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【IDF Japan 2006 ワイヤレス・ブロードバンド・ワークショップ】
国土の狭い日本では周波数割り当ての再編が急務、総務省稲田氏

 インテルは7日、「Intel Developer Forum Japan 2006(IDF Japan 2006)」の併催イベントとして、ワイヤレス技術の動向に関するワイヤレス・ブロードバンド・ワークショップを開催した。ワークショップでは、日本の電波政策の現状や、UWB、ワイヤレスUSBなどの次世代無線技術についての講演が行なわれた。


日本の電波利用密度は米国の数十倍

総務省の総合通信基盤局電波部電波政策課長を務める稲田修一氏
 総務省の総合通信基盤局電波部電波政策課長を務める稲田修一氏は、ワイヤレスブロードバンドでも日本は先端的な状況にあるとして、第3世代携帯電話が2006年中には第2世代携帯電話の加入数を上回るという予測を紹介。また、定額制の導入により携帯電話のネットワークもデータトラフィックが急増しており、データ通信のための周波数帯域の要求が急速に増しているとした。

 一方、無線LANによるアクセスサービスも急速に伸びており、無線LANスポットは2005年に1万カ所を突破。公衆無線LANアクセスサービスの契約数は、他のアクセスサービスのオプションとして使える状態にあるユーザーを含めると、625万契約にも上るという。

 IEEE 802.11nや802.16(WiMAX)などの次世代無線LAN、UWB、ZigBeeといった情報家電向けの小電力無線システムについても標準化作業が進められており、こうした状況からも総務省としては周波数需要の増大に対応した電波資源の供給のため、周波数割り当ての再編作業を進めていると説明した。

 周波数割り当ての見直しは、「光ファイバーなどで代用できるものは置き換えてもらい、周波数帯に空き地を作って再配分する」という作業が基本になっていると説明。携帯電話で利用する800/900MHz帯、1.7/2GHz帯などで再配分を進めているとした。

 こうした再配分を進める背景には、日本は電波利用密度が極めて高いという状況があるという。特に地理的要因として山地や離島が多いため、日本では多数の無線局を設置しなければならず、世界的に見ても電波利用密度が極めて高い国だという。米国と比較した場合には携帯電話の基地局で14倍程度、地上波放送局では50倍程度の電波利用密度となり、比較的国土事情が似ている英国との比較でも2倍程度になる。

 このように、日本は世界的に見ても無線ブロードバンドサービスへの需要が高いにも関わらず、電波利用は極めて混雑しているという状況にあり、周波数再編の迅速な実施や、世界に先行した周波数有効利用技術の採用が不可欠であるとして、周波数再編への理解と協力を求めた。


定額制の導入以降、携帯電話のデータトラフィックも急増 日本の電波利用密度は米国の数十倍

無線への期待には米国と温度差、需要に技術が追いつかない恐れも

 一方で、日本ではADSLやFTTHなどの有線系のブロードバンドサービスが普及しているため、特に米国との間で無線ブロードバンドサービスに対する温度差もあると説明。日本は電話局から5km以内にある世帯が95%を占めるが、米国では50%程度でしかなく、ADSLでカバーできないエリアの広さからも、米国では無線ブロードバンドサービスにかける期待が大きいとした。

 また、ワイヤレス技術も高速化が進んではいるものの、今後の需要の伸びを考えた場合には不安があるという。周波数効率は今後10年で3倍程度にしか伸びないのではないかという予測があり、再編成などで割り当てる周波数を3倍に増やしてもトータルでは10倍程度にしかならず、需要をまかないきれなくなる恐れがあるという。また、無線LAN系では高速化が進んでいるものの、極めて短距離のスポットサービスであり、こちらも面的な展開は望めないのではないかとした。

 こうした事情から、完全定額制のワイヤレスブロードバンドサービスの実現にはハードルが大きく、定額制サービスの領域が少しずつ拡大していく形が現実的ではないかという予測を示した。

 総務省では、2004年から開催してきた「ワイヤレスブロードバンド推進研究会」の検討結果を踏まえて、2.5GHz帯を使用する「広帯域移動無線アクセスシステム」、1.5GHz帯への第3世代携帯電話導入に向けた再編、高速無線LAN(IEEE 802.11n)導入などに向けた審議を開始。いずれも2006年中に答申を行なう予定だ。また、地上デジタル放送への移行に伴って、VHF/UHF帯の再編に向けた審議も開始し、2007年には一部答申を行なうとしている。

 稲田氏はこうした取り組みを通じて、ワイヤレスブロードバンド分野における我が国のリーダーシップの確保、周波数の有効利用、ユーザーの利便性向上を進め、世界最先端のワイヤレスブロードバンド環境を実現していきたいと述べて講演を締めくくった。


ワイヤレスへの需要が技術を上回る恐れも 総務省が審議を開始した無線技術や周波数再編

関連情報

URL
  IDF Japan 2006
  http://www.intel.com/jp/idf/

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(三柳英樹)
2006/04/07 20:23
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