Broadband Watch logo
最新ニュース
【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アッカが経営体制を刷新。NTT Comの資本減少で中立性をアピール

 アッカ・ネットワークスおよびイグナイト・グループは6日、アッカ・ネットワークスの資本構成を変更および経営体制の刷新に合意したと発表した。


イグナイトグループがアッカ株式5%をNTT Comから取得

CEOに就任する木村正治氏(左)と現代表取締役社長の坂田好男氏(右)
 今回の合意により、イグナイト・グループが新生銀行を主要投資家として設立した「イグナイトBB投資事業有限責任組合(イグナイトBB)」は、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が保有するアッカ・ネットワークス株式19.70%のうち、5.0%を取得。また、元日本IBM常務取締役の木村正治氏が、6月6日付でアッカの最高経営責任者(CEO)に就任。現代表取締役社長の坂田好男氏は代表取締役社長を辞任し、今後は取締役としてWiMAX事業に尽力する予定という。

 資本構成の変更について坂田氏は「資本関係にとらわれず、より中立的にビジネスを展開していくため」と説明。イグナイト・グループはアッカ設立時から資本提携している間柄でもあり、今後も積極的にNTT Comからアッカの株式を取得する考えという。

 NTT Comとは株式での関係は従来より薄れるものの、木村氏は「NTT Comを通じて50万以上のADSL回線をセールスしているだけでなく、アッカの中継回線の重要部分でもNTT Comを採用している」と、NTT Comとの関係性をアピール。「NTT Comは株主というよりも最大の顧客という位置付け。今後もパートナーとしてWin-Winの関係を目指す」とした。


法人やソリューションビジネスに注力。WiMAXは全社を挙げて取り組む

今後の戦略
 新たにCEOに就任した木村氏は、日本IBMで法人営業やソリューションビジネスを手がけ、IBMビジネスコンサルティングサービス「IBCS」の初代社長にも就任した人物。アッカではこれらの経験を生かし、法人やソリューション面を強化していく方針だ。現状、アッカは個人分野が7割以上の収益源となっているが、これら個人分野は利益源として高品質サービスとコスト削減に努めつつ、中堅企業を新たな市場としてビジネスを展開する。

 具体的にはアプリケーションパートナーなどと共同で、中堅企業では手がまわらない保守や拡張などを含めたソリューションビジネスを展開し、「ホールセール一辺倒だったアッカだが、これからはFace To Faceのセールスで新しいチャネルを開拓する」。また、監視カメラや駐車場などこれまでリアルタイム通信ができなかった環境に安価な回線を提供するビジネスなど、「法人市場での商機は十分にある」とした。

 新規ビジネスとしてWiMAXにも注力し、6月中にはWiMAXの事業企画会社を設立する予定。木村氏は「WiMAXの免許は7~8月に申請が始まり、秋には免許が割り当てられる」というスケジュールを踏まえた上で、「当社は実証実験なども十分に実施しており、免許取得の可能性はかなり大きいと認識している」とコメント。免許取得の際には中立性を重視し、3Gキャリアも含めた水平方向での協業展開でビジネスを推進していくとし、「MVNOによる参入も考えられるが、まずは自ら免許を取りに行く」との意気込みを示した。

 個人分野では2010年でもADSL約1,000万回線は維持されるという見解を示した上で、木村氏はADSLやFTTH、携帯電話などを含めた通信業界全体を「業者ごとそれぞれの分野で競合しており、協力体制が難しい」と指摘。「アッカは中立がゆえにどの事業者とも協力できる。特にWiMAXのような新しい分野ではグローバル展開を含めてオープンな視点で展開していきたい」とコメントし、新体制によるアッカの中立性を強調した。


水平方向の協業でビジネスを展開 WiMAXは事業企画会社を設立して全力で取り組む

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.acca.ne.jp/release/070606.html

関連記事
アッカ決算、モバイルWiMAX免許方針を歓迎。年内提供開始も視野に


(甲斐祐樹)
2007/06/06 13:49
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.