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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
東芝新製品発表会、“映像の東芝”実現には“Netstyle”が重要に

 東芝は28日、液晶テレビ「face Z1000シリーズ」やHDD内蔵カメラ「gigashot V10」、HDD搭載DVDレコーダ「RD-X6」など2005年秋冬商戦に発売する新製品発表会を開催した。


東芝藤井氏「デジタル化の最も大きな影響はネットワークにある」

東芝の藤井執行役上席常務
 東芝 執行役上席常務でデジタルメディアネットワーク社の藤井美英社長は冒頭、「2004年の発表会では“東芝を変わる、変わりたい”という思いを伝えてきたが、今年は“東芝が変わりつつある”ことを説明していきたい」とコメント。

 藤井氏は映像事業を取り巻く環境として、「デジタル化やHD化、フラットパネル化、ネットワーク化、HDD搭載など映像のパラダイムシフトが同時進行で起きている」と指摘。さらにユーザー側でも「動画や音楽、写真といったコンテンツの楽しみ方に急速な変化が起きている」とした。

 一方で藤井氏は「デジタル家電市場は必ずしもフォローの風が吹いていない、厳しい環境にある」との認識を持っているという。そうした中で藤井氏は、ストレージ/モバイル、ディスプレイ、ネットワーク、画像処理エンジンといった技術を挙げ、「東芝グループでは今後のデジタル家電に必要なキーコンポーネントをほぼすべて持っており、社内の力を融合して他社と差異化した商品を投入していきたい」と今後の方針を示した。


映像パラダイムシフトに対応したという同社の商品群 他メーカーとの差異化を図った商品を実現するための技術

3つの“style”
 その上で、“映像の東芝”の実現に向けた戦略として「“style”という言葉を通じて、オピニオンリーダーになっていきたい」とコメント。具体的には「いつでもどこでも好きな映像や音楽を楽しめる“gigastyle”」「美しい映像を楽しむ“HDstyle”」「PCや携帯電話などに幅広くコネクトする“Netstyle”」の3つのstyleが紹介。

 このうち、Netstyleに関して藤井氏は「私自身としては本命はネットであると考えている」といい、「いかに消費者にとってユーザーフレンドリーな環境を提供できるかなど、最終的にはデジタル化の最も大きな影響はネットワークにある」と考えているという。ただし、「現時点ではネットワークに関する付加価値は浸透するに至っていない。今後はコンテンツホルダーとの連携・話し合いを通じて、消費者にとって魅力的な商品を提供できれば」と抱負を語り、「Netstyleは常に東芝がリーダーでありたい」という点を強調した。

 また商品展開に合わせて、今後のプロモーション戦略に関しても説明があった。同社ではすでに映像関連商品の広告キャラクターにメジャーリーガーの松井秀喜選手を起用、2005年8月まで行なわれたロックミュージカル「WE WILL ROCK YOU」に協賛した。今回新たに12月に公開予定の映画「キング・コング」とタイアップし、プロモーション戦略を進めていく。

 藤井氏は、「東芝ではスポーツ、映画、音楽を3大映像エンターテインメントと考えている」と述べ、各コンテンツホルダーとの連携によって「ブランドイメージの向上や映像商品群の販売促進を実現していきたい」と語った。


新たに映画「キング・コング」とタイアップし、プロモーション展開を図る 松井選手からのビデオレターも。今後放送されるCMではキング・コングとも共演するという 発表会場には背面にキング・コングのイラストを施した「gigabeat X」も参考出品された

将来は「gigashot」「gigabeat」のネットワーク機能の強化も検討

モバイルギガ事業部の萩尾事業部長

9月22日に発売された「gigabeat X30」
 続けて、今回発表された「face Z1000シリーズ」、「gigashot V10」、「RD-X6」などについて各製品を担当する事業部長から説明があった。

 gigashot V10の説明を行なったデジタルメディアネットワーク社 モバイルギガ事業部の萩尾剛志事業部長は、gigashotの将来展開についてもコメントした。萩尾氏によれば、「1.8型HDDを搭載した大容量モデル」や「DLNAガイドラインやUWBに対応させるネットワーク機能の強化」をはじめ、「シンプルモードによる簡単操作」「3CCD搭載の高画質化」「フルHD画質への対応」などを考えているという。

 加えて、同事業部が担当するポータブルオーディオプレーヤー「gigabeat」シリーズに関しても、「新開発プラットフォームによる動画再生、地上デジタル放送の受信」への対応を検討。また、「LANやUWB、Bluetoothといったネットワーク対応」のほか、「ハイビジョンやロスレスをサポートする高品位映像・音楽」「燃料電池の採用」についても将来展開に含まれているとした。

 フラッシュメモリを採用した「gigabeat」に関して萩尾氏は、「製品化を検討しているところで、近々発表できればと考えている」という。ただし、デジタルメディアネットワーク社の社長を務める藤井氏は「はっきり言ってフラッシュメモリタイプは相場が4,000~5,000円まで下落しているので儲からない」と語り、「積極的には製品展開をする気はない」と付け加えた。

 その一方で、藤井氏は「なぜ儲かっていないgigabeat事業を展開してるかと言えば、本命は映像を取り込んだテレビも視聴できる製品を投入したい考えがあるためだ」とし、「アップルコンピュータにできない製品で勝負していく」と述べた。なお、gigabeatのOEM展開に関しても行なっていく考えを示した。

 このほか発表会では、東芝などが推進する「HD DVD」規格とソニーなどが推進する「Blu-ray Disc」規格の統一交渉や、SEDを採用した液晶テレビなどに関する質問があった。このうち次世代DVDの規格に関しては藤井氏自身も統一交渉にあたっていたと言い、「残念ながら交渉は一時中断しているが、個人的には統一して欲しいという消費者の思いが1番重要だ」と考えているという。

 また、「次世代DVDに関しては、どういう特徴で何ができるかを伝えるのが重要」とコメント。「私自身は統一を断念する気はなく、消費者のためならあらゆる努力を惜しまない」と自身の姿勢を表明した。


関連情報

URL
  東芝
  http://www.toshiba.co.jp/

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(村松健至)
2005/09/28 18:35
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