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【Web 2.0 Expo San Francisco 2008】
Flickr講演「32,000枚/秒の写真、300万ファイル/日のアップロード」

FlickrのJohn Allspaw氏
 「Web 2.0 Expo」の最終日となる25日には、米Yahoo!が運営する写真共有サービス「Flickr」のセッション「Capacity Planning for Web Operations」が行なわれた。

 同セッションでは、FlickrのOperations Engineering groupに所属するJohn Allspaw氏が登壇。Webサービスにおけるサーバー設置台数などといった処理能力を計画するCapacity Planning(キャパシティ・プランニング)の重要性について、Flickrにおけるトラフィックデータを交えながら説明した。

 Allspaw氏によるとFlickrでは、1年間のラフィック伸び率として、写真の秒間リクエスト数は4倍、1日あたりのアップロード数は2.2倍、秒間データベースクエリ数は3倍の増加を見込んでいるという。しかし、「こうした通常ケース以外に、予期せぬトラフィック増加も起こりうる」とし、Flickrでもクリスマス時期にYahoo!トップページからの直リンクによってトラフィックが急激に上昇した例を挙げた。

 一方で、パフォーマンスを強化しても、それがそのままキャパシティ・プランニングの達成に繋がるわけではないという。例えば、必要とするサーバーの2倍を用意してパフォーマンスを強化しようとしても、そもそも必要なサーバーの台数を適正に見積もることが難しい。このため、サービス提供にあたって最適なキャパシティを測定する必要性を説き、Allspaw氏は一例としてFlickrが利用する「ganglia」を含めた測定ツールの利用を挙げていた。


計画や予期が可能な通常の伸びと、突発的な伸び Flickrでの通常時における伸び クリスマス時にYahoo!トップからリンクされたことで、トラフィックが瞬間的に上昇したという

メールによる1分あたりの写真投稿数
 また、ベンチマークに関する話では、Flickrで利用していた67台のデュアルコアサーバーを、18台のデュアルクワッドサーバーに置き換えたと紹介。これにより、処理向上が図れたほか、70%の電力削減、49ユニット分のラックスペースを節約できたという。

 そしてAllspaw氏は、キャパシティ・プランニングにあたって、常に正しい測定値に注意を払うとともに、正確な未来を予測しているとは思わない、チューニングや微調整でキャパシティに対処し続けられると期待してはいけない、といった考え方を披露した。

 なお、それ以外の統計データとして、Flickrにおけるピーク時の各種数値も紹介された。それによれば、秒間で最大32,000枚の写真が提供されているほか、1日あたり300万ファイルのアップロードがあるとした。

 Allspaw氏は、「特にFlickrのようなユーザー参加型サイトでは、週末にかけてトラフィックが上昇する」と語った。また、1日あたりのストレージ消費量は最大6~8TBとなり、2007年にYahoo! Photoを統合した際には1日34TBを消費したという。


サーバー構成を変更。グラフのバーはサーバー台数分が重なって表示されている

サーバースペック。CPUに加え、HDD容量も増やしている その他統計値

関連情報

URL
  Web 2.0 Expo San Francisco 2008
  http://sf.web2expo.com/
  Flickr
  http://www.flickr.com/


(村松健至)
2008/04/26 20:13
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