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無料で使える新感覚の英語学習サービス「iKnow!」を体験

 セレゴ・ジャパンが運営する「iKnow!」ベータ版は、無料で英語を学習できるというサービスだ。基礎英語やTOEIC、受験英語に対応したコンテンツを、タイピングや択一問題などゲーム感覚で進められるほか、SNS機能も用意されている。





専用アプリ不要でWebブラウザから学習可能。Windows/Mac OSに対応

「iKnow!」トップページ
 iKnow!は、2007年10月1日にベータ版提供を開始したSNS機能を持った英語学習サービスだ。基礎英語やTOEIC、ビジネス英語などの学習コンテンツが無料で利用できる点が話題を呼び、12月上旬の段階で2万5,000人を超えるユーザーを獲得している。

 学習コンテンツは、専用アプリケーションをインストールすることなく、Webブラウザ上で行なえる。Flash Playerで動作するため、WindowsとMac OSの双方で利用が可能な点は、友人に教える際にもOSを考える必要がないので嬉しいところだ。

 英語学習というと、高校や大学受験などで自作の単語帳を使って、通学や休み時間の間に単語や熟語を覚えよた人は多いのではないだろうか。しかし、単語帳を何度見直しても覚えられない単語や熟語がでてきてしまって、学習が立ち止まってしまった人もいるかもしれない。

 こうした課題に対して、iKnow!では繰り返し学習する「反復学習」に着目。これによって、覚えられない単語や苦手な熟語をユーザー単位で判断し、学習中にこうした単語などを自動で繰り返し出題してくれる。自分が覚えたつもりでも、ふとしたときに出題がある場合もあり、記憶として定着させるのに一役買ってくれるわけだ。

 複数の学習コンテンツと、それに連動した学習エンジン、Webブラウザ上で学習できる点と高機能を持った本サービスだが、これら機能はすべて無料で利用できる。また、登録自体も、希望するユーザーIDとメールアドレス、パスワードの設定、それに択一式のアンケート1問に回答するだけと簡単だ。


トップページはログイン後も大きな変化はない ユーザー登録画面。希望IDとメールアドレス、パスワード程度で登録が完了する




基礎英語からTOEIC、ビジネス英語まで7種類のチャンネルを無料提供

マイページ画面。学習しているコースや進捗度などが確認できる
 ログイン後に、トップページにアクセスしてもログイン前状態と大きな変化はなく、プロモーション的な映像が引き続き表示されている。「ログインしているのかな?」と少し不安に思ってしまうが、以降はユーザーごとに用意されている「マイページ」が基本ページになると考えたら良いだろう。

 iKnow!では、学習テーマごとに7種類のチャンネルがある。詳しくは以下の表を参照して欲しいが、各チャンネルにはレベルに応じたシリーズとコースが複数用意されている。チャンネル、シリーズ、コースと階層が深くなっているが、1度登録してしまえばマイページ上に学習中のコースを表示してくれる。

 学習に使用するアプリケーションは同一で、PC上では「iKnow!学習アプリ(iKnow!を使う)」と「ディクテーション(Dictationを使う)」の2種類がある。マイページにも各アプリケーションを起動できるボタンが用意されているので、そちらを利用すると良い。ちなみに学習の順序としては、学習アプリで英単語やフレーズの学習をした上で、ディクテーションを行なうのが効率が良いようだ。


チャンネル名 概要
Coreチャンネル: ゼロから基礎英語 英語学習で必要な基礎アイテムを学習
TOEICチャンネル TOEICテストに頻出する語句を学習
投野コーパスチャンネル 東京外国語大学の投野由紀夫 准教授が監修するチャンネル
トラベルチャンネル 海外旅行で役立つ表現をシチュエーションを学習
ビジネス英語チャンネル ビジネス時に使用する基本語彙や役立つフレーズを学習
MBA/留学対策チャンネル 英語圏への留学に必須な単語を集約
大学受験英語チャンネル センター試験、大学受験などで頻出する単語などを学習


「投野コーパスチャンネル」。NHKの英語講座「100語でスタート!英会話」などで知られる投野氏が監修している

学習アプリの起動画面
 ここでは、投野氏がチャネルオーナーを務める「投野コーパスチャンネル」の中から、頻出ワード上位100個を学べる「トップ100動詞シリーズ」を実際に利用しながら話を進めていく。まず、2種類用意されているコースから「動詞コロケーション1」の学習アプリをクリックすると、ポップアップでアプリケーションが起動する。

 「Start」ボタンを押すと、今回学習するアイテムが表示。もし、知っていて再度学習する必要がないアイテムがあれば、チェックボタンを選択することでスキップが可能だ。このあたりは、自分の状況に応じて適時判断すれば良いだろう。

 学習アプリでは最初に、アイテム単位で単語やフレーズ、例文、スペル練習が可能な画面が表示される。例文では、ボタンをクリックしない限りは訳が表示されないので、自分で訳を考えた上で確認するのも良いかもしれない。

 いくつかアイテムを進めていくと、学習済みのアイテムに関する問題が出題されるようになる。まずは5個の択一、次いで10個の択一というように難度が上がっていき、最後は単語やフレーズ自体をタイピングする。最初のうちは悩むことなく解答できるのだが、択一が10個になり、「該当なし」という選択肢が加わると少し悩んでしまう。また、タイピングでは過去形などの表現を踏まえた上で入力する必要があるので自然と力が入ってしまう。

 タイピングミスがあった場合には、誤ったアルファベットが赤字で表示される。「gotten」と書くべき所を「gotton」とタイピングしてしまった時には、あまりの凡ミスに思わず声を出してしまった。ちなみに不正解だった場合には、該当アイテムが続いて再学習として表示されるので、悔しがらずに素直に学び直そう。

 学習終了後は、各アイテムごとの記憶定着率を確認できる。1回の学習で100%になることはなく、コースを繰り返し進めていくことで初めて100%に到達して、アイテムの学習が完了する。


レッスン開始時に今回学習するアイテムを確認できる まずは単語やフレーズを例文などを交えて学んでいく 途中から択一式の○×クイズやタイピング問題が出題される

 「ディクテーション」でも基本的な流れは同様。ただし、こちらはスタートボタンを押すと直後に問題が出題される。最初は絵とリスニングを交えたタイピングによる部分解答、後半はリスニングした英文を全文タイピングにする形になる。

 音声は「“Ctrl”+“>”」で再度再生できるほか、どうしても聴き取れない単語がある場合には「“Ctrl”+“<”」でヒントとして表示が可能になる。ただし、ヒントやタイプミスを含めて合計3回までしか利用できず、4回目になると不正解となってしまうため、慎重に解いていきたい。

 学習終了後は、アイテムごとの間違い数などを確認できる。また、画面右には学習結果にもとづいたスキルレベルが100段階で表示される。今回学習した範囲で言えば、スキルレベルは47で中級に位置している。筆者の場合、聴き取れない単語が幾つかあったほか、タイプミスも反省点と言えるだろう。


ディクテーションでは最初から穴埋め問題が出題される 後半は全文入力問題が加わる。タイプミスやヒントの回数には上限も レッスン語の画面。間違った回数とともに、スコアレベルも確認できる




Podcastingで学習アイテムを再復習。携帯電話からコースの続きをプレイ

Podcastingは、学習アプリページから設定をオンにすることで利用可能になる
 iKnow!ではPCだけではなく、Podcastingと携帯電話でも学習できるのが特徴だ。Podcastingでは、ユーザーが学習した内容に沿った音声コンテンツを随時配信してくれる。例えば、iTunesで購読してiPodに転送すれば、移動中にも学習したフレーズや英文を何度も聞き直せるわけだ。さらに日本語訳を含めたテキストも格納されているため、音声と同時に本文を見直すこともできる。

 携帯電話版では、PC版の学習アプリと同等の内容で学習を進められるというもの。キー操作のみで進められるため容易と言えば容易だが、タイピングなどはできないので少し物足りない印象だ。また、現時点で音声配信には対応しておらず、しっかりと学習したい場合にはPCで行なった方が良いと感じた。

 なお、PC版のマイページ上では学習アプリとディクテーションの学習状況を確認できる。また、それぞれの学習状況をブログなどで表示可能なブログパーツも用意されているので、学習意欲の維持を図るためにも設置して見るとも良いだろう。


レッスンを終了するごとに新たなコンテンツが配信される iPod nanoに転送したところ 音声に加え、訳付きのテキストも確認できる

携帯電話版のトップページ。NTTドコモ/au/ソフトバンク端末で利用できる 学習アプリの起動画面 キー操作によって学習を進めていく




SNS機能を使って、英文日記にチャレンジも

 iKnow!では学習アプリケーション以外にも、SNS機能も提供されている。マイページ上では、日記やメッセージ、登録したフレンドリストの確認が可能で、お互いの学習状況を確かめることができる。また、各チャンネルにはコース単位でディスカッションボードも用意されており、ここで他ユーザーとコミュニケーションしてみるのも良い。

 日記やディスカッションなどを閲覧していると、日本語以外にも英語で書き込みを行なっているユーザーが非常に多い。短文、長文とさまざまだが、同社によればスペルミスなどがあった場合に他ユーザーがそれを教えてくれるケースもあるという。筆者は英文を読むことはあっても、書くという行為は日常ではほとんどない。ただ、最初からちゃんとした文章を書くことは誰もができないわけで、こうした公開の場で書き続けることで刺激が得られるようならば少し実践しようと思っている。


ユーザーページ。英語で書かれている日記が非常に多いのが印象的だ 自分の日記ページにTwitterの更新状況を表示できる

 なお、セレゴ・ジャパンでは学習以外にも他ユーザーとのコミュニケーションを重要視しており、両方を通じて学習意欲の維持や向上に期待しているようだ。

 ちなみに日記作成時には、Youtubeの投稿動画を設置することもできるほか、Twitterの更新状況を表示する機能も用意している。こうしたサービスを組み合わせることで、他ユーザーに自分の顔がより見える可能性もあり、コミュニケーションの一助になるかもしれない。





PC、Podcasting、携帯電話とシームレスに学習できるのが魅力

このほか、収録単語などを検索できる「アイテムバンク」も用意されている
 筆者は、この1年に限って言えば、ニンテンドーDSの「えいご漬け」シリーズや英文法の参考書、それにPodcastingコンテンツなどを通じて英語学習を行なっている。今回取り上げたiKnow!を含めて、どれが良いかというのは一概に答えられるものではないが、少なくとも毎日学習を進めていくことが、成果に繋がるという点は強く実感している。

 そういう意味でiKnow!を考えると、上記のような学習素材と比較して何より無料でできる点が何より魅力だ。それに加えて、PCやPodcasting、携帯電話を使って、自分に合わせた反復学習を自動で設定してくれる点、SNS機能によって他ユーザーとのコミュニケーションができるの継続学習の面でも役に立ってくれる。また、Podcasting自体は数分程度なので、ホームで列車を待つ間、それに作業中の息抜きに聞き直してみるのも良いだろう。

 携帯電話版については音声配信がないのは残念だが、PCを立ち上げなかった場合、それに夜に寝付けない場合などでも寝転がりながら学習が進められるのは良いとも言える。なお、同社によればパケット定額制の普及状況を見ながら、音声対応も図っていきたい考えだという。

 利用料金に関しては、現在提供されているコンテンツは継続して無料で利用できるという。有料コンテンツについては、付加価値的な機能を一部有料提供するとしているので、「進めていたコースが、ある日突然有料になってしまった」ということはなさそうだ。

 12月11日に開催された発表会の席上では、WiiやPSPでもiKnow!を利用できる準備を進めているとの言及もあった。具体的な内容は不明だが、PCや携帯電話、Podcasting以外にも学習機会が増えるのは悪い話ではない。何より無料で利用できる点は敷居が低いとも言え、すでに英語を学習している人も、そうでない人も学習手段の1つとして試してみるのも良いのではないだろうか。


関連情報

URL
  iKnow!
  http://www.iknow.co.jp/

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(村松健至)
2007/12/19 14:05
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