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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
J:COM決算、HDD搭載STBはW杯までに全国提供予定。総加入世帯数は213万に

 ジュピターテレコム(J:COM)は30日、2005年12月期(2005年1月~12月)の決算説明会を開催した。会見では2006年における事業展開指針などが示された。


J:COM TV デジタルの加入は65万件超。サービス総加入者数は213万件に

J:COMの森泉社長
 2005年12月期の営業収益は、前年同期比13.5%増の1,831億4,400万円、営業利益は8.3%増の244億7,500万円で、純利益は78.7%増の193億3,300万円。J:COMの森泉知行代表取締役社長は、「“Volume+Value”戦略の推進による増収・総益が図れた」と決算を総括した。

 サービス加入者数は、テレビ放送サービス「J:COM TV」は前年同期比20万3,800件増の179万6,300件。このうちデジタル放送の加入数は65万700件と、J:COM TV全体の36%を占めた。インターネット接続サービス「J:COM NET」は16万200件増の91万1,800件、電話サービス「J:COM PHONE」は19万7,400件増の97万400件。また、J:COM PHONE契約回線数は100万回線を突破した。


 総加入世帯数は26万3,000件増の213万6,000件で、RGU(収益獲得単位)は56万2,000件増の367万9,000件で、1世帯あたりのサービス加入率は1.66から1.72へと増加した。また、集合住宅と一括契約を行なうことで世帯ごとの月額料金を割り引く「J:COM in the Room」についても「営業活動の結果が確実に出てきている」(森泉社長)といい、2005年12月末時点の累計加入世帯数は22万6,000件。割り引き前の月額料金での換算した累計加入者数は13万3,500件となる。

 年間の平均月次解約率はJ:COM TV、J:COM NETともに1.3%、J:COM PHONEが0.7%で、バンドル戦略により解約率の低下傾向が続いているという。バンドル化の状況に関しては、3サービスに加入する世帯が前年同期比2.7ポイント増の21.8%。J:COM関東の東関東局に関しては37.1%と高い水準を示している。また、ARPUは7,497円と、前年同期比で407円上昇した。

 2006年12月期の通期業績予想は、営業収益が20%増の2,200億円、営業利益が29%増の315億円と増加傾向にあるものの、当期純利益は実効税率が40%を見込むため4%減の185億円を予想している。また、2006年からはEBITDAに変わりOCF(Operating Cash Flow)を採用。OCFは、営業収益から番組・その他営業費用と販売費および一般管理費を差し引いた数値。2006年のOCF値における成長率は、2005年末のEBITDA数値700億円から10%台半ばの成長を目指すととしている。

 このほか、サービス面ではJ:COM TVのデジタル割合を50%に引き上げるとともに、ARPUも8,000円前後にまで上昇させたいという。なお、同社では北京オリンピックが開催される2008年までには、すべてのJ:COM TV加入者をデジタル化させたい考えで、「その際、アナログで十分だというユーザーに関しては、簡易型のSTBを開発して現行と同じ料金体系でデジタルサービスを提供していく」という。その上で同社では、アナログで使用していた帯域を利用して、新サービス提供へと繋げていきたいとしている。


2005年12月期の決算総括 総加入世帯数は2001年から倍増に近い数値に

3サービスのバンドル率も上昇傾向に 2006年度の通期業績予想

VODサービスの有料購入は100万件を突破。HDD搭載STBの全国提供はW杯までに

2006年の事業戦略ハイライト
 2006年の事業戦略としては、ネットワークの延伸やM&Aによるホームパス増加によって潜在的顧客基盤の拡大を図るとともに、新規取得地域での早期のJ:COM化を進めていく。また、試験サービスでニーズが大きかったことからSOHOマーケットへも積極的に展開するという。森泉社長は「専任営業チームも組織しており、手応えを感じている」と述べた。

 放送サービスに関しては、ハイビジョンコンテンツでエンターテイメント系番組の投入を予定。既存番組事業者との協力も進めていきたい考えで、「必要であれば出資も視野に入れている」とした。また、アットネットホームおよび関西マルチメディアサービスのケーブルISP2社を連結子会社化しており、コンテンツ開発などの事業シナジーも追求していくという。

 VODサービス「J:COM オン デマンド」に関しては、約3,300タイトルをラインナップし、有料コンテンツの購入数は2005年12月末で累計100万件を突破した。森泉社長は「戦略的に無料コンテンツを強化しており、全国提供開始から2年目となる2006年はプロモーションを積極的に行なう」考えを示した。

 2005年12月に提供を予定していたHDDレコーダ機能を搭載したSTBの投入時期は、「現在最終テストを行なっている」ことから2006年春をめどに関東エリアでの先行提供へと時期が延期されている。ただし、森泉社長は「ワールドカップが開始される2006年上期中には全国で提供を開始したい」と述べた。なお、提供形態は月額840円前後のレンタル制で、端末供給メーカーはHUMAXを予定する。

 「解約率が低く、収益を支えるサービス」だという電話サービス「J:COM PHONE」では、札幌と調布で提供を開始したIPを利用したサービスを新たに取得したケーブルテレビ局に対して順次提供を進めていく。

 また、3月から提供を開始するモバイルサービス「J:COM MOBILE」によって企業価値向上を図り、バンドル率およびARPUの上昇、解約率の低下を実現していきたい考え。なお、J:COM MOBILEの加入数に関しては、サービス開始2年間でJ:COM PHONEユーザーの10%を獲得するとしている。

 このほか、森泉社長は「総合的なカスタマーケア充実を目指すため、1月1日付けでお客様本部を新設した」とコメント。顧客満足度の向上や解約理由の調査・分析、アウトバウンドに加入獲得に注力するとともに、カスタマーセンターについても2カ所増設していくという。


ネットワークの延伸とM&Aの状況 J:COM オン デマンドについて HDD搭載のSTBは春頃に関東で、上期中には全国で提供開始を予定する

サービスの質に力点を置いた事業展開を目指す

 決算説明後の質疑応答では、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)とNTT東日本、NTT西日本が「光パーフェクTV!」の販売活動を行なう「オプティキャスト・マーケティング」など、通信会社の動向に関する質問があった。

 森泉社長は「NTTさんが衛星放送会社と組んでトリプルサービスを提供していくのは必然の流れである」とコメント。その上で「何かあったときにワンストップで対応できるかどうかを今後注目していかなければならない」と語り、「1カ所に電話して全てのサービスに対応できるようであれば驚異であるが、サービスごとに対応が別であればそこまでではない」と述べた。

 また、光パーフェクTV!展開における協業による現時点での影響については「2005年と比較した1月の実績は好調に推移しており、影響に関してはまだわからない」と回答。「値段で勝負していくのも1つの手段だが、成熟化したユーザーは500円や1,000円程度の価格差では乗り換えない」とし、「サービスの質に力点を置き、ロイヤリティのある顧客を増やしていく」考えを示した。


関連情報

URL
  J:COM IR情報ページ
  http://www.jcom.co.jp/ir/index.html

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(村松健至)
2006/01/30 17:55
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