TTC(情報通信技術委員会)は、8月29日に行なわれた第四部門委員会第六専門委員会(WG4-6)の議事録を公開した。当初提出される予定のTTC標準JJ-100.01改定案(第2.0版)が提出されなかった理由など、委員会の議論の過程が明らかにされた。
公開された議事録は、この会議にTTC標準の改定案となる「JJ-100.01改定案(第2.0版)」が提出されなかったことや、未提出の理由について触れている。それによると、8月19日に全ドラフトを全面改訂する新提案が出され、その後、7月31日に開催された会合の議論を否定する意見が出されたことで、SWG465(サブワーキンググループ4-6-5・スペクトラム管理委員会)内の合意が得らなかったため未提出となったという。通常SWG465は1カ月以上前の開催告知をする慣習なので、8月19日の提案の後、8月29日以前に会合を開くことは不可能で、反対意見についての議論ができなかったことも理由としている。
また、BBテクノロジーの孫正義社長がSWG465について利害関係者が中心となって構成される委員会で標準化が決められることに対して反対し、「SWG465は適正を欠いたメンバーで構成された委員会である」と発言したことも明らかにされた。
この会議で参加者全員が合意した事項としては、WG4-6で議論するための叩き台はTTC事務局が提案することや、JJ-100.01の改版をTTCで進めるべきでないとのBBテクノロジーの提案により、その結論が出るまでSWG465は当面の間開催しないことなどが決められた。
TTCが今回議事録の公開に至った理由としては、BBテクノロジーが、SWG465のリーダーであるイー・アクセスの小畑氏に対して提訴したことなどが考えられる。孫社長は小畑氏に対し「TTCの責任者たる人物が偏ったデータを記者発表会で公表するという行為は不当」などとTTCとその在り方について指摘する発言をしており、まずは議事録の公開によりTTCの透明性を高めた格好だ。
□第四部門委員会第六専門委員会議事録及び合意事項
http://www.ttc.or.jp/j/info/wg4_2_prc/020829/index.html
□関連記事:TTC、ADSLに関するTTC標準JJ-100.01について「有効性に問題なし」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/09/17/ttc.htm
□関連記事:Yahoo! BB、イー・アクセスを正式に提訴
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/27/bbtec.htm
□関連記事:Yahoo! BB、「TTCでBBテクノロジーの主張が認められた」と発言
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/30/ttcbbt.htm
□TTC(情報通信技術委員会)
http://www.ttc.or.jp/
(正田拓也)
2002/09/30 21:11
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