矢野経済研究所は、国内におけるIP電話市場の調査結果を発表した。現時点での日本国内のインターネット電話の規模は、個人は158万ユーザー、法人は3900ユーザーであるという。
この調査は2001年12月から2002年3月までの期間、消費者386名、IP電話の未導入企業52社、関連メーカー8社およびその他の関係各社を対象に行なったもの。同研究所によれば、個人ユーザーは固定電話の利用時間が減少していることや、契約や設定の煩雑さなどからIP電話への即時移行は難しいが、ブロードバンド環境や認知度の向上により、2005年末には651万ユーザーを見込めるという。法人ユーザーにおいても初期導入費用や音声品質に不安はあるものの、データ回線と一元化した通信コストの削減を期待しており、2005年末には1万4000ユーザーに増加すると予想している。
法人におけるIP電話市場のメーカーシェアでは、沖電気工業が6割以上のシェアであり、以下日立製作所、シスコシステムズ、NECとなっている。同研究所によれば、沖電気工業の圧倒的なシェアは機器やアプリケーションの扱いやすさや、電話機としての基本機能を備えているためだという。
IP電話はYahoo!のBB Phoneサービスなどで急速に認知度を高めている。また、NTTが自社の電話網をIP電話に全面移行すると表明しており、今後ますますIP電話サービスが拡大していくことが予想される。
囗プレスリリース
http://www.yano.co.jp/press/2002/020510b.htm
囗関連記事「NTT、3カ年経営計画でIP電話網への全面移行を表明」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/04/19/ntt.htm
囗関連記事「Yahoo! BB、BB Phoneの正式サービスを開始」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/04/22/bbphone.htm
囗矢野経済研究所
http://www.yano.co.jp/
(甲斐祐樹)
2002/05/10 20:42
|