、余力を感じるだけに、さらなるチューンナップを施して、WEP未使用時の速度向上を目指してほしいところだ。

表3:テスト結果(無線 IEEE 802.11a)
プロト
コル
転送条件速度(Mbps)
ESS-ID指定
WEP無
ESS-ID指定
WEP
(128bit)
ESS-ID指定
WEP(152bit)
ftpサーバー →
  クライアント
パケットフィルタリングなし20.1620.0320.40
パケットフィルタリングあり19.9720.1920.32
パケットフィルタリング+NAT19.7920.2420.35
クライアント →
  サーバー
NATあり19.2018.4618.23
NAT+パケットフィルタリング19.2018.7018.46
httpサーバー →
  クライアント
パケットフィルタリングなし19.9520.2920.64
パケットフィルタリングあり19.9220.5920.67
パケットフィルタリング+NAT19.4720.1120.75
クライアント →
  サーバー
NATあり18.4618.4618.00
NAT+パケットフィルタリング18.9517.5618.23



幅広いユーザー層にお勧めできる製品

 以上、本製品を試用した感想としては、完成度の高い製品であるということだ。、同社ではおなじみの専用ユーティリティや、USBによる接続が可能である点、ダイヤルアップルータとして利用可能な点など、非常に幅広いユーザーのニーズを満たす製品といえるだろう。  唯一のネックは価格で、実売価格は約5万円といったところ。また、本製品は802.11a対応無線LANカード2枚とのセット販売だけで、ルータ単体の販売は予定されていない。前モデルと同社の「WL11CA」で環境を構築して、現状では802.11b環境から移行する考えのない人(特に企業で利用している場合)は多いだろう。そうした人にとっては、50Mbpsを越えるスループットを持つ同製品は魅力的な製品だし、単体製品としてもニーズのある製品だと思われる。  すでに802.11b環境を持っている人には価格面で二の足を踏んでしまうだろうが、「ここで一気に802.11aに移行しよう」と思える人には、かなりお勧めできる製品だ。

□AtermStation
http://121ware.com/aterm/
□Aterm WA7500H製品情報
http://121ware.com/product/atermstation/product/warpstar/delta/wa7500h.html

(2002/10/23)
槻ノ木隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
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