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実証実験の構成 |
松下電器は、2002年1月から、関西ケーブルネット傘下のCATV局で開始するインターネット電話実証実験の説明を行なった。NOTASIP方式、ピアトゥピアで低価格を目指すことが特徴。
実験は、2002年1月から3月までの期間で行なわれる。実験の参加者は、関西ケーブルネットの傘下の高槻ケーブルネットワーク、池田マルチメディア、豊中コミュニティケーブルテレビ、吹田ケーブルテレビジョン、守口・門真ケーブルテレビ、東大阪ケーブルテレビのユーザーの中から募集する。また、同時に同社が運営するプロバイダ、Panasonic hi-hoでも実験が行なわれるが、社内で実験を行なうため一般ユーザーからの募集はしない。
今回実験するIP電話の方式はNOTASIP(Nothing Other Than A Simple Internet Phone)方式。H.323やMGCPに比べてセンターサーバーを使わず、ピアトゥピア方式を採用するシンプルな構造のVoIP。ワールドアクセルなどがアダプタを製品化している。
実験システムの構成は、VoIPアダプタからCATVのインターネット網を通って相手のVoIPアダプタまでつながる仕組み。CATV局相互の通話の場合は、CATV局相互に張り巡らされたギガビットIP網を通るため、実質的に自社網となり、通信品質は高いものになるという。途中にゲートサーバーなどはなく、端末間相互の通信以外は、必要に応じて各人のIPアドレスと相手のID(電話番号)の対応のリストを管理するサーバーに問い合わせるだけとなっている。また、今回の実験では、一部を除いてIPv4を使った実験になるとのことだ。
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左から関西ケーブルネットの山神英昭氏、松下電器の吉田純氏、若林則章氏 |
通話料などの費用については未定とするものの「(公衆回線以外は)有料にはできない、無料になるだろう」(eネット事業本部の若林則章氏)、「NOTASIP方式を採用したのはとにかく安くしたいから」(eネット事業本部の吉田純氏)など、商用サービスとなっても将来的に無料になるという考えを示した。また、松下電器としては、IP電話を提供することは、それで利益を得ることではなくCATV局の付加価値を高めることだという。
この実験は2002年3月までとなるが、この実験を通して松下電器では、ピアトゥピア方式の是非も含めて何らかの答えを出す予定という。
なお、関西ケーブルネット傘下のCATV局が、実験の応募要項を掲示するのは2002年1月下旬の予定。
□ニュースリリース
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn011214-1/jn011214-1.html
□関連記事「松下、インターネット電話の実証実験を2002年1月から開始」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/12/14/pana.htm
□松下電器
http://www.mei.co.jp/
(正田拓也)
2001/12/25 11:00
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