総務省は、電波監理審議会から5GHz帯の無線LANの屋外開放を含む周波数割当計画の一部変更案について原案を適当とする答申を受けたと発表した。これにより、総務省は省令の改正などを行ない、早ければ9月初旬には屋外で5GHz帯無線LANが使える見込み。

　今回の周波数割当の一部変更案は2002年5月15日に電波監理審議会に諮問していたもので、4.900～5.000GHzと5.030～5.091GHzを5GHz帯無線LANの屋外使用に開放するという原案が審議会に出されていた。

　審議会から答申が出されたことにより、総務省は変更した周波数割当計画の告示を公布・施行することになり、早ければ9月初旬には屋外で5GHz帯の無線LANを使用できる見込みという。

　しかし、現在のところ開放された周波数に対応する無線LAN機器は市販されておらず、新周波数に対応した無線チップなどが発表されるにとどまっている。このため、実際に屋外向けの5GHz帯無線LANサービスの運用開始時期や、パソコンに装着する対応無線LANカードの登場はまだ先になる。

　また、開放された2つの周波数帯のうち、4.900～5.000GHzは中継回線などで使用されている。今回の決定では、この周波数帯を使った中継回線などの免許期限を2007年までとしているが、利用がなくなる2007年までは、中継回線と干渉せずに無線LANが利用できる場所は都市部ではほとんどないのが現状だ。

　そのため、ホットスポットなどで、すぐに利用が開始される周波数帯は5.030～5.091GHzとなる。しかし、この周波数帯も国際的には衛星によるマイクロ波着陸方式に割り当てられていて、2007年までの暫定利用となり、その後の利用については未定という。

□ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020807_6.html
□関連記事：情報通信審議会、屋外での5GHz無線アクセスについて答申
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/05/07/soumu5g.htm
□総務省
http://www.soumu.go.jp/

（正田拓也）
2002/08/07 18:43