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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
スピードネット、5GHz帯による電波伝搬実験を公開
実験で用いる基地局側設備、左のラックに載っているのが基地局無線設備の試作機

 スピードネットは、5GHz帯による無線アクセスの屋外実験を報道向けに公開した。現在サービス提供している2.4GHz帯の家庭向け無線アクセスに加え、商用化を検討しているもので、電波伝搬特性の検証などを行なった。

 実験の公開は横浜市にある東京電力 技術開発センターで行なわれた。実験内容は屋外において40mほどの間を、新たに屋外向けに開放された5.03~5.091GHzの周波数を使ったIEEE 802.11aで結び、実効速度で24Mbps近いスループットが出ていることが確認された。通信速度が上がることで、将来的な広帯域を使ったコンテンツの登場にも対応できるとした。

 また、公開された実験は1対1のものだが、実際のサービスでは基地局1に対して複数の加入者が通信するため、1台あたりの実効速度が低下することになる。しかし、現在の2.4GHz帯の1.5Mbpsに対して約16倍の伝送速度性能があるため、1台の基地局に対してさらに多いユーザーの収容が可能となる。特にスピードネットが重点的に営業を行なっている集合住宅など、狭いエリアに加入者が集中する場合に5GHz帯のメリットが活かせるという。

 伝搬実験ではこのほかオフィス街として東京・新橋地区、住宅街として埼玉県川口市・東京都世田谷区などで行ない、その他にガラスや木材の透過性を検証した屋外から屋内への電波特性の検証、5GHz帯で用いるアンテナや機器の検証もすすめていく予定だ。

 実験は2002年12月末まで行なわれ、その後で商用サービスとしての内容を検討する。5GHz帯のサービスエリアには、技術的には2.4GHz帯と同じ基地局配置で同様のエリアを確保できる見通しだという。

 なお、5GHz帯の課題としては、法規上中継局設置ができないこと。現在の2.4GHz帯ではマンション上などに中継局を設置し、電柱に設置されたアクセスポイントが見通せないユーザーにサービス提供しているが、同様のことは不可能となる。スピードネットではサービス展開上重要な問題として、法規改正などを総務省に働きかけていくとした。

基地局側は無線設備とサーバー用のノートパソコン、測定用のノートパソコンが設置される。アンテナは受信感度を上げるために送受信別に2つ 端末側はアンテナからの電波を無線LANカードを用いた無線設備を通してイーサネットでパソコンに接続
基地局と端末の間は40mで、見通し可能 端末側に用いたアンテナの試作品、利得は5dBiで指向性は水平方向に対し180度
端末型の無線設備、5.03~5.091GHzの周波数に対応した無線LANカードが挿入してある スペクトラムアナライザーのディスプレイでは5.03~5.091GHzの新バンド内に電波が出ていることが確認できる


□スピードネット
http://www.speednet.co.jp/
□関連記事:スピードネット、屋外でのIEEE 802.11aに準拠した5GHz帯無線LAN実験
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/09/04/speednet.htm

正田拓也
2002/10/04 17:43

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