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SCEIの久多良木社長(写真左)とソフトバンクの孫社長(右) |
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)の久多良木社長とソフトバンクの孫社長は記者会見を開き、プレイステーション 2(PS2)をプラットフォームとしたブロードバンドサービスに関する提携に基本合意したと発表した。2002年春ごろをメドにPS2からYahoo! BBを使用してインターネットに接続するサービスを開始。PS2向けにYahoo! BBのさまざまなコンテンツを提供する。
SCEIは、PS2をブロードバンド回線に接続しさまざまなサービスを提供するプランを12月11日に発表している。このときには接続サービスを提供するパートナーとして、So-netとNTT-BBが共同で発表を行なっていた。もっとも、久多良木社長は「PS2から利用できるネットワークは、あくまでオープン。多くのパートナーと今後も協力関係を築いていきたい」と表明していた。
Yahoo! BBでは、ADSL接続サービスをPS2向けに提供するほか、SCEIの認証システム「DNAS」を導入し、さまざまなコンテンツの提供も行なう。具体的なコンテンツなどは明らかにしていないものの、孫社長によれば「すでに100TBもの容量を持ったサーバーを設置。ユーザーに対し映画や音楽などを配信したり、ユーザーが撮影した写真をアップロードしたりできるように準備を整えた」という。
また、ソフトバンク・グループが手がける雑誌などの出版物にPS2用のDVDやCDを付録として付け、広くユーザー向けに配布。ユーザーは、ディスクからPS2のブロードバンドユニットに内蔵されたHDDにソフトを格納、加えてYahoo! BBを使用してさまざまなサービスを受けられるようにする、といったシナリオを示した。
今後のスケジュールは、2002年1月に基本仕様を公開、2月には「PlayStation Meeting 2002」を開催し、ここでタイトルやサービスの詳細を発表。サービスの予約受付も開始する。3月には試験サービス、4月にはブロードバンドユニットをユーザーに発送し「PlayStation BB(BroadBand)」の本サービスを開始する。
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Yahoo!やYahoo! BBのさまざまなコンテンツをPS2ユーザー向けに提供する |
Yahoo! BBのPS2向けサービスも、2002年春ごろを予定している。さらに、2002年秋ごろにはPS2をHDDレコーダーのようなデジタル家電として使うことができるアプリケーションも提供する計画だ。
孫社長によれば、回線がブロードバンドに変わることでこれまで文字や静止画が中心だったインターネットの世界が動画や音声中心に変化する。そうなると、リビングルームで大画面のTVを使って楽しみたくなるが、専用のSTB(セットトップボックス)を開発すると高価なものになり、また普及させるのにも時間がかかる。パートナーとしてPS2を利用したいと考えていたところ、久多良木社長と思惑が一致。半年ほど前から打ち合わせを進めていたという。
今回の提携により、ソフトバンク・グループおよびヤフーは、SCEIからブロードバンドユニットを購入し、Yahoo! BBユーザー向けに提供する。ユニットはレンタルで提供されるのか買い取りになるのか、また料金体系はどの程度になるのかといった点は2002年春までに詰めていく。
ブロードバンドユニットにあらかじめいくつかのオンラインゲームを組み込んでユーザーに提供するといった方法も考えており、どういったゲームをバンドルするかで価格は変わってくるという。
□ニュースリリース
http://docs.yahoo.co.jp/info/pr/release/2001/1220.html
□関連記事「SCEI、プレイステーション 2のブロードバンドへの対応計画」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/12/11/ps2.htm
(笠井 康伸)
2001/12/20 20:40
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