Broadband Watch logo
バックナンバー
バッファロー WZR-HP-G54
~11gの到達距離を伸ばすAirStationBoosterを搭載する無線ルータ~
[2004/09/15]
マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOpt-GFive
~初のギガビットフル対応ルータ!~
[2004/09/03]
パナソニック ネットワークカメラ
「BL-C10」「BB-NWC150」 (後編)
[2004/07/23]
パナソニック ネットワークカメラ
「BL-C10」「BB-NWC150」 (前編)
[2004/07/22]
コレガ CG-WLBARAG-P
~初心者向けサポートを売りにする無線LAN機能内蔵ルータ~
[2004/05/10]
ネットワークカメラを試してみる(後編)
~コレガ CG-NCMN&CG-WLNC11MN、プラネックス CS-TX01F&CS-W01B~
[2004/04/09]
ネットワークカメラを試してみる(前編)
~コレガ CG-NCMN&CG-WLNC11MN、プラネックス CS-TX01F&CS-W01B~
[2004/04/08]
東芝 gigabeat G21~ネットワーク接続も可能なHDD内蔵オーディオプレーヤー~
[2004/04/01]
NEC AX300~DVDレコーダ搭載で進化したホームAVサーバー~(後編)
[2004/03/04]
NEC AX300~DVDレコーダ搭載で進化したホームAVサーバー~(後編)
[2004/03/04]
NEC AX300~DVDレコーダ搭載で進化したホームAVサーバー~(前編)
[2004/03/03]
バッファロー LinkStation HD-H120LAN
~手軽にファイル&プリントサーバーとして使えるネットワークストレージ~
[2003/12/24]
[番外編] 価格の違うルータは、どこが違うか?
~セキュリティ、NAT、使い勝手を比較~
[2003/11/12]
NTT-ME MN8300
~スループット99Mbpsで話題を集める高速・高機能ルータ~
[2003/10/20]
マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOPT100
~ハイパフォーマンスルータが機能を強化~
[2003/09/17]
アイ・オー・データ機器 NP-BBRP
~文庫本サイズの手のひらルータ~
[2003/09/10]
プラネックスコミュニケーションズ BRL-04AR
~4,000円台半ばの低価格・高スループットルータ~
[2003/08/26]
NECアクセステクニカ AtermWR7600H
~IEEE 802.11a/b/g全対応の無線LANルータ~
[2003/08/06]
NTT東日本/西日本 Web Caster 7000
~インテルのIXP425を搭載する多機能ルータ~
[2003/07/23]
リンクシス・ジャパン BEFSR41C-JP
~ベストセラールータをモデルチェンジ~
[2003/07/16]
Hawking Technologies FR24
~デュアルWANポートを持つSOHO向けルータ~
[2003/07/09]
メルコ WHR-G54
~スループットが向上したメルコ IEEE 802.11g対応ルータ最新型~
[2003/06/18]
オムロン VIAGGIO MR104X
~オムロンの高速ルータ「VIAGGIO」シリーズのNewモデル~
[2003/05/28]
コレガ WLAP-54GT Set
~Intersilチップを使った初のIEEE 802.11gアクセスポイント~
[2003/04/23]
ソニー ブロードバンドAVルータ「HN-RT1」
~QoS機能も持ったPPPoE接続専用ルータ、400MHz駆動のCPUは?~
[2003/04/09]
「アイ・オー NP-BBRS」
~ステートフル・パケット・インスペクションにも対応の低価格ルータ~
[2003/03/19]
「NTT-ME MN7320」
~強力なルータ機能を持ち合わせる12Mbps対応ADSLモデム~
[2003/02/07]
「メルコ WBR-G54」
~2.4GHz帯で54Mbpsを実現するIEEE802.11gを採用したルータ~
[2003/01/29]
「オムロン VIAGGIO MR104DV」
~VPNへの対応、DMZポートの装備などの特徴が光るSOHO向けルータ~
[2002/12/13]
「corega BAR HGWL」
~802.11b無線LAN対応の高速ブロードバンドルータ~
[2002/11/29]
「マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOPT90」
~高機能・高スループットでヘビーユーザーにもお勧めのルータ~
[2002/11/06]
「NEC Aterm WA7500H」
~802.11a対応カード2枚を同梱の無線LANルータ~
[2002/10/23]
「アイコム SR-21BB」
~IEEE 802.11a/bへ対応可能な無線LAN内蔵高速ルータ~
[2002/10/10]
「プラネックスコミュニケーションズ BRL-04FB」
~公称91Mbpsのハイスピードブロードバンドルータ~
[2002/09/25]
「ヤマハ NetVolante RT56v」
~IP電話、VPNに対応する高機能ブロードバンドルータ~
[2002/09/13]
「NEC Aterm BR1500H」
~コストパフォーマンスに優れた高速ルーター~
[2002/08/28]
「メルコ BLR3-TX4」
~実効スループット88Mbpsを謳う高速ルータ~
[2002/05/29]
槻ノ木隆の
NEW PRODUCTS IMPRESSION

マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOPT100
~ハイパフォーマンスルータが機能を強化~

同社の人気モデルSuperOPT90の後継機

 マイクロ総合研究所から発売された「NetGenesis SuperOPT100」は、ハイパフォーマンス・高機能で人気の「NetGenesis SuperOPT90」の後継に当たるモデルである。パフォーマンス面は、FTP転送時のスループットが94.92Mbpsとなっており、OPT90の94Mbpsから大きく向上してはいない。ただし、パケットサイズの小さいデータを送受信する場合のスループットが向上しているとのことで、実使用において体感の差はあるだろう。

 むしろ、今回注目したいのは機能面だ。とくにLANポート側の機能が強化されており、ポートの優先度を決めるQoS機能、ポートごとに別の仮想LANを構築するポートベースVLAN機能、ポートごとに帯域幅を制限するといった機能が追加されているのが最大のバージョンアップポイントといえる。

 では、実際に実機をチェックしていこう。まずは外観である。本製品のデザインはOPT90とまったく同様で、色だけが変更されている(写真01)。ちなみに本製品は横置きとともに、付属の台座を利用した縦置きにも対応している(写真02)。

写真01
横置き設置した場合の本製品のサイズは43×144×163mm(幅×奥行×高)
写真02
付属の縦置き台を使用した場合は、64×144×168(幅×奥行×高)となる

 フロント部分は電源/LANの各ポート/WANの状態を示すLEDが配置された一般的なもの(写真03)。さらに背面もオーソドックスで、リセットスイッチやLAN/WANの各ポートと電源コネクタが用意されている(写真04)。

写真03
前面のLED類。LAN/WANポートは緑発光が100Mbps、橙発光が10Mbpsでのリンクを表し、データ通信中は点滅する
写真04
背面。リセットスイッチは機器の再起動用ではなく工場出荷時へ設定を戻すためのもの。LAN/WANポートはAUTO-MDI/MDI-Xに対応する

 そのほかの付属品はACアダプタ(写真05)のほか、LANケーブル(ストレート、3m)とクイックスタートガイド、マニュアルCD-ROMである。いずれもOPT90から大きな変更点はなく、マニュアルCD-ROM内に、新機能を解説するドキュメントが追加されている程度である。

写真05
ACアダプタは大型で重量もあるものが付属。ショートケーブルも付属するのでOAタップを使っている人も、まずは安心だ

規模の大きなネットワークにも耐える新機能

 では本製品の設定画面をチェックしていこう。本製品の設定は多くのルータ同様Webブラウザで行なうものとなっている(画面01)。ちなみに、この設定画面。OPT90とほとんど変わらない。そのため、一般的な機能については、以前に紹介したOPT90の記事からの変更点を紹介していくことにしよう。

画面01
設定はWebブラウザで行なうタイプで初期IPアドレスは<192.168.0.1>。画面はOPT90とほぼ同じ構成である
画面02
OPT100は初期出荷品からWindows MessengerやVPNに対応し、WAN設定内に項目が用意されている

 まずWAN側設定に関する部分では、出荷状態からUniversal Plug and Play(UPnP)とVPNパススルーに対応した(画面02)。

 ちなみにUPnPについては、WAN側の設定を行なう画面でWindows Messengerのどの機能に対応させるかをチェックできるようになっているが、UPnP自体に対応させるために、別途「基本設定」画面にて設定を施さなければならない点には注意が必要だ(画面03)。

画面03
WAN設定内のWindows Messengerの項目を有効にするには、基本設定からUPnPを有効にする必要がある
画面04
固定IP接続時に、WAN側IPアドレスとLAN側IPアドレスがどのように変換されるかの変換表が追加された

 またOPT90では、固定IPによるWAN接続を行なう際に、WAN側のネットワーク指定、OPTのWAN側IPアドレス、LAN側に割り当てるIPアドレスの先頭アドレス、の三つを指定する必要がある。OPT100でも、この仕様に変更はないが、新たに「IP変換対応表」が表示されるようになった(画面04)。これは、WAN側のIPアドレスとIPアドレス変換の方式、LAN側のどのIPアドレスに変換されるかを一覧表示できるものである。利用する固定IPアドレスが一つの場合は大きな意味を持たないが、2個以上のIPアドレスを取得する場合に、どのWAN側IPアドレスがどのプライベートIPアドレスに変換されるかを確認できるので、設定ミスが少なくなるできると思われる。

 そのほかの、PPPoE設定を含むWAN側設定やLAN設定、DHCP設定、IPマスカレードの設定やパケットフィルタリングの設定は相変わらず多機能であるが大きな変更点はないので、詳しくはOPT90のレビューを参照していただきたい。

 さて、ここからは、OPT100で追加された新たな機能について紹介していこう。冒頭でも述べたとおり、OPT100ではLAN側ポートの制御に関する機能が数多く盛り込まれているのが特徴だ。

 まず、最近耳にする機会の増えたQoS(Quality of Service)機能である(画面05)。QoS機能は本製品の各ポートに「高」「低」の2段階の優先度を設け、「高」に設定されたポートを優先して処理を行なう機能だ。設定画面を見ると

  1. 帯域保証(通信比率)
  2. 優先度有効ポート
  3. ポートベース優先度を設定する

の三つの設定項目がある。まず帯域保証の項は、どの程度優先して処理を行なうかを決める設定で、2:1であれば優先度「高」のポートが2回処理する間、優先度「低」ポートは1回しか処理しない、という意味である。5:1、10:1の設定も可能であり、さらに優先度を高めることができる。次の優先度有効ポートというのは、ここから設定する優先度が適用されるかどうかを決める項である。ここでチェックされたポートに対し、次の「ポートベース優先度を設定する」で設定した優先度が適用されることになる。

画面05
ポートごとに優先度を決めるQoS設定。通信比率は1:2/5/10のほか、常に優先ポートを先に処理する[常に優先]が選べる
画面06
各ポートの帯域を制限する速度制限設定。[優先度有効]を設定しておくと、QoS設定で指定した優先度を反映して帯域を指定できる

 続いては「速度制限設定」について紹介しよう(画面06)。これもQoSと同じくポートごとの優先度を決める設定であるが、さらに帯域幅も制限してしまう、というものだ。さらに先のQoS設定との連動も可能で、QoSで設定した優先度の高低の設定に応じて帯域幅を制限することもできるのだ。コンシューマレベルでも動画再生用PC、ダウンロード専用PCなど用途に応じてPCを使い分けている人がいるが、こうした人には実に魅力的な機能であろう。

 さて、通信速度の制限に関する機能以外では、まずVLAN機能を紹介しておこう(画面07)。この機能は各LANポートをグルーピングし、別のグループに属するLANポート間では通信を行なえないようにする、という機能である。また、特定のグループからルータポートへのアクセスを禁止することで、WAN側とのアクセスを禁止することもできるのである。一つのLANポートを複数のグループに所属させることもできるなど、かなりきめ細やかな設定が可能になっている。

画面07
VLAN機能は現時点ではポートベースVLANのみだが、今後のファームウェアアップデートで、パケットにタグを付加してグループ分けできるタグベースVLANもサポート予定
画面08
ネットワークダウンにもつながりかねない異常なブロードキャスト送信を検知した場合にパケットをカットできるブロードキャストストーム保護設定

 続いては「ブロードキャストストーム保護設定」だ(画面08)。PCの障害や悪質なワームによって、LAN内にブロードキャストパケットが飛び交う状況が発生するとネットワーク全体のパフォーマンスが低下したりするのを防ぐための機能だ。具体的には指定されたポートを流れるパケットのうち何パーセントがブロードキャストパケットであったかを判断して、設定したしきい値を超えた場合にブロードキャストパケットをカットするという働きをする。

 最後に「ミラーリング設定」について紹介しておこう(画面09)。これは、パケット監視用の機能で、指定したポートを流れるパケットのコピーを別のポートにコピーすることで、別のポートに接続されたPCでパケットの内容を監視することが出来るのである。

画面09
企業などの管理者に好まれそうな、ほかのポートのパケットを監視するためにパケットのコピーを取れるミラーリング設定

 このようなポートの制御に関する機能が豊富なルータは、これまでのコンシューマ向けルータには見られなかったものである。コンシューマレベルでも用途に応じて複数台のPCを持つ人が増えるなか、これらの機能を有用に思う人も多いだろう。また、中規模程度であれば企業ユースにも耐えそうである。


SH-4をベースとした内部構造

 では次に、本体を分解して内部を覗いてみよう。本製品は非常に多くのチップ抵抗や大型のコンデンサが載ったにぎやかな基板となっている(写真06)。また、裏面にもチップの一部が配置された両面実装基板である(写真07)。

写真06
基板サイズに余裕はあるが、載っている部品は多いメイン基板の表面
写真07
裏面にもチップを搭載。こちらもチップ抵抗などが数多く載っている
写真08
メインプロセッサであるルネサンステクノロジの「SH7751R」。BP240の文字で分かるとおり240MHz駆動だ
写真09
16Mbitのフラッシュである東芝セミコンダクターの「TC58FVT160AFT-70」

 メインとなるプロセッサは、ルネサステクノロジのSH-4を搭載する(写真08)。SH-4といえば、セガのゲーム機「ドリームキャスト」でお馴染みのプロセッサ。チップ表面の印刷からも判る通り、搭載されたSH-4は日立製作所が製造したもの。ただ、今年4月に日立製作所と三菱電機の半導体部門がそれぞれ分社化された上で、合併する形でルネサステクノロジが設立された。この結果、SH-4を始めとする日立の半導体部門はすべてルネサステクノロジに集約される形になった。そんな訳で、現在はSH-4はルネサステクノロジ製という事になるわけだ。中身が変わったわけではないので、本質には関係ないことだ。

 ちなみにSH-4はシリーズ名であり、いくつかの製品が存在するが、本製品ではOPT90と同じ「SH7751R」というチップである。このチップはSH-4では最上位に当たるモデルで、さらに本製品では240MHz駆動の高クロック版が採用されている。

 このほか表面に搭載されたチップは、東芝セミコンダクターの「TC58FVT160AFT-70」(写真09)である。このチップは16Mbit(2MB)のフラッシュである。表面で目立ったチップは、この2個である。

写真10
米Micrel Incorporatedの「KS8995M」。同社のカテゴリでは「マネージメント用途」に属する高機能スイッチコントローラだ
写真11
おなじみのLANコントローラであるRealtekの「RTL8139C+」。WAN/LAN用に各1個を搭載
写真12
SAMSUNGの「K4S643232F-TC60」をメインメモリに搭載。64Mbit、166MHz駆動のSDRAMである

 では裏面に目を向けてみよう。まず目に留まるのが、KENDINロゴが印刷された米Micrel IncorporatedのKS8995Mである(写真10)。通常この手の製品だと、同じMicrel Incorporatedの製品でもKS8995Eを使う事が多い。ポート数は同じで、スイッチング性能もさして変わらず、価格が安いからだ。にもかかわらず、敢えて高価なKS8995Mを使った理由は、こちらがManaged Switchだからだ(KS8995EはUnmagaged Switch)。「Managed」とは何か? というと、例えばIGMP v1/v2に対応しているとか、MACアドレスベースのセキュリティオプションを持っていることになっている、OPT100に関係する部分で言えば、例えばポート別に0Mbps~100Mbpsまで帯域をソフトウェア的に制御可能であることや、ブロードキャストの帯域制限などだ。つまり、OPT100で搭載されたセキュリティ関係の新機能は、このKS8995Mに寄るところが大きいわけだ。

 ちなみにWAN/LAN用に各1個ずつ搭載されているLANコントローラは、Realtekの低価格LANコントローラであるRTL8139C+となっている(写真11)。ちなみこのRTL8139C+、従来のRTL8139C+とハードウェア的には完全互換で、ドライバ類も互換性があるが、例えばバッファ管理のアルゴリズムを後から入れ替えるといったカスタマイズが可能な上位製品である。もっとも、OPT100でそこまでの機能を入れているかどうかは確認できていない。

 最後にSAMSUNGの「K4S643232F-TC60」(写真12)というチップが目に留まるが、これは64Mbit(8MB)のSDRAMで、166MHz駆動の製品である。


OPT90とほぼ変わらない優秀なスループット

 では最後にスループットの測定を行なおう。冒頭でも述べたとおり、本製品のFTP転送時のスループットは94.92Mbpsである。環境による違いはあれ、90Mbps程度の速度が発揮されるのは期待できるところだ。ちなみに、テスト環境は前回までの本連載と同じく図、表1のとおりである。


表1、図1:テスト環境
 
サーバー(WAN1側) クライアント
CPU AMD Athlon MP 1.2GHz×2 AMD Athlon XP 1700+
マザーボード TYAN TigerMP(AMD760) EPoX EP-8K3A+(Apollo KT333)
メモリ Registerd DDR SDRAM 512MB(256MB×2) PC2700 DDR SDRAM 512MB(256MB×2)
HDD Seagate Barracuda ATAIV 40GB Seagate Barracuda ATAIV 80GB(NTFS)
LANカード メルコ LGY-PCI32-GT Intel 21143搭載LANカード
OS RedHat Linux 9(kernel 2.4.20-8smp,Apache 2.0.40-21,VSFTPD1.1.3-8) Windows XP Professional 日本語版+SP1(IIS 5.1)
RAMディスク 128MB 128MB

 さて、まずLAN環境での結果を表2に示す。下りが90Mbps弱、上りが55~65Mbps前後といったところで、かなり優秀な速度である。以前のOPT90をテストしたときに比べると若干遅めではあるが、当時とはテスト環境も異なっているし、それほど大きな差ではない。OPT90と変わらない速度が発揮できると思っていいだろう。


表2:計測結果(LAN)
 
プロトコル 転送条件 速度(Mbps)
直結状態
(参考値)
ftp サーバー → クライアント 91.47
クライアント → サーバー 82.05
http サーバー → クライアント 90.32
クライアント → サーバー 74.05
マイクロ総合研究所
SuperOPT100
ftp サーバー →
クライアント
パケットフィルタリングなし 88.27
パケットフィルタリングあり 88.27
パケットフィルタリングあり+NAT 88.00
クライアント →
サーバー
NATあり 64.29
NAT+パケットフィルタリングあり 63.50
http サーバー →
クライアント
パケットフィルタリングなし 89.33
パケットフィルタリングあり 89.07
パケットフィルタリングあり+NAT 89.60
クライアント →
サーバー
NATあり 57.41
NAT+パケットフィルタリングあり 54.73

 次いでWAN環境での結果を表3に示す。前回同様、NTT東日本のBフレッツ・ニューファミリータイプ+NTT-MEのWAKWAKの環境で、土曜の朝5時過ぎにテストを行なってみた。とにかく最近はフレッツ・スクウェアが混んでいるのか、著しく成績が悪い。これでは正確なテストにはなりにくい状態である。そこで今回はこの数字をあっさり無視し、OPT100とOPT90を並べて、Speed.RBBTodayにアクセスしてみると、なかなか劇的な差が見られる。下りの差もなかなか馬鹿にならないが、劇的なのは上りの性能差。もともとOpt90の上りがあまり早くない関係もあるかもしれないが、これは無視できない性能差である。インターネット経由のテストだから、他のケースと比較するのは難しい(混み具合の影響が大きいため)が、性能が上がったことは間違いなさそうだ。


表3:計測結果(WAN)
 
平均値(Mbps) 最大値(Mbps)
フレッツ・スクウェア 34.56 36.73
Speed.RBBToday SuperOPT100 Download 52.65 55.61
Upload 11.39 13.08
SuperOPT90 Download 36.81 41.24
Upload 3.55 5.02

ますます高機能になりハイエンドユーザーも満足

 以上のとおり本製品を試用してきたわけだが、同社製品伝統ともいえる多機能さは健在だ。もとより人気ルータのOPT90をブラッシュアップしたような製品であるため、製品もこなれている。

 とくに新機能のポート制御に関する設定について、こうした機能を搭載したルータが2万円足らずで購入できるというのは貴重な存在である。ネットワークに興味を持つユーザーにとって嬉しく思うだろう。

 これまでのルータはスループット、セキュリティ、低価格とった点をウリにしてきたが、OPT100に搭載されたポート制御は新しいブームを呼ぶかも知れない。



■注意
・分解を行なった場合、メーカーの保証対象外になります。また、法的に継続使用が不可能となる場合があります。
・この記事の情報は編集部が購入した個体のものであり、すべての製品に共通するものではありません。
・この記事を読んで行なった行為によって、生じた損害はBroadband Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・Broadband Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。


□マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOPT100 製品情報
http://www.mrl.co.jp/catalog/nw/mr-nwgopt100.htm

(2003/09/17)
槻ノ木隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.