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Yahoo! BB、収容局から遠いユーザーにはReachDSL技術で対応

 Yahoo! BBでは、収容局からの距離やノイズの問題で、通常のADSL規格では接続サービスを提供できないユーザーに対してパラダイン社のReachDSL技術を採用した通信機器で対応する。Yahoo! BBの進捗状況を説明した記者会見で、ソフトバンクの孫社長が明らかにした。

 G.dmt AnnexA規格を採用することで最大下り8Mbps、上り1Mbpsと高速なADSL接続サービスを提供するYahoo! BB。ISDN回線との干渉を起こりにくくしたAnnexCではなく、北米向け規格のAnnexAを採用することで、他社より早い時期に8Mbpsの接続サービスを安価に提供することができた。

 当初は懸念されたISDNとの干渉問題も、試験サービスでは大きな問題にはなっていない。ビー・ビー・テクノロジーでは、ユーザー宅での接続工事の際にどの程度の実効スループットが出るのかを実測しているが、その結果は平均で3Mbps、最大では8Mbpsを上回るところもあるという。競合他社の多くはG.lite規格を採用しているため「Yahoo! BBの8割以上のユーザーが、他社の理論上の上限値(1.5Mbps)を上回る速度で接続できている」(孫氏)と説明する。

 もっとも、少数だが収容局から遠いためにADSL接続サービスを利用できないユーザーや、実際に接続しても100Kbps程度しかスループットが出ないユーザーがいる。こういったユーザーへの対応策として、パラダイン社のReachDSL技術を採用していくことを明らかにした。

 DSL技術を使用する場合、一般的に高い周波数帯を使うと帯域(回線速度)はアップするが距離は延びない。現在、日本でサービスされているADSLの場合、使われている周波数帯域の上限はG.lite方式が552kHz、Yahoo! BBのG.dmt方式が1.1MHz。ReachDSL技術では、これを160kHzと低めに抑えることで距離を稼ぐ。

 すでにテストを行なっており、これまでADSL接続サービスを提供できないとされていたユーザーでも、平均して800Kbps程度のスループットを発揮したという。

 パラダイン社のReachDSL技術を採用した通信機器は現時点では価格が高く、1回線あたり15万円程度となる。これを「企業努力によって抑え」(孫氏)、ユーザーに対してはG.dmt AnnexA規格と同じ料金で提供する計画だ。

 競合他社は、今秋よりG.dmt AnnexC規格を採用することで最大下り8MbpsのADSL接続サービスを開始する。一般的にはG.dmt AnnexCのほうがノイズなどの影響を受けにくいとされているが、これに対しては「Yahoo! BBではG.dmt AnnexAとReachDSLを組み合わせることで、回線ノイズや距離の問題をほぼ100%解消できる。最強の組み合わせだ」と反論した。

東京都内の2500ユーザーで実測した回線速度
記者会見でも速度を測って見せた。結果は6.39Mbps


□関連記事「Yahoo! BB、進捗や今後の見通しを説明する記者会見を開催」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/09/04/ybb1.htm
□関連記事「長距離でも高い性能を発揮する新規格DSLモデムが登場」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/07/26/pdyne.htm
□Yahoo! BB
http://bb.yahoo.co.jp/
□ヤフー
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□ソフトバンク
http://www.softbank.co.jp/

笠井 康伸
2001/09/04 22:10

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