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@niftyの古河建純社長 |
@niftyは、ゲームソフトをストリーミング配信する「Software on Demand」を8月5日より開始する。料金は月額制で、数百円から数千円の予定。パッケージをダウンロード販売するのではなく、ストリーミング形式で提供するサービスは国内初であるという。
このサービスは、パソコンゲームメーカーの団体である「JCGA」と提携して行なわれる。専用のプレーヤーを利用し、ゲームソフトをストリーミング配信することで、ゲームソフトそのものをパソコンにインストールすることなく、手軽な料金でゲームが楽しめるという。また、ゲームソフトメーカーなどのコンテンツ提供者にとっても、パッケージの制作コストや流通コストを抑えることが可能なほか、不正コピーの防止策としても有効だとしている。
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日本ファルコムの加藤正幸会長 |
Software on Demandのシステムは、富士通のアプリケーションをストリーミング配信するサービス「AppFly(アップフライ)」をベースとしており、サービスの利用に必要な配信帯域もAppFlyと同等の256kbps以上。サービス自体の料金は必要なく、ユーザーは気に入ったゲームソフトの料金のみを支払えばよい。ゲームソフトの料金は数百円から数千円となる予定だが、10月末までは特別価格として500円~1000円程度で提供される。ラインナップは現在のところ「大戦略VII」が月額1000円で、「イースI 完全版」が月額600円で、「高校野球道 EX]が月額800円で提供されるほか、全部で9タイトルが予定されている。
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Software on Demandのデモ。Bフレッツ環境で快適に動作していた |
ゲームソフトを利用する場合、初回の利用時にはゲームを始める際に必要なデータを先に配信、キャッシュとしてパソコンに保存しておくため、2回目以降は起動時間が省略できるという。発表会ではゲームソフトを初回利用する場合のデモが行なわれた。回線にBフレッツを利用し、実効スループットが約10Mbps程度の環境において、初回起動には2分程度の時間を要していた。対応OSはWindows Me/98/95で、Windows XP/2000の対応も予定している。
Software on Demandでは今後、月額料金だけではなく、使用回数による課金制度も導入する予定。ゲームソフトの利用時間を制限できる機能があるため、新作ソフトを72時間だけ提供するなどといったプロモーション活動にも利用できるという。また、ゲームソフトに限らず、教育コンテンツや実用コンテンツなどにも対応していくという。@niftyでは2003年3月末までに会員数3万人を目標としている。
JCGAの代表を務める日本ファルコムの加藤正幸会長はSoftware on Demandについて「ゲームソフトを20年近く提供している我々(JCGA)と、ネットワークサービスを古くから行なっている@niftyという元祖同士が手を組み、極めて新しいサービスを提供する」とコメント。今回のサービス形態を映画の配給に例え、「配給システムが優れていても映画に魅力がなければ意味がない。Software on Demandについてもハードやシステムよりも、コンテンツを重視して欲しい」と@niftyに要望を投げかけた。また、「スクウェアやエニックス、光栄などと比べてビジネスはうまくないものの、ゲーム制作能力は同等かそれ以上」と自身をアピール、「ゲームコンテンツのビジネスがうまくいかないからといって教育コンテンツなどを提供するのではなく、一緒にゲーム業界を引っ張っていくという気持ちでやっていきたい」という心情を明らかにし、「そのためであれば、新作ソフトの提供なども惜しまずSoftware on Demandを全力で支援していきたい」と締めくくった。
□ニュースリリース
http://www.nifty.com/corp/release/20020805.htm
□Software on Demand
http://www.nifty.com/sod/(8月5日15時以降)
□関連記事:富士通、アプリケーションをオンラインで利用するサービス
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/05/09/fujitsu.htm
□@nifty
http://www.nifty.com/
(甲斐祐樹)
2002/08/05 14:17
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