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TTNet、映像配信サイト「PowerBroad」の現状と将来展開
東京通信ネットワーク 技術部ブロードバンドグループマネージャーの大槻健一郎氏
「Powebroad」のサービスイメージ
CEATEC JAPAN会場において10月2日、東京通信ネットワーク(以下TTNet)の技術部ブロードバンドグループマネージャー大槻健一郎氏が講演を行なった。「ブロードバンドコンテンツ配信事業戦略と技術動向」と題し、同社運営の映像配信サイト「Powerbroad」の現状と将来展開を説明した。
東京通信ネットワークは、東京電力グループの通信事業会社。固定電話サービスや「東京電話インターネット」のブランド名でISPサービスを展開している。東京電力グループ全体では、無線アクセスサービスで知られる「スピードネット」、東京電力本社のFTTHサービス「TEPCOひかり」など各種のインターネット関連サービスを提供している。
大槻氏は「インフラ面のサービスを提供する企業はグループ内に多いものの、インフラの上に流すコンテンツの配信事業は行なわれていなかった。Powerbroadはその穴を埋め、コンテンツ所有者と通信事業者、インターネットユーザーを繋ぐための『接着剤』としての機能を目指している」とPowerbroadのサービス開始経緯を述べた。
Powerbroadは2001年6月から、2002年4月17日の商用サービススタート時までを実験期間とし、バイクレースやコンサートのライブ中継など、各種の配信実験を行なった。特に、東京・渋谷の交差点ライブ中継など24時間体制の配信は「機材の耐久テスト的な意味合いもあり、多くの問題が当初は発生したが、相当のノウハウを蓄積できた」(大槻氏)としている。
Powerbroadの事業モデルはおもに2つ。コンテンツホルダーから預かった素材をエンコードし、Powerbroadサイト上での配信・ユーザー課金を代行する「B2C」型モデルと、クライアント企業のコンテンツ配信事業を運用・管理する「B2B」型モデルが挙げられる。
しかし現在は、取引先からの収入が比較的安定している「B2B」が売上の中心だという。大槻氏は「『B2C』はリスクが高く、売上を向上させるのが難しい」と語り、その一因としてコンテンツ制作費の高さを挙げた。ユーザーはPowerbroadでしか見られないオリジナルコンテンツを求める傾向が強いが、現段階の利用者数では、制作費を賄うほどの収入が期待できないとし、コンテンツの有料配信が厳しい現状を明かした。
Powerbroadでは絶対的な利用者数を増やすために、東京電力グループ外のISPとも積極的に協力するなど、オープンなビジネスモデルを当初から標榜している。9月からはTTNetと吉本興業が共同設立したコンテンツ制作会社「キャスティ」とも協力して、漫才、お笑いなどのオリジナルコンテンツを充実させて、会員獲得につなげていく考えだ。
また今後は新しい動画配信形式への対応も図っていく。すでに「Windows Media 9 Series」やリアルネットワークスの「Helix」も、サポートに向けた実験を行なっている段階。家庭用テレビに接続するセットトップボックス向けのコンテンツ配信も検討しているという。
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URL
関連記事:TTnet、ブロードバンドコンテンツの配信代行サービスを開始
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/04/17/ttnet.htm
Powerbroad
http://www.powerbroad.ne.jp
東京通信ネットワーク(TTNet)
http://www.ttnet.co.jp/
(森田秀一)
2002/10/02 17:44
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