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1ch.tv、サーバー攻撃ツール配布を当局に通報

バリュー・エクスチェンジ社長
清水康司氏
 バリュー・エクスチェンジは都内で記者会見を行ない、同社が運営する情報サイト「1ch.tv」のサーバーを攻撃する専用ツールが配布されていたとして、17日に被害届を警視庁高井戸警察署に提出し、受理されたと発表した。捜査の状況などについては特に発表されていないが、バリュー・エクスチェンジでは業務妨害での立件を想定している。

 配布されていたのは、「1ch.tv」のサーバーに対して、自動的にDoS(Denial of Service)攻撃を行なうツール。DoS攻撃とはサーバーに大量のデータを送りつけ、サーバー側の負荷を増大させるというもの。サーバーの負荷を増大させることで、サーバーを停止させたり、セキュリティ能力を低下させ、サーバーによるサービスを妨害することを目的とする。米国では政府関連サイトなどがDoS攻撃されるなど、被害が出ている。

 配布されていたツールは、起動するとパソコンの電源を切るまで、1ch.tvのサーバーに向けてデータを送信する。他のサーバーに対して攻撃は行なわないが、DoS攻撃の特性上、攻撃者から攻撃対象までの回線に大量のデータが流れ、通信速度低下といった影響も出る。配布は一般の掲示板などに、ツールをダウンロードできるURLとともに「1ch.tvのクラックにご協力お願いします」という書き込みをすることで行なわれた。

 バリュー・エクスチェンジ社長の清水康司氏によると「ISDNで繋いでいる人が束になってもたいした被害は出ないが、ADSLなどの高速回線から同時に数十人がDoS攻撃をしてくると、1ch.tvのサーバーを停止せざるを得なくなる」としている。

 同社では10月8日に同ツールが配布されているのを確認し、ツールの調査と対処を内部的に行なった。また、攻撃が集中したときにすぐに対処できない深夜・早朝の1ch.tvのサービスを一部停止していたが、17日に被害届が警察に受理されたことを受けて、18日より通常サービスを再開している。

 現在まで同ツールによるものと思われるDoS攻撃は、累計で数十件あったと見られているが、同時に大量の攻撃がなかったため、サーバーが停止するような事態は発生していない。

 清水氏は今回の件について「ツールを配布している人物が、ツール配布行為を違法と認識していないことと、異なるサーバーへの攻撃ツールに発展する可能性が問題」としている。

編集人 西和彦氏

 また記者会見に出席した1ch.tv編集人の西和彦氏は「DoS攻撃は多人数で行なうとネット全体の回線に負荷がかかる。再発防止のために関係当局に被害届を提出した」とし、さらに「ツール配布を行なった人物のホームページには、テロ行為を匂わせる発言があるなど、イタズラとしては悪質」と述べた。

 1ch.tvは西和彦氏がプロデュースし、バリュー・エクスチェンジが運営する情報共有サイト。掲示板的な形態をとっているが、書き込みの閲覧を有料とし、閲覧されるたびに書き込みした人に対価が支払われるようになっている。有益な有料情報に絞り込むため、無料・匿名の掲示板に付き物の迷惑行為や迷惑発言は、編集者が排除するという方針をとっている。なお、現在は試験サービスとして公開されており、無料で利用できるが、来年から有料の本サービスを開始する予定。


□1ch.tv
http://1ch.tv/
□関連記事「アスキー特別顧問の西和彦氏ほか2社が「1ch.tv」の開設を発表」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/10/04/1ch.htm

白根 雅彦
2001/10/22 18:12

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