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【CEATEC JAPAN 2008】
MS講演「原点に立ち返ってコンシューマー戦略を強化」

 CEATEC JAPAN 2008で30日、講演「マジカル ウィンドウズ ~マイクロソフトの次世代コンシューマービジョン~」が開催された。マイクロソフト コーポレーションのコーポレートバイスプレジデントであるブラッド・ブルックス氏らが「Windows」をコンシューマー向けブランドとして強化することの重要性などについて語った。


「マイクロソフトの原点はコンシューマー向け」

マイクロソフト コーポレーションのコーポレートバイスプレジデント Windows コンシューマー プロダクトマーケティングのブラッド ブルックス氏
 マイクロソフト コーポレーションのコーポレートバイスプレジデント Windows コンシューマー プロダクトマーケティングのブラッド ブルックス氏は冒頭、「Windowsはいまや10億人ものユーザーにご利用いただき、世界の『言語』になった」と、Windowsの成長を振り返った。

 加えて、PC向け製品であるOS「Windows Vista」に加え、携帯機器向けOS「Windows Mobile」やオンラインサービス「Windows Live」などの登場によって、「あらゆるシーンでWindowsを体験できるという“マジック”を生み出している」と社会における存在感を強調した。

 しかし、これらの急成長によって、マイクロソフトやその関連製品が「企業向けブランドと」して認知されるケースが増えてしまったという。ブルックス氏は「マイクロソフト創業の目的は、家庭をはじめとしたあらゆる場所でPCを利用できる社会の実現。また『Typing Tutor』や『Microsoft Flight Simulator』に代表されるように、コンシューマー向けサービスが原点にある」とし、創業当時の理念を今一度復活させたいとの考えを示した。

 そしてコンシューマー向けサービスを強く意識するにあたっては、より使いやすく、利用デバイスを意識させない、いわば「壁のない世界」を作りだすことが重要だとブルックス氏は指摘。

 そうした世界を作り出すにあたり、マイクロソフトは企業パートナーとの協業を重要視しているとブルックス氏は語り、具体的な事例としてWindows Mobileを搭載したHTC社製のスマートフォンを紹介した。携帯端末で撮影した画像をWindows Live スペースなどを通じて簡単にアップロード・共有できるとアピールし、マイクロソフトの新コンセプト「Windows Life Without Walls 壁のない世界へ。」の具体例とした。


マイクロソフトはコンシューマー向けソフトを多数リリースしている歴史がある
「Windows Life Without Walls 壁のない世界へ。」が新コンセプトとして提示された

マイクロソフトの堂山副社長が日本向け施策を解説

マイクロソフト 代表執行役 副社長 コンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏

スカイパーフェクト・コミュニケーションズ代表取締役 執行役員社長である仁藤雅夫氏が登壇し「スカパー!Netてれび」をアピール
 ブルックス氏に続いてマイクロソフト 代表執行役 副社長 コンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏が登壇し、主に日本向けの取り組みについて解説した。堂山氏はまず「PC、ケータイ、Webという各プラットフォームはそれぞれ独自の進化を遂げており、どこかで分断されている印象がある。これをマイクロソフトが掲げる『ソフトウェア+サービス』という概念、そして企業パートナーとの連携によってシームレスにしたい」と基本的な考えを示した。

 その具体例としてとりあげたのが講演当日の9月30日付で発表した施策。PCメーカー各社から発売される地上デジタル放送対応型Windows Media Center搭載PC、TBSおよびフジテレビからリリースされたテレビ連携用サイドバーガジェットなどだ。特に地デジ対応Windows Media Centerは、番組表やデータ放送画面の操作性が快適であることを強調した。

 また、もう1つの新サービスである「スカパー!Netてれび」も、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー!)との提携によって実現。講演途中にはスカパー!の代表取締役 執行役員社長である仁藤雅夫氏を壇上に招いた。仁藤氏も 「年内は5チャンネル展開だが、順次拡大予定。講演終了直後の12時30分にサービスがスタートするのでぜひお試しを」とコメントした。

 一方、マイクロソフトではユーザーインターフェースの分野にも注力。タブレットPCやWindows Media Center用リモコンもこれまでの研究開発の好例という。また2007年5月に米国で発表されたテーブル型PC「Microsoft Surface」は、大型画面上に表示されたアイコン類をマルチタッチ操作できるのが特徴。講演中には国内初という実動機によるデモが行われ、水面を模した画面にさまざまなタッチで操る様子が紹介された。なお、同機の日本展開は未定となっている。

 講演の最後に堂山氏は、機器、もしくはサービスを隔てる“壁”の上にサービスが乗ることで、シームレスなサービス提供が可能だとあらためて言及。グローバル展開する「Windows Life Without Walls 壁のない世界へ。」の中で、今後登場するであろう新サービスに期待欲しいと締めくくった。


Microsoft Surfaceのデモ風景。外見上はまさにテーブル
テーブル天面には大型ディスプレイが内蔵されており、さまざまなタッチ操作が可能

関連情報

URL
  CEATEC JAPAN 2008
  http://www.ceatec.com/
  マイクロソフト
  http://www.microsoft.com/ja/jp/

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(森田秀一)
2008/09/30 18:57
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