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情報通信審議会、Yahoo! BBに対し実質的にリソースの返還を求める答申

 情報通信審議会電気通信事業部会接続委員会は、10月31日付けで諮問されたNTT東西の接続約款変更やコロケーション問題に関する答申を行なった。いくつかの条件はついているものの約款変更が認められているとともに、Yahoo! BBによる大量のリソース確保に対しては業務の改善命令発動を含む必要な措置を求めるなど厳しい内容も盛り込まれた。

 NTT東西が提案している接続約款の変更案は、収容局のコロケーションスペースを保留状態のまま占有できる期間を短くするとともに、一定期間経過後はユーザーにサービスを提供していなくても有償化するというもの。

 接続委員会が約款変更を認可する条件として提示した条件は次の3点。これらが確保された場合には、認可することが適当だと答申している。

  • 他事業者と競合するサービスで必要な設備については、NTT東西が使用する場合でも他事業者と同様の利用手続きを適用すること。

  • NTT東西が保留しているリソースの見直しをただちに行なうとともに、利用見込みのない設備の撤去や収容回線数の効率化などによって生じたリソースについては、当該ビル(収容局)で現在保留のない事業者に対し優先的に配布する旨を約款に追加すること。

  • 収容局単位でリソースの利用状況やひっぱく状況などを考慮して、他事業者に割り当てたリソースであっても返還のための協議を申し出ることがある旨を約款に追加すること。

 このほかに総務省およびNTT東西に対し次の3項目の措置を要望している。

  • 総務省は、今後もリソースのひっぱく状況などの改善が図られなかった場合には、事業者に対し業務の改善命令発動を含む適切な措置をとること。

  • NTT東西は、事業者が一度予約したリソースをキャンセルした場合のペナルティや申込数の上限などを具体的に検討し、順次速やかに総務省に報告すること。とくに、NTT東西が設備投資を行なった後にキャンセルされた場合の投資リスクをだれが負担するかや、事業者のキャンセルによって生じたリソースの再配分の方法についても検討すること。

  • NTT東西は、コロケーションの空き情報を4週間程度をメドに更新、公開すること。さらに、リソースがひっぱくしている収容局では、よりひんぱんに情報の更新を行なっていくこと。

 今回の答申は、イー・アクセスやアッカ・ネットワークスが公聴会で主張した内容が数多く受け入れられたものとなった。さらに、設備などの効率化によって生じた新たなリソースは、保留のない事業者、つまりYahoo! BB以外の事業者に対し割り当てるように求めている。加えて保留状態のリソースの返還協議を約款に盛り込み、返還に応じない場合には業務の改善命令発動を求めるなど、Yahoo! BBにとって厳しい内容となっているのが特徴だ。


□関連記事「総務省、コロケーション問題に関する公開ヒアリングを開催」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/12/19/soumu.htm
□関連記事「イー・アクセス、コロケーション問題の公開ヒアリングについて説明」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/12/20/eaben.htm

笠井 康伸
2001/12/25 20:02

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