ウィルコムは7日、Windows Mobile 6を搭載した「Advanced/W-ZERO3[es](WS011SH)」の発表に合わせて説明会を開催した。喜久川政樹 代表取締役社長などから製品開発の経緯が語られたほか、ゲストとして俳優の筧利夫氏が登場した。
■ 「MADE IN 大和郡山」と言える製品。通称は「アドエス」
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説明会出席者。左から、シャープ松本氏、ウィルコム喜久川氏、筧氏、マイクロソフトのヒューストン氏、マーベルの小坂氏
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「日本のスマートフォン市場を創生したという自負がある」と冒頭に語った喜久川氏は、同社調査におけるW-ZER3シリーズの利用状況が「スマートフォンの86%を占める」と説明した。喜久川氏は「ウィルコムでは、『よりケータイとして使えるスマートフォン』『よりPCとして使えるスマートフォン』の2種類があると考えている」と述べ、「今回発表する端末はW-ZERO3[es]に続く、よりケータイとして使えるスマートフォンだ」と続けた。
本体サイズ、スペック、操作感と、W-ZERO3[es]から改良した点を述べるとともに、「スマートフォンに不可欠なもう1つの要素は、安心して使える定額料金」とコメント。「当社ではデータ定額に未加入でも上限料金を21,000円に定めており、昨今言われているPC接続によって高額な利用料金が請求される恐れはない」とした。
その上で、「シャープ、マイクロソフトの両社と協力してお届けする今回の製品は、生産拠点を冠した『MADE IN 大和郡山』と世界にも胸を張って言えるものに仕上がった」と自信を示した。また、喜久川氏からは「アドエス」というAdvanced/W-ZERO3[es]の通称も紹介された。
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Advanced/W-ZERO3[es]を手に持つ喜久川氏
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スマートフォン市場を創生したとアピール
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W-ZERO3[es]から機能強化したポイント
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MADE IN 大和郡山と紹介
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■ シャープ松本氏「スマートな、スマートフォンが誕生」
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シャープの松本氏は、「スマートな、スマートフォン」と紹介
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Advanced/W-ZERO3[es]を開発したシャープの松本雅史 代表取締役副社長は、「閉じた場合にはジャストサイズのケータイとして、キーボード部分を開けばネットワークパソコンとして利用できる『スマートな、スマートフォン』が誕生した」と紹介した。
製品特徴としては、「幅50mm、薄さ17.9mmのスリムボディ」「ジョグ機能内蔵のカーソルキーによる操作性の向上」「ワイドVGA表示に対応した3型液晶の搭載」を挙げる。「スマートフォン市場と携帯電話市場でナンバー1の当社と、高品質で定額のサービスを提供しているウィルコム、モバイルプラットフォームに適したWindows Mobileを開発したマイクロソフトの3社が協力して、国内スマートフォン市場の拡大を進めていきたい」と語った。
マイクロソフトのダレン ヒューストン 代表執行役社長は、Windows Mobile 6の特徴を紹介したのち、「日本ではデジタルライフスタイルは進んでいるが、デジタルワークスタイルは海外と比較して、3~5年程度遅れている」と指摘。「今回発表されたAdvanced/W-ZERO3[es]のようにWindows Mobileを搭載した製品が登場していくことで、デジタルライフスタイルとデジタルワークスタイルの差が埋めることが可能になる」と付け加えた。
国内のスマートフォン市場に関しては「より多くのユーザーに使用してもらえるかが重要」と語り、「Windows Mobile 6の国内出荷台数を2007年度末に累計100万台を目指していきたい」と意気込みを示した。
■ 喜久川氏、「電話機としてのこだわり」など10のポイントを紹介
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日本の携帯電話で最も使いやすいという50mm幅を実現
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再び登壇したウィルコムの喜久川氏は「スマートフォンを楽しむ10のポイント」と題して、Advanced/W-ZERO3[es]の機能を紹介した。このうち、最初のポイントとして紹介した「スリム&コンパクト」に関して喜久川氏は、「初めて手にしたとき、これはケータイだなと感じた」とコメント。「デザインもそうで、胸ポケットにいれることもできる」と述べた。
カメラ機能に関しては、7つの撮影シーンモードを用意しており、「写真に手書き文字の装飾も可能で、ブログへの画像アップロードも快適に行なえる」と説明した。また、「タッチパネルも向上しており、タッチスクロールに対応した地図サービスの利用が快適」とした。地図サービスは、プリインストールの「NAVITIME」に加え、Googleからダウンロード提供されるAdvanced/W-ZERO3[es]に対応した「Google Maps」アプリも利用できる。
ワンセグについては、別売オプションとなるが小型化や感度の向上を実施。開発メーカーはピクセラで、ウィルコムから7月に発売予定。実売価格は1万円前後の見込みで、Windows Vista/XPでも利用できる。
また、定額制サービスやAdvanced/W-ZERO3[es]の性能を活かした新サービスとして、映画の予告編やウィルコムのプロモーション映像を配信する「W+Video」、最新ニュースや天気を自動配信する「W+Info」などを紹介した。
喜久川氏は10番目のポイントとして、「電話機としての利用にもこだわっている」と語る。「スリム&コンパクトサイズの筐体によって、長時間持っていても快適に通話ができる」という点を挙げるとともに、「W-OAMへの対応や赤外線通信など、PCの機能にプラスしてケータイで便利な機能が搭載されている」と述べた。
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カメラの撮影モードは7種類。撮影後の手書き編集なども可能
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動画配信サービス「W+Video」と情報配信サービス「W+Info」は、情報料無料で提供
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地図サービスとしては「NAVITIME」をプリインストール
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Advanced/W-ZERO3[es]対応の「Google Maps」も発売と同時期にグーグルから提供されるという
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別売オプションのワンセグチューナー。背面はクリップ機構を備える
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電子書籍配信サービス「W+Book」も有料で提供予定
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■ 機種変更は割賦販売の導入を検討。予約イベントも実施予定
Advanced/W-ZERO3[es]の発売日は7月中旬。ウィルコムストアにおける新規加入時の価格は、ウィルコム定額プラン+データ定額を同時契約の場合で29,800円。予約開始日は6月29日を予定し、29日から7月1日にかけて、ビックカメラ有楽町とヨドバシカメラAkibaでタッチ&トライ予約イベントも行なわれる。
機種変更時の価格は後日発表されるが、同社では割賦販売の導入を検討しているという。喜久川氏は「もっと安価に手に入らないかという声があったのも事実」としたほか、「機種変更するユーザーはすでに当社のサービスを理解されており、新規加入で途中解約した場合の割賦の残債といった問題は生じにくいのではないか」と説明した。
なお、発売当初はW-OAMを含めた機種変更に限定され、Advanced/W-ZERO3[es]の本体台数およびW-OAMの普及が進んだ段階で、製品単体での機種変更も行なうとしている。
このほか説明会には、ウィルコムのCMにも出演する俳優の筧利夫氏が登場。喜久川氏によれば、筧氏はAIR-EDGEやW-ZERO3[es]を愛用しているとのことで、「スマートフォンにも造形が深いパワーユーザーである」と紹介された。
Advanced/W-ZERO3[es]を手に持って登場した筧氏は、「本当に素晴らしい製品。こんな小さな箱の中に今考えられる技術と夢のすべてが詰まっている」と製品に対する期待を寄せていた。
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新規購入は29,800円から。機種変更は割賦販売も検討する
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筧利夫氏。「松平健にそっくりな喜久川社長」と発言し、会場の笑いを誘った
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■ URL
ニュースリリース
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2007/06/07/index.html
Advanced/W-ZERO3[es]スペシャルサイト
http://x-w.jp/
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(村松健至)
2007/06/07 16:59
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