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【 2009/10/07 】
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【CEATEC JAPAN 2008】
Yahoo!井上社長講演「テレビ向けサービスでもオープン化を」
幕張メッセで開催中のCEATEC JAPAN 2008で、ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏による基調講演が行われた。「Yahoo! Everywhere構想 テレビライフの未来」と題し、テレビ向けサービスの進捗状況やYahoo! JAPANの将来戦略などを語った。
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機器に応じたユーザーインターフェースが重要に
ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏
井上氏がCEATEC JAPANでYahoo! Everywhere構想について語るのは今年で3回目。パソコンでのインターネット利用が中心だった時代に対し、携帯電話やテレビを含めたあらゆる機器でYahoo! JAPANを利用してもらおうというこの構想は、年々着実に進歩していると井上氏は説明。10月にはホンダ車向けのカーナビサービス「インターナビ」にスポット情報を提供予定という。
また、薄型テレビに向けたサービスにもこの1年で大きな変化があったと井上氏は指摘。具体的にはシャープと協力して「Yahoo! JAPAN for AQUOS」を5月に開始。写真共有サービスなどの新機能も「明日くらいには提供開始できるのでは」と明かした。
大きな話題を集めたiPhone 3Gについても、7月の発売日前後には全社的にサービスの最適化を実施。「約2週間ほどの期間で100種類ほどのサービスをiPhone対応にできた」(井上氏)という。
このiPhone対応にあたっては、ユーザーインターフェースについて学ぶべき事が多かったとコメント。井上氏は「キーボードやマウスによる操作だけを前提としては、Yahoo! Everywhere構想が不十分であることを体感できた」とし、機器に応じたインターフェース作りの重要性を強調した。
あらゆる機器からの利用を可能にし、ユーザーとのタッチポイントを増やす「Yahoo! Everywhere構想」
iPhone 3G対応にあたっては、ユーザーインターフェースの重要性を再認識したという
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テレビ向けサービスでも“オープン化”を
井上氏は日本を取り巻くインターネットの現状についても説明。「ブロードバンド利用世帯が1000万を超え『当たり前』の状況になったことで、広告以外の市場、つまり有料コンテンツ販売という市場が立ち上がったのでは」と分析。2002年から2006年までの間にオンラインゲームや動画・音楽配信の売上規模が約8倍になった統計値を例に挙げ、この背景にはブロードバンドの存在があったとした。
有料コンテンツ販売が成立した大きな要因のもう1つとして、井上氏はインターネットの特徴である「オープン」を改めて強調。「かつてパソコン通信の時代はPC-VAN、ニフティサーブなど企業がそれぞれ閉鎖的なネットワークを構築していたのに対し、インターネット時代はプロバイダーの種類を問わずオープン化された1つのネットワークにアクセスできる」とし、より広範なユーザーと接触できることをオープン化の大きなメリットであると語った。
オープン化は携帯電話についても当てはまるという。携帯電話キャリアが独自にコンテンツ配信網を構築する時代が長く続いたが、2007年頃からキャリア公式サイトに検索サービスを導入する例が増えており、井上氏もこれを「オープンな世界に一歩近づいた」と評価。「高速通信が可能な3G端末も成熟期を迎えたことで、オープン化による携帯電話関連の市場拡大について期待は大きい」とした。
井上氏はテレビ向けサービスにおいても「しつこいかもしれないが、オープン化が重要だ」と繰り返し指摘。「2008年は国内主要メーカー5社からインターネット接続できる薄型テレビが発売され、『テレビ向けサービス元年』と言える年になるかもしれない」と続け、さらなる市場拡大を展望した。
有料コンテンツ市場が立ち上がった背景には、ブロードバンドの普及や“オープン化”があると指摘
PC、携帯電話に限らず、テレビ向けサービスでもオープン化は重要という
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「日本から世界へ」の実現目指す
基調講演の途中では、Yahoo!動画のテレビ向けサービス版がデモンストレーションされた。ユーザーインターフェースもPC版から変更されており、「サービスにアクセスした時点ですぐさま映像配信を開始する」「無操作でも映像を連続再生」「リモコンのボタン1押しでタイトルや全画面表示を切り替え可能」といった特徴を紹介。特にシャープのAQUOS向けサービスは映像再生しながらメニュー類をオーバーレイ表示する機能をアピールした。
井上氏は、利用機器に応じてユーザーインターフェースを変える重要性について、ホテルを予約するシーンを想定して説明。「PCでホテルを検索するのは余裕を持って予約したいとき、携帯電話からは今すぐ泊まりたい場所を探したいとき、といったように目的が異なるはず。利用機器によって目的は変わる」と語った。
テレビ向けの「Yahoo!動画」をデモ
映画予告編の視聴中に、上映館などの関連情報も呼び出せる
将来のテレビ向けサービスについては、個人的な例として「何年も前に撮影した子供のビデオ映像を、DVDやブルーレイのさらに次世代メディアが登場したときにどう見ればいいのか。大事な映像をインターネットに保管していつでも好きなときに見られるようなサービスが考えられる」と話した。
一方で「放送中の番組をタイムシフト再生したい」「興味のある番組だけを見たい」とった短期的なニーズについては、「『見たいものを何でも見られる』ということがチャンスにつながる。インターネットを使ったサービスとしてはこれがもっとも自然な答えだろう」と将来像を示した。。
講演終盤ではもう1つのデモとして、米国のIntelとYahooが開発している「Widget Channel」も披露された。テレビ番組などを視聴中でも画面端にニュースや天気、Flickrをはじめとしたインターネット経由の情報が表示できる。情報表示中は番組画面が縮小表示されるので、映像視聴を妨げないのも特徴という。
井上氏はテレビ向けサービスが海外でも開発中である現状に触れ、「薄型テレビやカーナビの普及率が高い日本から、世界へ通用するサービスを発信したい」と語った。「しかしYahoo! JAPANだけでできるとは到底思っていない。Yahoo! JAPAN自体のオープン化はもちろん、ぜひさまざまな企業と協力していきたい」と今後の戦略を説明、講演を締めくくった。
Widget Channelのデモ。映像視聴中にFlickrの写真を閲覧できる
Yahoo! JAPAN自体のオープン化や企業提携を進め、世界進出を目指すという
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URL
CEATEC JAPAN 2008
http://www.ceatec.com/
Yahoo! JAPAN
http://www.yahoo.co.jp/
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2008/10/01 19:28
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