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新端末「EMONSTER lite」を手にするイー・モバイルのエリック・ガン代表取締役社長兼COO
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イー・モバイルは10日、音声端末「H11HW」を6月14日に、Windows Mobile搭載の音声端末「EMONSTER lite(S12HT)」を7月下旬に発売すると発表した。発表に合わせて同社は、製品・サービス説明会を開催した。
今回発表されたのは、テレビ電話機能を持ったHuawei Technologies製の音声端末「H11HW」と、Windows Mobile 6 Professional搭載したHTC製のスマートフォン「EMONSTER lite(S12HT)」の2製品。どちらも音声通話機能に加え、下り最大3.6Mbpsのデータ通信サービスに対応している。
また、米国や中国、韓国など世界57カ国・地域に通話できる「イー・モバイル国際電話」サービスを7月1日に開始。米国や中国、韓国、香港、台湾など10カ国・地域には1分36円で通話可能となっている。このほか、満29歳以下のユーザーや2台以上を同時契約するユーザーを対象にしたキャンペーンも実施される。
■ シンプルクラシックケータイと、タッチ操作対応のスマートフォン
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(左から)ファーウェイ・テクノロジーズのアレックス・ジャン氏、イー・モバイルのエリック・ガン氏、HTC Nipponのデビット・コウ氏
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1分36円からの国際電話サービスも開始
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10日に開催した説明会では、イー・モバイルのエリック・ガン 代表取締役社長 兼 COOが新機種および新サービスの説明を行なった。
新機種についてガン社長は、H11HWを「シンプルなクラシックケータイ」と位置付け、20代から30代を主なユーザーターゲットに据えたと紹介。デザイン面に関しては、イタリアのスポーツカー「Bugatti」からアイディアを得たという。また、同端末がサポートするテレビ電話の通話料金は、30秒18.9円(定額パック24加入時)になる。
一方、スマートフォン「EMONSTER lite」は、上位機種となる「EMONSTER」と同様にビジネスユーザーが主なターゲット。EMONSTERと比較して、QWERTYキーボードを省略し、テンキー操作とした点や、無線LAN機能の非搭載があるが、「片手で持って、タッチキー、テンキーが利用できる」とし、「厚さが15.8mmで、国内で最薄のスマートフォン」と付け加えた。
国際電話サービスに関しては、「国内通話料金の水準」と紹介。ガン社長は、「携帯電話からの国際電話は利用料金が高いため、利用割合が低い」と指摘し、「当社の新サービスでは、米国や中国など主要国へ1分36円で通話が可能で、1分54円~99円の他社より割安に料金を設定してある」と自信を示した。
また、国際ローミングサービスは2008年内に開始する考え。なお、今回発表した端末の中でH11HWに関してはGSM機能による通話も可能だが、国際ローミングが開始されていないため、海外利用時には現地事業者と回線契約したSIMカードを別途用意する必要がある。
日本国内における全国カバー率は6月末に85%を達成する見込み。また、2008年内に95%までの拡大を予定するという。ユーザー契約数は、2012年に500万契約の獲得と従来から変わらないが、損益分岐点とする250万契約に関しては「2009年には達成したい」とした。
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H11HWの機能特徴
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EMONSTER liteの機能特徴
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■ 千本会長「携帯電話に大きな2つの流れ」「iPhoneの独断場は終わった」
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千本会長。同氏以外の登壇者が中国や香港、台湾出身者である点を挙げ、「歴史の潮目が変わる発表会」とした
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千本倖生 代表取締役会長 兼 CEOは、「2007年3月のサービス開始から短期間で50万契約を達成できた」とイー・モバイルの現況を説明。また、同社が音声ではなく、ブロードバンドに主眼を置いたモバイルサービスである点を改めて強調した。
千本会長は続けて、携帯電話を取り巻く環境として「iPhoneなどの動きを含めて、大きな2つの流れが出てきた」と指摘。「1つの流れとして、機能を絞った端末を、魅力的な料金プランと組み合わせたサービスがある」と語り、「もう1つはブロードバンドにフォーカスを置いて、グローバルで展開されているスマートフォンを提供するという流れである」と持論を披露した。
新機種の中で「EMONSTER lite」に言及した千本会長は、「ほとんどの操作が画面タッチが行なえ、ユーザーに優しい新しいスマートフォン」と紹介。タッチパネルという面では、同端末を含めて各社から製品が発表されており、「iPhoneの独壇場は終わった」と語った。
千本会長はまた、「iPhoneは9日発表の新端末で、スローなGSMからHSDPAにようやく対応したが、我々はすでにHSDPAサービスを展開している」と指摘。また、現時点でAppleがiPhoneで行なっている通信収入の一部をAppleに分配する「レベニューシェア」についても、「オペレータにとって非常に共存しがたいモデルで、オペレータ側にほとんど利益が生まれない」と疑問を呈した。
なお、レベニューシェアに関してはAT&Tが取りやめるとの発表が行なわれた。千本会長は、レベニューシェアが課されない場合に、iPhoneをイー・モバイルから提供するかに関して「ノーコメント」と述べるに留まった。
このほか千本会長は、「WiMAXやLTEといった次世代通信サービスの議論があるが、現実的に言えば既存の規格をソフトウェアアップグレードして通信速度の向上を図るのが、ユーザーに対しても迷惑をかけないのではないか」とコメント。実際の検証作業は今後になるが、同社のHSDPA対応基地局もソフトウェア更新で「40Mbpsから80Mbpsの通信が可能になると考えている(ガン社長)」とした。
■ URL
イー・モバイル
http://emobile.jp/
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(甲斐祐樹, 村松健至)
2008/06/10 14:50
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