第1回では、Windows Media Centerの概要とテレビ機能について紹介した。今回はWindows Media Centerの機能の中でも大きな注目を集めている「メディアオンライン」について紹介する。
■オンラインコンテンツのポータル
Windows Media Centerは、その名の通りさまざまなメディアを扱うための統合的な機能だ。第1回ではその概要を紹介したが、画像、動画、音楽、テレビ、そしてオンラインのコンテンツと、非常に多彩なメディアを手軽に扱うことができるようになっている。
このようなメディアの中でも、今後、大きな注目を集めそうなのが「メディアオンライン」で提供されるオンラインのコンテンツだ。映像や音楽などのコンテンツをインターネット経由で配信するサービスはすでに一般化しつつあるが、Windows Media Centerのメディアオンラインでは、このようなオンラインコンテンツをより手軽に楽しめるのが特徴だ。
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オンラインサービスを手軽に利用できるメディアオンライン。リモコンを使った家電感覚の操作で、天気情報や映像、音楽などのオンラインサービスを楽しめる
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たとえば、これまでのインターネット上のサービスの場合、天気を知りたいなら天気情報サイトへ、映画やアニメを見たいなら映像配信サービスへ、音楽を聞きたいなら音楽配信サービスへと、ブラウザを使って個別のサイトにアクセスする必要があった。
これに対して、メディアオンラインはさまざまなサービスがあらかじめ登録されており、見たいジャンルのサービスを選べば、手軽に映像や音楽を再生できる。言わばオンラインコンテンツのポータルと言ったところだ。
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メディアオンラインはトップメニューの「メディアオンライン」からアクセス可能。起動すると、おすすめのサービスがアイコン形式の一覧で表示される。映画、アニメ、ニュース、ショッピング、ゲームなど、さまざまなサービスを利用可能だ
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■映画やニュース、音楽、ゲームなどをラインナップ
では、メディアオンラインで実際にどのようなコンテンツを楽しむことができるのだろうか?
現状、メディアオンラインで提供されるコンテンツはで合計14(2007年1月時点)。2005年10月に「Windows XP Media Center Edition 2005」でメディアオンラインのサービスが開始された当初は6コンテンツだったので、現在では倍以上に増えたことになる。ジャンルは天気、映画、音楽、ニュース、ゲームなど、さまざまなコンテンツが用意されている。ここでは各コンテンツの概要を紹介しておこう。
■ ウェザーニュース |
■ Backpocket |
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全国の天気を手軽に参照できるサービス。天気予報を動画で見ることができ、雲の動きや衛星写真などで1時間ごとの天気の様子も確認できる。天気が気になるときに使うと便利なサービスだ |
「レアで、コアで、マニアック」というコンセプトの動画配信サービス。「探偵事務所5」など、ほかでは見られないオリジナルコンテンツやShockwaveの短編ムービーなど個性的な動画が提供されている。基本的に有料だが、一部コンテンツは無料で視聴できる |
■ バンダイチャンネル |
■ BIGLOBEストリーム |
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ロボット、アクション、ファンタジーなど、多数のアニメーションを配信しているサービス。限定のスペシャル映像や各ジャンルのアニメーションの第1話を無料で視聴できる。2話目以降はWebサイトからの視聴となる
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ニュース、グラビア、旅行、映画、ドラマなど、幅広いジャンルの映像を無料で配信するサービス。TBS提供のニュース映像が充実しており、テキストのヘッドラインから、そのニュース映像を再生できる。知りたいニュースをすぐに見たいときに便利
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■ CinemaNow |
■ GyaO |
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ダウンロード型の映画配信サービス。ハリウッド作品や日本映画など、さまざまな映画を視聴できる。利用には会員登録が必要で、48時間ダウンロードレンタルで210円/1タイトルから利用可能。定額プランやダウンロード購入も用意される
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インターネット上でもおなじみUSENの無料動画番組放送。ニュースや映画、ドラマ、アニメなどを完全無料で配信するほか、同社が制作したオリジナル番組も楽しめる。インターネット上のサービスと異なり、利用登録が不要で手軽 |
■ ダイワインターネットTV |
■ Impress TV |
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大和証券グループが提供する証券投資に関する情報提供サービス。前引、大引のマーケット情報が毎日更新されるほか、投資分析に関する情報なども提供されている
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Air Impressが提供するオリジナリティ豊かな動画コンテンツ配信サービス。PC/IT系のオリジナル番組、鉄道、ロボット、クルマなど、人気の高いコンテンツを配信。以前に放送された番組のバックナンバーも手軽に視聴できる |
■ Yahoo!動画 |
■ e-onkyo music store |
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音楽、映画、音楽、スポーツ、趣味教養、ビジネスなど、さまざまなジャンルの動画を無料で楽しめるサービス。ジャンル内の動画を順番に自動再生できるため、ミュージッククリップなどを流しっぱなしにするなどの使い方ができる
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品質にとことんこだわった音楽配信サービス。24bit/96kHzというCDをはるかに上回る高い品質の音楽をダウンロード購入できる。形式はWMA、CDへの書き込みや携帯端末への転送も可能。ジャンルはクラシックとジャズが中心 |
■ ショップチャンネル |
■ 住商オットーオンライン |
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CS放送やケーブルテレビでおなじみのショッピング専門チャンネル。24時間、365日、生放送で厳選された商品の紹介と販売がされている。ボタンを押すだけで、番組で放送されている商品の詳細をWebサイトで参照することもできる
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世界中からセレクトされたファッションを扱ったショッピングサービス。ファッションショーの動画なども楽しむことができる。また、カタログが手元にある場合は、カタログの番号から商品を購入することも可能 |
■ ヤマダ電機 Web.com |
■ Gクラスタ |
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ヤマダ電器が提供するショッピングサービス。テレビやオーディオなど、同社の人気商品TOP3を参照できる。もちろん、その場で商品を購入することができ、同社のポイントサービスも利用できる
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スポーツやテーブルゲーム、アクションなどのゲームをプレイできるサービス。専用プレーヤーを利用することで、インターネットから配信されたゲームを楽しめる。リモコンでの操作ができるのが特徴 |
■チャンネル感覚でオンラインコンテンツを再生
このようにメディアオンラインには豊富なサービスが用意されているが、実際にコンテンツを見るための方法も非常に簡単だ。
サービスによって画面構成や操作方法に若干の違いはあるが、リモコンを使って画面上のアイコンから見たいサービスを選択。ジャンルを選択して見たいコンテンツをクリックすれば映像や音楽を再生できる。もちろんマウスでの操作も可能で、この場合は見たいコンテンツをクリックすれば再生が開始される。
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操作の仕方はサービスによって異なるが、基本的にはジャンルから映像を選択すると、右側のウィンドウに映像が再生される。映像再生中のウィンドウを選択すると、全画面で表示されるという仕組み
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映像はストリーミングで配信されるが、再生までの待ち時間はほとんどなく、全画面表示も可能なため、テレビと同じような感覚でコンテンツを楽しめる。ショップチャンネルなどを見ているときは、全画面表示していると、チューナーからの映像なのか、ストリーミングなのかわからなくなることがあるほどだ。
前述したように、オンラインでの映像や音楽配信はすでに存在するサービスをWindows Media Center向けに提供しているであり、決して珍しいものではない。このため、メディアオンラインはコンテンツにたどり着くための方法や見る方法を変えただけに過ぎないとも言える。
しかしながら、このポータル的な見せ方、そしてわかりやすいUIやリモコンでの操作性は、なかなか新しい感覚で、どちらかというとテレビのチャンネルに近いイメージでコンテンツを楽しめるようになっている。
今回紹介したメディアオンライン機能は、Windows Media Centerの機能の中でも、もっとも使い手のある機能なので、ぜひ一度体験してみると良いだろう。極端な話、Windows Media Centerのほかの機能は使わなかったとしても、メディアオンラインだけは一度は体験しておいて損はない。何か面白いことは無いか? と思ったときにアクセスしてみて欲しい。
第2回ではブロードバンドを活用したメディアオンラインについて紹介した。第3回では、家庭内のネットワークでWindows Media Centerを活用する方法を紹介する。
■ URL
Impress Watch Windows Vista特集サイト
http://www.watch.impress.co.jp/headline/vista/
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