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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
インテル、IXP425搭載のNTT東西向けルータ試作品をデモ

インテル株式会社 取締役兼通信技術本部長の高橋恒雄氏
 1月15日、インテルが2002年度第4四半期と2002年通期の決算発表を行なったのはPC Watchで報じた通りだが、同時にちょっと面白い展示があった。2002年のこの記事でもちょっと書いたが、インテルはIXPシリーズのネットワークプロセッサをどうやって売るか、に腐心している。決算発表の席で、同社の高橋恒雄氏は「IXPシリーズは多くのDesign Winを獲得しており、今年は実際に搭載製品が出荷される予定だ」として、IXPシリーズの普及に意欲を見せた。また同氏は、今年NTT東日本及びNTT西日本から、FTTH向けのブロードバンドルータとして、同社のIXP425を搭載した製品がリリースされる予定であることを明らかにするとともに、その試作機の展示を行なった。


NTT東西向けブロードバンドルータの試作品。ただ今回は展示のみ。併設して行われた動作デモは、IXP425の評価用ボード上でルータのソフトウェアを動かすというもので、これは昨年のIDF Fall 2002 Japanのデモと同じ構成だった
 ご存じの通り、NTT東日本もしくはNTT西日本は、どちらも直接ネットワーク機器を製造するわけではない。実際は通信機器メーカーがNTT東日本および西日本に製品をOEM供給するという形になるわけで、したがってこの製品もいずれかのメーカーからの供給ということになる。基盤上のシルク印刷とかチップ表面がうまく隠されているので、構成については推測するしかないのだが、コチラの写真と見比べていただけると、以下のスペックが全く同じであることがわかる。

・Card Busのスロットと、このために必要なTIのCard Bus Controllerを搭載している
・独自のコネクタを使ったPCIバスの拡張を用意してある。
・LAN/WANとは別にDMZポートを用意してある。またLAN側はスイッチを内蔵し、4ポート用意される。

 特に、PCIの拡張コネクタが全く同じであるところから、同一メーカーである可能性が高い。ということで、展示場所に居られたインテルの担当者に「製造はPlanex Communicationsさんですか?」と聞いたところ、特に否定はされなかった。

 確かに前回の構成はゆとりがあるというか、やや実装面積に無駄が多い構成で、このまま製品化するとかなり大きなものになってしまうと思われる。このあたりをもう少し詰めて、より完成製品に近い構成に仕立て上げたということだろう。

 性能的には、Bフレッツの100Mbpsに対応できる、という以上のコメントは公式にはアナウンスされていないが、前回の試作ボードでもほぼ94Mbpsのスループットを得ているから、素の状態ならこれに近い性能は確実なところと思われる。問題はPPPoEセッションでのスループット、あるいはVPN環境におけるスループットということになるが、PPPoEはともかくVPNに関しては暗号化/復号化のアクセラレーションが内蔵されていることから、おそらく50~60Mbpsのスループットは間違いないようだ。登場時期はまだ明らかにされていないが、基盤の完成度はかなり高そうであり、そう遠い時期ではないと思われる。


関連情報

URL
  プレスリリース(インテル決算発表)
  http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2003/030115b.htm


(槻ノ木 隆)
2003/01/16 15:02
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