Broadband Watch logo
最新ニュース
【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
KDDI、愛・MATE端末を利用したマルチホップIPフォンなどの共同実験

愛・MATE端末(写真は愛・MATEブルー)
 KDDIは、愛知県で開催中の「2005年日本国際博覧会(愛・地球博)」で利用されているハイブリッド情報端末「愛・MATE」を用いた実証実験を、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)などと共同で7月8日より順次実施すると発表した。

 愛・MATEは、OSに「Windows Mobile 2003 Second Edition Software for Pocket PC」を採用した端末。「愛・MATEオレンジ」と「愛・MATEブルー」の2種類がある。愛・MATEオレンジはCDMA 1X WINやIEEE 802.11bに準拠した無線LAN機能、Bluetooth機能といった通信機能を、愛・MATEブルーはμ-chipリーダーを搭載している。

 今回の実証実験では、KCCS、慶應義塾大学SFC研究所、名古屋工業大学、スカイリー・ネットワークス、スゥープの各団体が参加し、「マルチホップIPフォン実験」「peer to peer型コミュニケーションモデルに関する実証実験」「トレジャーハンティング」といった実験を行なう。なお、実験企画取りまとめはKCCSが、実施運営はスゥープが担当するという。

 KCCSが実施する「マルチホップIPフォン実験」は、CDMA 1X WINと無線LANの異なるネットワークを行き来してもVoIPアプリケーションが正常に管理され、音声品質が確保できるか検証する。愛・MATE端末の位置や異なるネットワーク間の通信状況は「KCCS D@TA Center」にあるサーバー側で管理が可能で、サーバー管理層、エリア形成層、エンドノート層の3層から構成されるプラットフォームを用いて実験が実施される。

 慶應義塾大学の稲蔭正彦研究室、村井純研究室では「peer to peer型コミュニケーションモデルに関する実証実験」を行なう。同実験では、周囲にある端末が無線によるアドホック通信を通じて、周辺情報を交換しあう情報システムを構築。同システム上で愛・MATEの無線LAN機能を利用した「野菜交換ゲーム」「モリゾー、キッコロを探せ!」といった4つの実験を実施するという。

 「トレジャーハンティング」は、名古屋工業大学の岩田彰・松尾啓志研究室が実施するもの。お互いの位置が確認できるチームメンバーと暗号化通信により情報交換をしながら、実験会場内に隠された宝箱を探し出すゲーム様式をとっている。実験では、同研究所が保有するアドホックネットワーク技術や情報セキュリティ技術を利用したゲームアプリケーションを開発し、約130台の愛・MATE端末を用いたpeer to peer通信の実証実験を行なうという。

 実験内容は、GPS機能が利用できない環境で無線LAN暗号強度から位置の測定が可能か検証するとともに、暗号化ライブラリ「AiCrypto」を利用したPKIによる暗号通信技術の検証を予定。また、実験に際しては、スカイリー・ネットワークスが技術ノウハウを提供するという。

 なお、今回実施される各実験の詳細などについては、愛・MATE端末のIT実証実験を紹介するWebサイト「愛・MATE Lab.」にも掲載している。


マルチホップIPフォン実験の概要 トレジャーハンティングの概要図

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2005/0610/index.html
  愛・MATE Lab.
  http://it.ai-mate.jp/

関連記事
日本館のアトラクションや来場者支援用途で利用される「愛・MATE」端末
KDDI、「愛・地球博」向け無線LAN機能など搭載のハイブリッド情報端末


(村松健至)
2005/06/10 16:15
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.