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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ウィルコム、QWERTYキーボードとダイヤルキーを備えた新型W-ZERO3

(写真左から)W-ZERO3[es]を手に持つシャープの松本氏、ウィルコムの八剱社長、マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長
 ウィルコムは、Windows Mobile 5.0を搭載したW-SIM型のPHS端末「W-ZERO3」の新モデル「W-ZERO3[es](WS007SH)」を発表した。ウィルコムストアでの価格は新規購入の場合、年間契約ありで29,800円、なしで33,800円。7月27日に発売、7月14日に予約を受け付ける。

 W-ZERO3[es]は、W-ZERO3と同様のスライド型キーボードに加え、液晶下部に携帯電話型のダイヤルキーを備えたデュアルキーボードを採用した点が特徴。PHSコアモジュール「W-SIM」に対応しており、最大128kbpsのPHSデータ通信や音声通話が利用できるほか、W-SIMを他の端末に装着して利用することも可能だ。

CPUはインテルのPXA270プロセッサ 416MHzを搭載し、メモリは128MBのFlash(本体システム領域含む)と64MBのSDRAM(ワークエリア)。液晶は65,536色表示が可能なVGAサイズのモバイルASV液晶を搭載し、タッチパネル操作も可能。本体の小型化やダイヤルキー搭載に伴い、液晶サイズもW-ZERO3の3.7インチと比べて2.8インチと小型化された。

 有効画素数約131万画素のカメラを搭載し、QRコードやマクロ撮影もサポート。外部メモリはminiSDカードに対応する。機能面では日本語文字入力にATOKが搭載された。

 ブラウザはInternet Explorer Mobileに加えてOpera Mobileを標準搭載するほか、新たにウィルコム用のメールアドレスを管理できるメールソフト「W-ZERO3」メールを搭載。なお、無線LAN機能は標準で搭載しないが、ホスト機能を備えたUSBポートを搭載しており、オプションでBluetoothや無線LAN、ワンセグ、キーボードなどに対応できるという。

 本体サイズは約56×135×21mm(幅×高×厚)、重量は約175g。連続通話時間は約7時間、連続待受時間は電波状態ランプ消灯時で最大500時間、ランプ点灯時で最大300時間。ウィルコムストア価格での機種変更は、端末使用期間が10カ月以上で29,800円、6カ月以上で39,800円、6カ月未満で43,800円。W-SIMなしモデルも同時発売され、こちらはウィルコムストア価格で36,800円。


本体カラーはブラックとホワイトの2色


会場に展示されていたW-ZERO3[es] QWERTYキーボード収納時

ダイヤルキー操作部 QWERTYキーボード操作部

右側面にminiSDスロット 左側面にUSB、ヘッドフォン端子、スタイラス取り出し用のイジェクトボタン

背面にカメラを搭載 下部に電源アダプタを装着

USBホスト機能で拡張性が向上。今後の通信速度高速化も検討

ウィルコムの八剱洋一郎代表取締役社長
 製品発表会ではウィルコムの八剱洋一郎代表取締役社長がW-ZERO3[es]のコンセプトを説明。製品名のesは「extra smart」「edit speedily」「exetnded specifications」という意味が込められており、前モデルのW-ZERO3と比較して幅で14mm、厚さで4.6mmの小型化が図られたほか、デュアルキーボード搭載でよりスピーディーな文章入力が可能になったとした。

 また、USBホスト機能を備えたことで拡張性が高まった点も強調。Bluetoothアダプタ、IEEE 802.11b準拠の外付け無線LANアダプタ、モバイルプリンタ、ワンセグなどの機能が利用可能なほか、、USBケーブル経由でデジタルカメラの画像を取り込む、専用アダプタでVGA出力のプレゼンテーションが利用できるなど、拡張性の高さに自信を示した。

 続けて八剱氏は、ウィルコムの前身であるDDIポケット時代には音声に比べてデータ通信カードが商品展開の中心だったが、音声定額プランやフルブラウザ搭載端末の提供で音声分野も拡充し、さらにW-ZERO3でデータ通信分野も強化してきたという経緯を説明。今回のW-ZERO3[es]は、データ通信と音声の間を埋める新たな領域の商品という位置付けを示した。

 今後の通信速度高速化も検討。現在、ウィルコムは従来比で約1.6倍高速な通信規格「W-OAM」を提供しているが、「W-OAMに対応したW-SIMを装着すればハードはそのままで高速化が図れる」と八剱社長はコメント。「W-OAM自体もまだまだ高速化を予定しており、高速化は常に視野に入れている」とした。


W-ZERO3[es]の開発コンセプト 周辺機器で広がる可能性

W-ZERO3とフルブラウザ搭載端末の間を埋める製品に ビル・ゲイツ氏の応援メッセージ。他社製品にゲイツ氏がコメントするのは珍しいという

キーボードや無線LANアダプタ、ワンセグなど周辺機器も予定

ピクセラのワンセグユニットを装着したW-ZERO3[es]
 会場にはW-ZERO3[es]向け周辺機器も参考出展されていた。ペンタックスはW-ZERO3[es」と接続できるモバイルプリンタ「PocketBook30i」を展示。また、シーエフ・カンパニーは、W-ZERO3[es]の画面をPCに表示できるプレゼンテーション用アダプタ「Pitch Duo」を展示していた。

 ピクセラは、W-ZERO3[es]用のワンセグユニットを参考出展。miniUSBで本体に接続し、専用のアプリケーションを使ってワンセグを視聴できる。デザインなどはまだ開発中だが、展示されていたモデルの本体サイズは87×45.5×8mmで、W-ZERO3の本体背面に装着するスタイル。発売日など詳細は未定だが、2006年内の発売を目指して開発を進めているという。

 このほか、USBポートを利用したキーボード接続やBluetoothアダプタ、miniSDスロットを利用した無線LANアダプタなども参考出展されていた。ただし、W-ZERO3[es]はSDIO機能を備えていないため、miniSDを使った無線LAN機能は本体内部の基盤に直接接続するという改造によって行なわれているという。このため今回の出展はあくまで参考であり、USBホストを利用するかminiSDを利用するかは未定としている。


本体背面にユニットを装着。現在のデザインでは横表示時にアンテナが下になってしまう 縦表示も可能

シーエフ・カンパニーのプレゼンテーション用アダプタ「Pitch Duo」


ペンタックスのモバイルプリンタ「PocketBook30i」 キーボード接続のデモ

miniSDスロットを利用した無線LANデモ。デモ環境は本体を改造しているため、あくまで利用イメージだという USBを利用したBluetoothアダプタのコンセプト

関連情報

URL
  ニュースリリース(ウィルコム)
  http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2006/07/04/
  W-ZERO3[es]製品情報(ウィルコムストア)
  https://store.willcom-inc.com/ec/faces/lstlscp000906/

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(甲斐祐樹)
2006/07/04 13:48
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