|
池田副社長(右)、鴨下取締役(中央)、NWエンジニアリング部アクセス技術担当課長の湯浅氏(左) |
|
10Mbps拡張サービスのスピード測定デモ。ISPにはSo-netを使用 |
アッカ・ネットワークスは、同社の提供する8MタイプのADSL接続サービスについて、通信速度を下り最大10Mbpsに向上させる拡張サービスを発表した。7月中旬に無償で公開するファームウェアを利用することで、一部のユーザーが10Mbpsの通信速度を実現できるという。
今回提供されるのは、アッカがレンタルを行なっている富士通製のADSLモデム用ファームウェア。誤り訂正のための冗長ビットを減らし、実データの伝送に割り当てることでことで速度を向上させる「S=1/2」という技術を利用する。10Mbpsを実現できるのは下りリンク速度が上限の8Mbpsまで出ており、線路長が1.3km以内で伝送損失が17dB以内の場合。
また、下りリンク速度が8Mbpsで、線路長が2km以内、伝送損失が24dB以内の環境においても速度向上は期待できるものの、具体的な数値などは現在調査中だという。アッカの調査によれば、下りリンク速度が8Mbps出ているユーザーは、ISDNの干渉を受けているユーザーの割合も差し引いた上で17%存在するという。
10Mbps拡張サービスの提供エリアは、東京23区内を中心として順次拡大され、9月末には全ての提供エリアで対応する予定。現在アッカの8Mbpsタイプを提供するISP事業者は追加料金なしで対応するという。なお、アッカが認定する市販のADSLモデムについてもモデムメーカー各社からのファームウェア提供が予定されており、提供時期などについてはアッカのWebサイト上で順次発表していく。
今回の発表では、秋に提供が予定されている下り最大12MbpsのADSLサービスの発表も行なわれた。エコーキャンセラ技術である「C.x(仮称)」を使用し、最大伝送距離は現在の4kmから7kmに拡大、下り最大通信速度も12Mbpsまで向上可能。また、伝送距離が4.9km以内の環境であれば500kbps程度の、7km以内であれば200kbps程度の速度向上を期待できるという。アッカでは、本サービスの目的は通信速度の向上というよりも、最大伝送距離を延長してより多くのユーザーに高品質のADSLサービスを提供することに主眼を置いているとした。前述の10Mbpsサービスはあくまで8Mbpsの拡張という位置づけであるのに対し、「C.x(仮称)」を使用した技術は新サービスとして提供され、対応モデムも異なるという。料金体系や提供時期の詳細については、現在検討中としている。
また、同社では、富士通製のADSLモデム向けにUniversal Plug and Play(UPnP)に対応したファームウェアを6月14日より公開し、7月中旬から出荷される富士通製ADSLモデムには10Mbps拡張サービス用のファームウェアとUPnP対応ファームウェアを標準で搭載する予定。また、PPPoEによる接続方式への対応も近日中に発表するとしている。
囗ニュースリリース
http://www.acca.ne.jp/release/020614.html
囗関連記事:清水理史の「イニシャルB」 ~500Kbpsの速度向上が見込めるAnnexC拡張版の正体とは~
http://bb.watch.impress.co.jp/column/shimizu/2002/04/24/index.htm
囗関連記事:アッカ、8Mサービス用富士通製モデムのUPnP対応ファームウェアを公開
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/06/14/accaup.htm
囗アッカ・ネットワークス
http://www.acca.ne.jp/
(甲斐祐樹)
2002/06/14 19:07
|