NTT(持ち株)は、5月11日に行なった和田紀夫社長による社長会見の要旨を公開した。和田社長は会見の席上で、2007年3月期決算や今後の展開、新体制の人事について語った。
■ Bフレッツ契約者数見通しは「3,000万という旗をおろす考えはない」
2007年3月期の決算については、NTTデータによるSI事業などが好調であったと増収の要因について説明。また、減益となった要因については、Bフレッツの販売受付体制の充実・強化や、移動体通信事業にて番号ポータビリティ導入直後の劣勢を挽回を目的とした将来の収益基盤の維持・拡大に想定よりも費用を費やしたと説明した。
2007年度末には、Bフレッツ契約者数が1,000万契約に達する見通し。今後はブロードバンドアクセスと次世代ネットワーク(NGN)を組み合わせて、他企業と連携しながら映像系や上位レイヤサービスなどの新たなビジネス展開を行なう意向を明らかにした。
また、Bフレッツ契約者数について2010年までに3,000万契約を目標とする計画について、「右肩上がりでずっと伸びてたのが少し寝てきた」と感想を表しつつも、「映像系サービスが拡大しNGNプラットフォームサービスやIPTVが実現することで、光サービスの需要が今以上に一層喚起するのではないか」と見解を述べ、「3,000万という旗をおろす考えはなく、これに向けて最大限努力していきたい」とコメントした。
このほか、NGNサービスの展開についてはNTT東西が中心となって、NGNを活用したサービス提供についてはNTTコミュニケーションズが主体となって展開することを説明。NGNのフィールドトライアル各事業会社との調整については、「どういうアライアンスを組みどういうサービスを提供するかは各事業会社との協議になる」としながらも、「それをコーディネートする役目を持株会社が担う場合もあると思う」と見解を示した。NGNによる収益については、「グループ内外と検討を深めているところでまだ固まっていない」と説明した。
■ 次期社長の三浦氏は「中期経営戦略を着実に実行することが私にとっての使命」
新体制の人事では、次期社長に三浦惺副社長を指名した件について「今年は2010年を展望した中期経営戦略の結果を出すに当たって大きな節目の年になると考えている」と前置きしたうえで、「2010年でもまだ半分しかマイグレーションが起きておらず、それ以降の展望として事業を再構築必要があり、このタイミングで経営体制を一新し積極的にチャレンジするということがベストだと考えた」と説明した。
指名を受けた三浦副社長は「月並みな言葉であるが、私にとって身に余る大任。情報通信の世界は非常に変化が激しくグローバルな規模で動いている。このような動きに的確に対応し、NGNを含めて中期経営戦略を着実に実行することが私にとっての使命」とコメント。NGNについては、「従来のマス的なサービスの延長線上で品質保証とベストエフォートを使い分けて拡大し、個人ユーザーへは個別に連携をとりながらいろいろな形のサービスの提供ができるのではないか」「法人ユーザーからも具体的な連携の話がいろいろと来ているので、多彩なサービス展開が可能ではないか」とコメント、「秋頃には、基本的な考え方等について話ができるようになるのではないか」と展望を明らかにした。
■ URL
NTT社長会見
http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html
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(大久保有規彦)
2007/05/14 20:08
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