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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
Skype岩田氏がSkypeの現状や最新バージョン「3.0」を紹介

 Skype Technology S.A.は14日、日本の拠点となる日本オフィス開設を記念したプレス懇親会を開催。日本オフィスのジェネラル・マネージャーを務める岩田真一氏が、Skypeの現状や同日公開された最新版「3.0」について説明を行なった。


ユーザーの満足度が高く、クチコミで広がるSkype

Skype日本オフィスのジェネラル・マネージャーを務める岩田真一氏
 Skypeのユーザー数は現在のところ1億3,600万人で、このうち約400万人が日本からの登録ユーザー。毎日22万人以上が新規にユーザー登録しており、登録数の増加ペースも伸び続けているほか、同時オンラインユーザーの数も700万を突破。岩田氏は「集中管理型であればユーザーが増えるとサーバー増強が必要だが、P2PのSkypeはユーザーが増えてもインフラが崩壊しない」と自信を示した。

 ユーザーの満足度も高く、Skypeの調査では9割近いユーザーがSkypeに満足しているという。岩田氏は「母数団の少ない調査ではあるが」と断った上で、「Skypeを導入したきっかけは知人からの紹介がほとんど。大規模な宣伝をしていないSkypeだが、クチコミでSkypeが広がっている」と語った。

 こうしたクチコミでSkypeが広まった理由を岩田氏は「1回でうまくいく」「思ったよりいい」の2点にあると分析。「友達に勧められても試すのはせいぜい1回だろう。その1回で難しい設定もなく高品質の音声通話までたどり着けることが重要だ」とし、「その結果、期待していたよりも良いものは人に勧めたくなる」という流れが発生しているとの考えを示した。

 また、「インターネットやPCがなければSkypeは使えない、と言われるが、逆にこれらを使っている人には、PCから離れずに使えるSkypeは非常に便利」と指摘。「ヘッドセットもオフィスだと恥ずかしいと言われるが、ゲームや仕事をしながら話ができるのはメリット」とした。

 IMソフトから派生したSkypeは、通話以外にチャットやプレゼンス機能も備えている。岩田氏は「通話する前に相手の状態を確認したり、通話の了承を得られるところが電話との違い」と説明。「私の親も孫の顔見たさにとうとうSkypeのビデオチャットをマスターした。年末年始の帰省の際にはぜひ両親にSkypeを教えてあげて欲しい」と、顔を見ながら話ができるSkypeのメリットをアピールした。


毎日22万人以上が新規にユーザー登録 ユーザーからも高い満足度

「3.0は私にとって完成型に近い」と岩田氏

Skype 3.0の機能
 12月14日に公開されたSkypeの最新バージョン「3.0」についても説明。岩田氏は「ビデオ機能が搭載された2.0に比べると3.0は地味だが、私にとっては完成型に近い」とコメント。3.0で一新されたインターフェイスのほか、新たに搭載された機能などを紹介していった。

 3.0では、サードパーティ製のプラグインも追加できるエキストラ機能が搭載された。岩田氏は「Skype以外のサードパーティーも、Skypeのネットワークを使ったアプリケーションが開発できるようになった」と説明。SkypeとOutlookの連携機能、コンタクトリストを使ったホワイトボードの共有機能や、ブラウザなど任意のアプリケーションを相手のPCで表示できるプラグインなどを紹介した。

 URLからグループチャットに参加できるオープンチャット機能も3.0から搭載。岩田氏は「Skypeではチャットにタイトルをつけて掲示板的に利用できるグループチャット機能があるが、オープンチャットなら自分のコンタクトリストに登録されていない人も参加できる」との違いを説明。「参加に際して主催者の承認が必要といった設定も行なえる」と補足した。

 2.5で実装されたSkypecastは、3.0ではSkypeのソフトウェアから作成できるようになった。岩田氏は「Skypecastは音声で参加できるオープンチャットのようなもの」と説明し、「主催者が権限を持っているので、全員を黙らせたり、誹謗や中傷の発言をした人を追い出すといったこともできる」とした。

 企業向けにも、Skypeのさまざまな制御が可能なインターフェイスを公開。「最低限の機能だけを持ち、公開したインターフェイスを使って各国の企業が国事の商習慣に合わせてソリューションしていく、というのがSkypeの考え」とした岩田氏は、「Skypeのチャットは暗号化で盗聴の心配はないが、逆に企業ではそれを制御できないという心配もある」と説明。チャットやファイル転送を禁止するレジストリキーを公開することで、企業文化に合わせたSkypeの導入が可能になるとした。これまで個人単位でクレジットカード決済する必要があったSkypeクレジットも、グループ管理者がまとめて購入することが可能になったという。

 北米では一般加入電話へ発信できるSkypeOutの定額制が発表されたが、岩田氏は「日本での定額制導入は難しい」とコメント。一方で「2007年は通信会社との共同プロジェクトがSkypeの課題」とし、日本の通信会社とも積極的に提携していく姿勢を見せた。


サードパーティーのプラグイン開発が可能に すでにさまざまなプラグインが開発されている

3.0で実装されたオープンチャット Skypecastがクライアントから操作可能に

関連情報

URL
  Skype
  http://www.skype.com/intl/ja/.html

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(甲斐祐樹)
2006/12/14 17:46
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