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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
MSのバルマーCEOが来日。「Windows Liveでソフト+サービスを実現」

 マイクロソフトは8日、「Windows Live」サービスの正式版移行に合わせて発表会を開催した。米Microsoftのスティーブ バルマーCEOが登壇したほか、NTTコミュニケーションズと提携したメッセンジャー上でのIP電話サービス提供も明かされた。


Windows Liveでコミュニケーションや場所を問わないアクセスなどが可能に

MicrosoftのバルマーCEO
 スティーブ バルマーCEOは冒頭、「2011年に向けて日本では、ポケット機器を含めてブロードバンド普及率が100%へ、そして地上デジタル放送へと完全移行しようとしている」とコメント。同氏はこうした点を重要だと考えており、「今後10年間の間に、すべての印刷媒体や新聞、テレビはIPネットワークを通じて配信されるようになる」とした上で、「SNSやブログ、コミュニティサービスの一層の進化によって、インターネットは社交的な場へと変化していくだろう」と見通しを示した。

 バルマー氏は、「Windows Liveは、Windowsと新しいコンピューティングモデルを組み合わせたもので、Windowsがなくなるものではない」と発言。「Windows LiveによってWindowsは強化され、Webやモバイルなどを網羅することで当社が掲げる『ソフトウェア+サービス』の実現が可能になる」と語り、「あらゆるアプリケーションは、孤立したコンピューティングの状況ではなくなる」と述べた。

 Windows Liveの各サービスは広告ビジネスモデルで提供されるため、ユーザーの利用は無料。バルマー氏は「Windows Liveではコミュニケーションや共有、セキュリティ、場所を問わないアクセスが可能になるほか、開発者や広告主側もプラットフォームとして活用が期待できる」とした。

 その上でバルマー氏は、「正式版へと移行したWindows Liveによって、次世代のWindowsおよびWebサービス、モバイルサービスが市場に展開されようとしている」とコメント。「私はソフトウェア+サービスの将来に期待しており、Windows Liveが今後のWindowsにおけるソフトウェア+サービスを指し示すものだ」と位置付けた。


Windows Liveでソフト+サービスの実現を目指す Windows Live上での提供サービス群

NTT ComのVoIP網を利用したIP電話サービスをメッセンジャー上で提供

Windows Liveサービスプラットフォームとパートナー向けプログラムの概要図
 マイクロソフトの執行役常務 オンラインサービス事業部 事業部長である笹本裕氏からは、Windows Liveビジネスにおけるパートナー向けプログラムが説明を担当した。

 笹本氏は、Windows LiveをWindowsが提供するオンライン上の新たなプラットフォームである点を改めて説明。教育機関を含めたパートナーを紹介する中で、NECが発売する春モデルに「Windows Live メッセンジャー 2008」がプリインストールで出荷される点や、USENのGyaOやリクルートと連携した住宅情報分野での活用協力を進めている点を明かした。

 「Windows Live メッセンジャー 2008」では、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)との協業も準備。具体的な開始時期は未定だが、NTT Comが持つVoIP基盤と連携し、メッセンジャー上から固定電話や携帯電話、国際電話などへの通話が可能になるという。また、セットアップはWebサイト上での手続きで完了するとした。

 発表会にはまた、パートナー企業の1社であるNTT東日本の古賀哲夫 代表取締役副社長が登壇した。古賀氏はNTT東西で光ファイバ加入者数が800万程度、全事業者を含めて1,000万超である点は「世界で突出した数値」と述べる中で、「光ファイバ接続サービスの効用が浸透するには、OSを含めたアプリケーションがインターネットを介して利用できるようにならなければならない」と持論を披露。「ディスクに収めたOSを数万円で販売するのは物売りと同じ考え方」と語り、マイクロソフトに対しては「OSをネット上において月額500円程度で楽しめる環境を実現していただき、本当のソフト売りになってもらいたい」と述べた。


マイクロソフトの笹本氏 NTT東日本の古賀氏

メッセンジャー上で電話との通話を可能にする「Windows Live Call」 8日時点で発表されたパートナー企業

バルマーCEO「Googleが先にいるわけではない」。Androidは今後を見守る

 質疑応答の中でバルマーCEOは、「Googleは検索サービスで先にいっているが、Windows Liveのサービスを見た場合はGoogleが必ずしも先にいっているわけではない」と指摘。「より多くのユーザーが我々と協力関係にあり、その数を世界的に見れば当社やYahoo!がGoogleを凌駕しているのではないか」とした。

 Windows Mobileに関しては、150機種以上、100事業者以上で展開されており、「出荷台数は今年度で2,000万程度に達すると思われ、こうした数値はスマートフォン分野は劇的な数値と考えている」と語った。また、Googleが発表した携帯電話向けプラットフォーム「Android」については参入に歓迎する意向を示したものの、「まだ紙の上の言葉でしかなく、今後の動きを見ていきたい」と付け加えた。


関連情報

URL
  Windows Live
  http://go.windowslive.jp/
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3259

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(村松健至)
2007/11/08 14:11
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