第39回東京モーターショーでは、自動車メーカーによるコンセプトカーや新車種のほかに、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)を利用した技術が公開されている。
■ 日立、ドアハンドルを握るだけで認証できる指静脈認証技術
日立製作所は、ドアハンドルを握るだけで認証を行なう指静脈認証技術を参考出展している。2~3年後の実用化を目指しているという。
同技術は、ドアハンドルの裏側にカメラと光源を設置し、ドアハンドルを握った際に指の甲側の静脈パターンを読み取り認証するもの。従来の指の腹側で静脈認証を行なうシステムでは、物を握った状態での指の変形や血管の圧迫が影響し静脈パターンが不安定になるという問題があるという。同技術では、物を握った状態で明瞭な静脈パターンが得られる指の甲側で認証を行なうことで、安定した認証を実現できたいとしている。また、ドアハンドル裏側の光源が指と密着するために鮮明な静脈画像が取得できる。
このほか、ドアハンドル握ったときに指の同じ部分が毎回撮影されるよう、ドアハンドルの形状を工夫しているほか、画像処理による正規化補正技術を組み合わせることで安定した認証を実現したという。同社では、自動車分野のほか住宅向けなどへの応用も視野に入れて実用化を進めていく予定だとしている。
日立製作所では、同技術を利用することで暗証番号の設定など認証に特別な操作を行う必要がなく、利便性が向上できるとしている。また、鍵の携帯が不要となるため鍵の盗難や偽造の防止も可能だという。
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日立製作所ブース
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指静脈認証技術の概要
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指静脈認証技術を組み込んだドアハンドルのデモ
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■ URL
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2005/10/1017.html
■ デンソー、顔認証や心電計測を利用してドライブを補助するシステム
デンソーは、顔認証やまばたき測定、心電計測を利用してドライバーの状態を検知するシステム「ドライバアシスタンスシステム」をコンセプト展示として参考出展している。2010年までには実用化させる予定だという。
ドライバアシスタンスシステムは、ドライバーの顔をカメラで撮影し個人を特定、顔認証の結果を利用して登録されていない人物が運転仕様とすると警告を発する。また、カーナビゲーションの案内タイミングやエアコンの温度などを設定を個人ごとに自動復元するほか、個人の運転習慣に応じた自動案内を行なうといった利用方法も示されている。
また、顔認証の画像からドライバーのまばたきや閉眼を検知し、脇見運転や居眠り運転などによる前方不注意状態を警告するほか、ドライバーの首元に風を送り覚醒を促すことも可能だという。また、まばたきの計測結果から休息ポイントの案内やドライバーの好みの音楽を再生するといった機能も搭載する。
このほか、ステアリングに電極を装備しドライバーの心電波形と心拍数を測定。結果をカーナビゲーションに表示し、ドライバーに異常が見られた場合に注意を促すほか、車外へ測定結果を送信し、医師など体調を診断できるとしている。
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デンソーブース
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「ドライバアシスタンスシステム」のデモの模様
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顔認証のデモ
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顔認証によるまばたき・閉眼検知のデモ
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カーナビゲーションに心拍数を表示するデモ
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■ URL
ニュースリリース
http://www.denso.co.jp/ja/newsreleases/051013-01.html
■ URL
第39回東京モーターショー
http://www.tokyo-motorshow.com/
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(大久保有規彦)
2005/10/20 11:16
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