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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
MySpace、アーティスト自ら楽曲販売が可能に

 マイスペースとブレイブは、SNS「MySpace」の公式パートナーとして業務提携し、ブレイブの楽曲配信プラットフォームを「viBirth(ヴィバース)」を公式ストアに採用すると発表した。これにより、MySpaceのプロフィール上で楽曲販売が可能になる。


iTunes StoreやNapsterで楽曲販売できる「viBirth」

viBirth概要

MySpaceでのブログパーツ設置に対応。今後は両サービスのシングルサインイン対応も図る
 MySpaceでは、プロフィール上での楽曲販売などの商行為は規約で制限しているが、今回の業務提携のような公式パートナー、もしくはセキュリティ条件等をクリアし、プロフィール上で商行為を行える「公認パートナー」を通じた楽曲販売は承認している。マイスペースによれば、海外では公認パートナーを通じた楽曲販売の例はあるが、公式パートナーによる販売は今回が初めてだという。

 ブレイブの提供するviBirthは、7月14日にグランドオープンした楽曲配信プラットフォーム。アーティストは自作した楽曲を登録し、各国のiTunes Storeをはじめ、日本国内のNapster、ブレイブが運営するPCおよび携帯電話向け音楽配信サービス上での楽曲販売が行えるようになる。

 また、MySpaceやブログなどに設置が可能なブログパーツも提供。ブログパーツ上では、アーティスト情報や楽曲試聴に加えて、楽曲販売を行う各配信サービスへのリンクも設ける。加えて、アーティストが設定したYouTube動画を視聴できる機能も用意した。ブログパーツ自体は、アーティスト本人に加え、ファンなども設置が可能。なお、ブログなどサイドバーに設置できるタイプも用意する。

 サービス利用料は月額3150円で、オンライン上での楽曲エンコードや登録作業、楽曲購入者に対する課金やカスタマーサポートの代行手続も行われる。また、楽曲売上が発生した場合には、ブレイブの「viBirth STORE」では売上に対して最大70%がロイヤリティとしてアーティストに支払われる。一方、iTunes StoreやNapsterなどの場合では、viBirthが各サービスから受領したロイヤリティから最大80%がアーティスト側に分配されるという。

 このほか、つるの剛士をパーソナリティに起用した音楽バラエティ番組「viBirth TV」の配信を実施。また、登録アーティストを対象にしたコンテストや、著名アーティストから提供を受けた素材をベースに、楽曲を再編集・創作できる施策なども実施していく。

 なお、今回の提携はブレイブを経由した楽曲販売を認めるもので、マイスペース自体がダウンロードサービスに進出するものではないという。このため、登録アーティストは他の配信プラットフォームも選択・利用できるとしている。


MySpace側の役割 つるの剛士を起用した番組も配信

viBirthが提供するブログパーツ viBirthの機能が利用できるマネージャ画面

大蘿社長「MySpaceは音楽分野で不動の地位を築きつつある」

(左から)マイスペースの大蘿社長と、ブレイブの殿村社長
 マイスペースの大蘿(たいら)淳司 代表取締役社長は、業務提携に関する説明会でMySpaceの現状を説明。世界規模で2億人以上の登録者数がある点を紹介したほか、「日本においては、6月の日次平均登録数が1月と比較して約2倍に、ユニークユーザー数も約1.6倍に上昇した」と語った。

 登録アーティスト数に関しては国内で7万5000組を突破し、「毎月4000組程度で増加している」と説明。また、「今夏に開かれる主要音楽フェスティバルの中で、約62%の邦楽アーティストがMySpaceに登録している」と述べたほか、「洋楽アーティストに関しては100%に近く、MySpaceは音楽分野で不動の地位を築きつつある」と自信を示した。

 その上で大蘿社長は、「登録アーティストの80%、約6万組以上がレーベルに所属しない未契約の才能である」と発言。「今回の取組みは、未契約状態のアーティストたちを支援して、ひいては音楽業界を活性化させたいのが目的である」と述べた。なお、今回の主な対象はレーベル未所属のアーティストが対象だが、サービス自体はインディズレーベルやメジャーレーベル所属するアーティストでも利用できる。

 また、プロフィール上で楽曲を紹介・販売できる利点に関して、「ダウンロードサイト単体と比較して、遥かに高い購買率が期待できる」と説明する。その例として、MySpaceをきっかけにメジャーデビューした「たむらぱん」を挙げ、「たむらぱんの場合では、1万人のフレンド登録数に対して、3000枚から4000枚のCD売上があった」と紹介。その上で、「100人しかファンがいなくても、70%が購入してくれるのであれば、そのポテンシャルは大きいのではないか」と語った。

 マイスペースと提携したブレイブは、フェイスのグループ会社で、タイトーやスクウェア・エニックスも出資している。また、代表取締役社長の殿村裕誠氏は、ZUNTATAに所属していた。

 殿村社長は、音楽業界を取巻く現状として「嗜好が細分化する一方、店舗の売上面積やCD売上の減少が続いている」と市場全体が閉塞状態にあるとし、今回のviBirthを通じて現状を打破していきたい考えを示した。

 また、音楽を趣味と位置付け、収入の手段と考えていない「レクリエーション層」が25万に以上あるとエンターテインメント白書のデータ等を紹介。殿村社長は「viBirthではMySpaceの登録アーティストを含め、10万人規模の利用を目指していきたい」とした。


MySpaceに登録する邦楽アーティスト数 今後の展開

関連情報

URL
  MySpace Japan
  http://jp.myspace.com/
  MySpace Japan viBirth紹介ページ
  http://jp.myspace.com/artistservicejp
  viBirth
  http://www.vibirth.com/
  ニュースリリース
  http://www.faith.co.jp/ir/doc/20080716myspace_vibirth.html

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(村松健至)
2008/07/16 15:14


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