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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
NTT東西、IP電話サービス対応機器を3月19日より提供開始

発表された機器
 NTT東日本および西日本は、フレッツ・ADSLとBフレッツユーザー向けのIP電話対応端末を発表した。ADSLモデムを内蔵した「ADSLモデム-MNV」「ADSLモデム-MV」、ルータタイプの「Web Caster V100」、ルータに接続して利用する「VoIPアダプタ」を3月19日からレンタルと販売の2形式で順次提供する。月額のレンタル料金はADSLモデム-MNV/MVが730円、Web Caster V100とVoIPアダプタがそれぞれ380円。


モデム型、ルータ型、アダプタ型の3種類を提供

Web Caster V100
 今回発表された端末は、先日明らかにされた内容通り、ADSLモデムやルータ、IP電話機能を一体化した「モデム型」、すでにモデムやメディアコンバータなどを利用するユーザー向けの「ルータ型」、ルータに接続して利用する「アダプタ型」の3種類となる。このうちルータ型のWeb Caster V100、アダプタ型のVoIPアダプタはフレッツ・ADSL、Bフレッツの両方に対応する。

 モデム型については、NTT西日本ではADSLモデム-MNV、ADSLモデム-MVの2機種を提供するが、地域によって利用できないということはなく、ともに日本全国で利用できるという。両機種ともフレッツ・ADSL 1.5M/8M/モアに対応、Universal Plug and Play(UPnP)や複数の固定IPアドレスを割り当てることができるUnnumbered機能、PPPoEマルチセッションをサポートする。なお、ADSLモデム-MNVはVPNパススルー(IPSec、PPTP)やステートフルパケットインスペクション機能も対応する。

 LANインターフェイスは10BASE-T/100BASE-TX×1ポートで、電話回線と電話機に接続するための電話回線用ポートがそれぞれ1ポートずつ用意されている。OSはWindows XP/Me/2000/NT 4.0/98/95、MacOS、UNIXなどに対応。本体サイズと重量は、ADSLモデム-MNVが約31×172×172mm(幅×奥行×高)、約900gで、ADSLモデム-MVが約38×185×214mm(幅×奥行×高)、約600g。


ADSLモデム-MNV(左)とVoIPアダプタ(右)
 Web Caster V100は、ADSLモデムやメディアコンバータなどに接続して利用するIP電話機能搭載型のルータ。UPnP、Unnumbered機能をサポートし、OSはWindows XP/Me/2000/NT/98、MacOS 9.04、Xに対応する。WANインターフェイスは10BASE-T/100BASE-TX×1ポート、LANインターフェイスは10BASE-T/100BASE-TX×4ポートで、本体サイズは約72×192×177mm(幅×奥行×高)、重量は約550g。PPPoE接続でのスループットは30~40Mbpsが見込めるという。

 VoIPアダプタは、UPnP機能を搭載したルータに接続することでIP電話機能を利用できるアダプタ。また、ルータとして利用することもできるが、その場合は数メガ単位のスループットでしか利用できない。本体サイズは約34×163.5×177mm(幅×奥行×高)、重量は約340g。Windows、MacOS、UNIXなど、TCP/IPをサポートするOSに対応する。

 NTT東西では3月19日よりADSLモデム-MNV、Web Caster 100を、3月24日よりVoIPアダプタを販売開始、同時にレンタルの申し込みを受け付ける。なお、NTT西日本のみの提供となるADSLモデム-MVは3月26日から提供開始する。標準価格はADSLモデム-MNV/MVが17,800円、VoIPアダプタが14,800円と東西共通だが、Web Caster V100はNTT東が17,800円、NTT西が16,800円と異なる。

 レンタル料金はADSLモデム-MNV/MVが730円、Web Caster 100とVoIPアダプタがともに380円。このうち、ADSLモデム-MNV/MVのレンタル料金はNTT東日本で実施している「2ヵ月無料キャンペーン」の対象となる。なお、ADSLモデム-MNV/MVのレンタル料金にはスプリッタ利用料が含まれないが、購入の場合はスプリッタが同梱される。


IP電話事業者に依存しない機器を提供

NTT東日本 サービス開発部 フレッツサービス推進室長の祖父江和夫氏(左)と通信機器事業部 第一商品部長の大村佳久氏
 NTT東日本では製品の発表にあたって説明会を実施した。今回提供を開始する製品はプロバイダー各社がフレッツ・ADSL、Bフレッツ向けに提供するIP電話サービス向けに提供するものであり、通話料金やサービス内容などはプロバイダーによって異なる。ただし、NTT東日本ではIP電話サービスが異なっても利用できる仕様を採用しているという。具体例としては携帯電話・PHSへの通話が挙げられ、まずはIP電話で通話、事業者が対応していない場合は特定の信号を返すことで一般加入回線に迂回するという仕組みによって、事業者に依存しないIP電話機器を提供するとした。

 VoIPアダプタに関しては、UPnPをサポートしたルータであれば問題なく利用できるという。ただし、機器によっては細かい仕様が異なる関係で利用できない場合も想定されるため、NTT東西ではUPnP対応ルータの動作確認を実施、結果を公開していく予定だという。

 また、NTT東西自身によるIP電話の提供については「できるものならやってみたい」という心中を明らかにした上で、「現状では、一般の電話回線にフレッツ網を接続することまでは認可されていない」と説明した。また、一般回線へ接続せず、フレッツ網のみで利用するIP電話サービスの形態についても「固定網に抜けない電話サービスが果たして必要であるのか」と疑問を投げかけ、このようなサービスの検討が進んでいないことを明らかにした。


関連情報

URL
  NTT東日本ニュースリリース(レンタル提供開始)
  http://www.ntt-east.co.jp/release/0303/030311c.html
  NTT東日本ニュースリリース(販売開始)
  http://www.ntt-east.co.jp/release/0303/030311b.html

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(甲斐祐樹)
2003/03/11 18:45
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